7.5-cm-KwK 37 L/24 (: 7.5-cm-Kampfwagenkanone 37 L/24)は、第二次世界大戦初期から末期にかけてドイツ陸軍が使用した戦車砲。設計、製造はクルップ社。

7.5 cm Kampfwagenkanone 37
Ⅳ号戦車F型に搭載された7.5cm KwK 37 L/24
種類 戦車砲
原開発国 ナチス・ドイツの旗 ドイツ国
運用史
配備期間 1937-1945
配備先 ドイツ陸軍
関連戦争・紛争 第二次世界大戦
開発史
開発者 クルップ
製造業者 クルップ
諸元
重量 285.5kg
銃身 1,768mm L/24

砲弾 Pzgr39
Sprgr34
Gr38 Hl/A
Gr38 Hl/B
Gr38 Hl/C
Nbgr
口径 75 mm
初速 385m/s( "Pzgr39")
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概要

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口径75mmで24口径長の戦車砲。第二次世界大戦初期から中期のIV号戦車III号突撃砲、末期のIII号戦車に搭載された。24口径長が示すとおり短い砲身長で、主に榴弾発射の歩兵支援砲として設計されたが、戦争初期の装甲厚が薄い戦車に対しては有効であった。

しかし、重装甲を誇ったイギリス軍マチルダII歩兵戦車フランス軍ルノーB1重戦車東部戦線独ソ戦)のKV-1重戦車、傾斜装甲を取り入れたT-34中戦車に対しては歯が立たず、1942年3月頃からIV号戦車とIII号突撃砲が新型長砲身戦車砲(7.5cm-KwK 40 L/43、L/48)に換装されると余剰となり、古い装甲車両から降ろされた7.5cm-KwK 37は、射程は限られるものの成形炸薬弾を用いた対戦車戦闘も行えた為、中戦車としての性能の限界を迎えたⅢ号戦車や、他の歩兵支援車両を武装する為に再利用された。

III号突撃砲や歩兵支援車両に搭載されたものは、砲兵科の管轄になるため7,5cm-StuK 37(7,5cm-Sturmkanone 37)と呼ばれる。7,5cm-StuK 37は旋回砲塔に搭載しない為、角度が限定されるが砲袈が旋回し、間接射撃用の照準器を備えている。

薬室垂直鎖栓式閉鎖機を持ち、発砲後、自動的に薬莢が排出され開いたままとなり、新たな砲弾を装填後に自動的に閉鎖される。7,5cm-StuK 37 との弾薬の互換性はあるが、7,5cm-KwK 39 や7,5cm-KwK 40 (7.5cm StuK 40)、7.5 cm PaK 407.5 cm KwK 42とは薬室長が異なる為、互換性はない。

ドイツ兵からは、その短い砲身から"Stummel"(切株)と呼ばれた。

弾種

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30°傾斜装甲への浸透深さ(mm)[1][2][出典無効]
弾種 重量(Kg) 砲口初速(m/s) 100m 500m 1,000m 1,500m 2,000m
PzGr 6.8 385 41 39 35 33 30
Gr38 Hl/A 4.4 450 70 70 70 70 -
Gr38 Hl/B 75 75 75 75 -
Gr38 Hl/C 4.8 100 100 100 100 -

(Gr38 Hlは成形炸薬弾の為、距離と貫通力は無関係)

搭載車両

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脚注

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注釈

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出典

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参考文献

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  • ピーター・チェンバレン、ヒラリー・L・ドイル 翻訳・監修:富岡 吉勝『ジャーマンタンクス (Encyclopedia of German Tanks of World War Two) 日本語版』大日本絵画、1993年。ISBN 978-4499205337