まず、BEAFの元になった、ハイパー演算子について記す。詳細はハイパー演算子を参照。
乗算は、加算の反復によって定義できる。
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同様に、冪乗は、乗算の反復によって定義できる。
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クヌースは、 を、冪乗の繰り返しを表す演算子として再帰的に定義した。
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ここで、 である。これを、テトレーション、またはその見た目からタワー(power tower[3])とも呼ぶ。同様に、 も次のように定義できる。
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ここで、 である。さらに、n本の上向き矢印に対して再帰的に定義すると、次のようになる。
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ここで、a, b, n は整数であり、a ≥ 1, b ≥ 0, n ≥ 1である。また、 は をn本並べたものを表す。
このように、矢印の本数を増やすと、値が爆発的に増加することがわかる。これにより、非常に大きな自然数を表現する事が可能である。
からもわかるように、複数の演算子が並んでいるときは、右から順に計算していく。すなわち、
であって、
ではない。
Jonathan Bowersは、まず矢印表記を一般化した、括弧を使った演算子表記を開発した。
例えば、 である。この表記法は、単に矢印表記を書き換えたに過ぎないが、Bowersは{}を1重から2重に増やすことで、拡張した。
Bowersはこれを、aのb重膨張と呼んだ。
{{}}の中を増やしていくと、次のようになる。
{}を二重から三重にすると、aのb重爆発となる。
{}を四重にすると爆轟、五重にするとペントネーションと続く。また、
と書いて圧縮することができる。すなわち、
である。
と書き換えることが可能である。この表記を多変数へ一般化したものは配列表記と呼ばれ、クヌースの矢印表記やコンウェイのチェーン表記や拡張チェーン表記や回転矢印表記よりも強力な表記である。
配列表記は以下のように定義される。
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配列表記は、急成長階層で に近似され、多変数アッカーマン関数と同じくらいの強さである。
Bowersは配列表記をさらに多次元へ一般化し、拡張配列表記を作った。[5]