C.J.クロン

アメリカのプロ野球選手 (1990-)

クリストファー・ジョン・クロン・ジュニアChristopher John Cron Jr., 1990年1月5日 - )は、アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス出身のプロ野球選手一塁手)。右投右打。MLBボストン・レッドソックス傘下所属。愛称はクロニーCrony[1]

C.J.クロン
C. J. Cron
ボストン・レッドソックス(マイナー)
コロラド・ロッキーズ時代
(2021年7月10日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 アリゾナ州フェニックス
生年月日 (1990-01-05) 1990年1月5日(34歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 一塁手
プロ入り 2011年 MLBドラフト1巡目
初出場 2014年5月3日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入り前

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2008年MLBドラフト44巡目(全体1320位)でシカゴ・ホワイトソックスから指名されたが、ユタ大学へ進学した。

プロ入りとエンゼルス時代

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2011年MLBドラフト1巡目(全体17位)でロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムスから指名され[2]、プロ入り。契約後、傘下のパイオニアリーグのルーキー級オレム・オウルズ英語版でプロデビュー。34試合に出場して打率.308、13本塁打、41打点を記録した。オフにベースボール・アメリカの2011年度ルーキー・オールスターに選出され[3]、11月にはエンゼルスのマイナー・オールスターチームに指名打者として選出された[4]

2012年はA+級インランド・エンパイア・シックスティシクサーズ英語版でプレーし、129試合に出場して打率.293、27本塁打、123打点、3盗塁を記録した。オフにカリフォルニアリーグの新人王を受賞し、同リーグのオールスターチームや[5]、MiLB機構とTopps社が選ぶA級のオールスターチームに選出された[6]。さらに2年連続でエンゼルスのマイナー・オールスターチームに一塁手として選出された[7]

2013年はAA級アーカンソー・トラベラーズでプレーし、134試合に出場して打率.274、14本塁打、83打点、8盗塁を記録した。7月にはオールスター・フューチャーズゲームでアメリカ合衆国選抜に選出された[8]

2014年はAAA級ソルトレイク・ビーズで開幕を迎え、28試合に出場。打率.319、6本塁打、26打点と結果を残した。5月3日にエンゼルスとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。同日のテキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビュー。「5番・一塁手」で先発起用され、8回裏には決勝打となる適時二塁打を放った。この試合は5打数3安打2打点だった[9]。その後、マイナーに降格した。9月2日にセプテンバー・コールアップで、メジャーに再昇格した[10]。一塁と指名打者として79試合に出場し、打率は.256ながらデビュー1年目で2桁本塁打となる11本塁打、37打点、出塁率.289を記録した。

 
ロサンゼルス・エンゼルス時代
(2015年5月15日)

2015年7月4日のレンジャーズ戦で自己最多となる1試合6打点を記録した。このシーズンは一塁及び指名打者で起用され、113試合に出場して打率.262、16本塁打、51打点、出塁率.300を記録した。

2016年も一塁のレギュラーで起用され、116試合の出場で打率.278、16本塁打、69打点、出塁率.325を記録した。

2017年は100試合に出場して打率.248、16本塁打、56打点、出塁率.305を記録した。

レイズ時代

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2018年2月17日に後日発表選手[注 1]とのトレードで、タンパベイ・レイズへ移籍した[12]。このシーズンは140試合に出場して自身初となる規定打席に到達し、打率.253、自己最多となる30本塁打、74打点、出塁率.323を記録した。オフの11月20日にDFAとなった[13]

ツインズ時代

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2018年11月26日にウェイバー公示を経てミネソタ・ツインズへ移籍した[14]

2019年は125試合に出場し、打率.253、25本塁打、78打点、出塁率.311を記録した。12月2日にノンテンダーFAとなった[15]

タイガース時代

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2019年12月21日にデトロイト・タイガースと610万ドルの単年契約を結んだ[16]

2020年は僅か13試合の出場で打率.190、4本塁打、8打点、出塁率.346に留まった。オフの11月1日にFAとなった[17]

ロッキーズ時代

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2021年2月15日にコロラド・ロッキーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[18]。3月20日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[19]。8月には打率.387、11本塁打、34打点、出塁率.463、長打率では脅威の.828を記録し、月間34打点は2016年のノーラン・アレナドに次ぐ球団歴代2位となる月間打点となった[20] 。9月2日には8月のプレイヤー・オブ・ザ・マンスを受賞した[21]。このシーズンは自己最多となる142試合に出場し、3年ぶりに規定打席に到達して打率.281、28本塁打、92打点、出塁率.375はナショナルリーグ6位を記録した。オフの10月5日にロッキーズと2年総額1450万ドルで契約延長した[22]

2022年9月9日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で自己最長となる504フィートの本塁打をキーナン・ミドルトンから記録した。スタットキャストが導入された2015年以降でクアーズ・フィールドの最長記録は2019年6月21日に記録したノマー・マザラの505フィートで、504フィートは2016年8月6日に記録したジャンカルロ・スタントンに並ぶ歴代2位タイの長さとなった[23]。また、9月6日に同球場で記録したクリスチャン・イエリッチの499フィートを抜き、2022年シーズンでの最長本塁打記録となった[24]

エンゼルス復帰

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2023年7月30日にジェイク・マッデンメイソン・オルブライトとのトレードでランドル・グリチャックと共にロサンゼルス・エンゼルスへと復帰した[25]。オフの11月3日にFAとなった[26]

レッドソックス時代

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2024年3月1日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結んだ[27]。メジャーに昇格した場合の年俸は200万ドルで、オプションとして最大50万ドルの出来高が含まれる[27]

家族

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父親のクリス・クロンもカリフォルニア・エンゼルスなどに所属した元メジャーリーガー(内野手)であり、引退後はマイナーリーグで長年監督を務めている。弟のケビン・クロンは2014年のMLBドラフト14巡目(全体420位)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名されてプロ入りし、NPB広島KBOSSGでもプレイした経験がある。

また、親戚にミルウォーキー・ブルワーズなどでプレーした元メジャーリーガー(捕手)のチャド・モーラー英語版がいる。

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2014 LAA 79 253 242 28 62 12 1 11 109 37 0 0 0 0 10 0 1 61 10 .256 .289 .450 .739
2015 113 404 378 37 99 17 1 16 166 51 3 1 0 3 17 1 5 82 9 .262 .300 .439 .739
2016 116 445 407 51 113 25 2 16 190 69 2 3 0 5 24 1 7 75 9 .278 .325 .467 .792
2017 100 373 339 39 84 14 0 16 99 56 3 2 0 3 22 0 7 96 5 .248 .305 .437 .741
2018 TB 140 560 501 68 127 28 1 30 247 74 1 2 0 5 37 2 17 145 11 .253 .323 .493 .816
2019 MIN 125 499 458 51 116 24 1 25 215 78 0 0 0 2 29 3 10 107 13 .253 .311 .469 .780
2020 DET 13 52 42 9 8 3 0 4 23 8 0 0 0 0 9 0 1 16 2 .190 .346 .548 .894
2021 COL 142 547 470 70 132 31 1 28 249 92 1 0 0 4 60 3 13 117 11 .281 .375 .530 .905
2022 150 632 575 79 148 28 3 29 269 102 0 0 0 5 43 6 8 164 16 .257 .315 .468 .783
2023 56 224 208 31 54 12 0 11 99 32 0 0 0 2 13 0 1 50 10 .260 .304 .476 .780
LAA 15 54 50 7 10 0 0 1 13 5 0 0 0 0 4 0 0 15 3 .200 .259 .260 .519
'23計 71 278 258 38 64 12 0 12 112 37 0 0 0 2 17 0 1 65 13 .248 .295 .434 .729
MLB:10年 1049 4043 3670 470 953 194 10 187 1728 604 10 8 0 29 268 16 70 928 99 .260 .320 .471 .791
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績

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一塁(1B)












2014 LAA 36 221 12 1 23 .996
2015 58 385 31 6 33 .986
2016 97 761 48 6 78 .993
2017 98 745 61 4 63 .995
2018 TB 61 463 27 2 46 .996
2019 MIN 117 927 61 8 87 .992
2020 DET 13 113 12 2 9 .984
2021 COL 130 1040 90 10 103 .991
2022 121 1033 59 7 113 .994
2023 47 372 26 3 42 .993
LAA 14 87 2 2 13 .978
'23計 61 459 28 5 55 .990
MLB 792 6147 429 51 610 .992
  • 2023年度シーズン終了時

表彰

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MLB

記録

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MiLB

背番号

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  • 20(2014年)
  • 24(2015年 - 2017年、2019年)
  • 44(2018年)
  • 26(2020年)
  • 25(2021年 - 2023年)

脚注

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注釈

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  1. ^ 2018年3月20日にルイス・レンヒフォと発表されている[11]

出典

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  1. ^ Explaining Angels Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ Angels select C.J. Cron in Day One of 2011 draft”. MLB.com Angels Press Release (June 6, 2011). May 4, 2014閲覧。
  3. ^ 2011 Classification All-Star Teams”. Baseball America (September 16, 2011). May 4, 2014閲覧。
  4. ^ John Parker (November 14, 2011). “Trout, Calhoun pace Angels' prospects”. MiLB.com. May 4, 2014閲覧。
  5. ^ California League Postseason All-Star Teams”. MiLB.com. May 4, 2014閲覧。
  6. ^ Hamilton heads up Class A All-Stars”. MiLB.com (November 27, 2012). May 4, 2014閲覧。
  7. ^ Danny Wild (November 14, 2012). “Angels' Cron, Maronde rise to the top”. MiLB.com. May 4, 2014閲覧。
  8. ^ 2013 All-Star Futures Game US Team Roster”. MLB.com. May 4, 2014閲覧。
  9. ^ Scores for May 3, 2014”. ESPN (May 3, 2014). May 4, 2014閲覧。
  10. ^ Eleven Bees Receive September Call-UpsSalt Lake Bees Official Site (2014年9月2日) 2014年12月20日閲覧
  11. ^ David Adler (2018年3月20日). “Angels add Rengifo to complete Cron trade” (英語). MLB.com. 2019年1月11日閲覧。
  12. ^ Bill Chastain (2018年2月17日). “Rays get Cron from Halos; Odorizzi to Twins” (英語). MLB.com. 2018年2月25日閲覧。
  13. ^ Marc Topkin (2018年11月20日). “Rays DFA C.J. Cron in adding 5 prospects to roster” (英語). TBO.com. 2019年1月11日閲覧。
  14. ^ Slugger C.J. Cron claimed off waivers by Twins” (英語). ESPN (2018年11月27日). 2019年1月11日閲覧。
  15. ^ Mark Feinsand (2019年12月3日). “These players just joined the free-agent pool” (英語). MLB.com. 2019年12月9日閲覧。
  16. ^ Jason Beck (2019年12月21日). “Tigers sign Schoop, Cron to matching deals” (英語). MLB.com. 2019年12月22日閲覧。
  17. ^ 2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月3日閲覧。
  18. ^ Rockies Sign C.J. Cron To Minor League Contract” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月15日閲覧。
  19. ^ Rockies Select Contracts Of C.J. Cron, Chris Owings” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年3月21日閲覧。
  20. ^ José Abreu of the Chicago White Sox named August's American League Player of the Month Presented by Chevrolet; C.J. Cron of the Colorado Rockies named August's National League Player of the Month Presented by Chevrolet” (英語). MLB.com. 2022年9月16日閲覧。
  21. ^ Michael Guzman (September 2, 2021). “Abreu, Cron named top players for August” (英語). MLB.com. September 3, 2021閲覧。
  22. ^ Rockies Extend C.J. Cron” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月15日閲覧。
  23. ^ Cron's 504-foot HR longest of '22: 'I'm a big dude'” (英語). MLB.com. 2022年9月16日閲覧。
  24. ^ Watch: Rockies' C.J. Cron hits longest HR of the year, traveling 504 feet” (英語). Yardbarker (2022年9月10日). 2022年9月16日閲覧。
  25. ^ “Angels Acquire Randal Grichuk, C.J. Cron From Rockies” (英語). MLB Trade Rumors. (2023年7月30日). https://www.mlbtraderumors.com/2023/07/angels-acquire-randal-grichuk-c-j-cron-from-rockies.html 2023年8月1日閲覧。 
  26. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 3, 2023). November 8, 2023閲覧。
  27. ^ a b Red Sox Agree To Minor League Deal With C.J. Cron” (英語). MLB Trade Rumors (2024年3月1日). 2024年3月2日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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