2015年世界陸上競技選手権大会・男子50km競歩

第15回世界陸上競技選手権大会
男子50km競歩
会場北京国家体育場
開催日8月29日
参加選手数29か国 53人
優勝記録3:40:32
メダリスト
金メダル  スロバキア スロバキア
銀メダル  オーストラリア オーストラリア
銅メダル  日本 日本
« 2013 モスクワ2017 ロンドン »

2015年世界陸上競技選手権大会・男子50km競歩(2015ねんせかいりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい・だんし50キロメートルきょうほ)は、2015年世界陸上競技選手権大会の種目の一つ。2015年8月29日中華人民共和国北京市北京国家体育場で開催された[1][2]

レースは優勝候補に挙げられていたマテイ・トートが終始独走する形で展開した[2][3]。2位集団には谷井孝行荒井広宙が付けていた[4]。中盤31km付近にはトートがトイレに駆け込む場面もあったが、トップを維持し続け[2][3]、40km地点では2位集団に1分13秒の差を付けていた[3]。41kmすぎに2位集団からジャレド・タレントが抜け出し[4]、43km付近で荒井がロバート・ヒファーナン英語版を抜き去り[5]、谷井と荒井が3位争いを繰り広げた[4]。一方のトートは、2位のジャレド・タレントにおよそ2分の大差を付けて3時間40分32秒でゴールし、スロバキア世界選手権初の金メダルをもたらした[2]。谷井は3位を守り抜き、銅メダルを獲得した[4]。谷井と争っていた荒井は、4位入賞を果たした[6]。3人目の日本代表である山崎勇喜は34位でゴールした[5][7]

谷井は今成績により、2016年リオデジャネイロオリンピック日本代表の座を獲得した[4][6][7][5]。また谷井は今大会日本代表として初のメダル獲得者となっただけでなく、世界選手権とオリンピックを含めて日本競歩界初のメダル獲得者となった[6]。日本代表は、大会第4日を終了した時点で誰もメダルを獲得しておらず、入賞者もいなかったこともあり、スウェーデンイェーテボリで開かれた1995年世界陸上競技選手権大会以来となるメダル獲得数0の可能性を毎日新聞が報じ、厳しい情勢だった[8]

記録

編集

大会開幕前の各種記録は以下の通りであった[9]

世界記録   ヨアン・ディニズ (FRA) 3:32:33   スイスチューリッヒ 2014年8月15日
大会記録   ロベルト・コジェニョフスキ (POL) 3:36:03   フランスサン=ドニ 2003年8月23日
今季世界最高記録   マテイ・トート (SVK) 3:34:38   スロバキアドゥディンツェ 2015年3月21日
アフリカ記録   マルク・ムンデル英語版 (RSA) 3:55:32   イギリスロンドン 2012年8月11日
アジア記録   呉朝鴻中国語版英語版 (CHN) 3:36:06   中国南京 2005年10月22日
北中米カリブ記録   エリック・バロンド英語版 (GUA) 3:41:09   スロバキアドゥディンツェ 2013年3月23日
南米記録   ジェームス・レンドン英語版 (COL) 3:47:41   アメリカ合衆国バレーコテージ英語版 2014年9月14日
ヨーロッパ記録   ヨアン・ディニズ (FRA) 3:32:33   スイスチューリッヒ 2014年8月15日
オセアニア記録   ネーサン・ディークス (AUS) 3:35:47   オーストラリアジーロング 2006年12月2日

今大会において、以下の記録が更新された。

南米記録   アンドレス・チョチョ英語版 (ECU) 3:46:00   中国北京 2015年8月29日

参加標準記録

編集
標準記録[10]
4:06:00

日程

編集
ラウンド
2015年8月29日 07:30 決勝[11]

時刻は中国標準時UTC+8JST-1)

メダリスト

編集
マテイ・トート
  スロバキア
ジャレド・タレント
  オーストラリア
谷井孝行
  日本

結果

編集

競技は中国時間7時30分に始まり、12時3分に終了した[11]。開始時は気温22℃、湿度78%であった[11]

WR 世界記録 | AR エリア記録 | CR 選手権記録 | GR 大会記録 | NR 国家記録 | OR オリンピック記録 | PB 自己ベスト | SB シーズンベスト | WL 世界最高(当該シーズン中)
Q 順位による通過| q 記録による通過| DNF 途中棄権| DQ 失格 | DNS 欠場
順位 選手 国籍 記録 備考
  マテイ・トート   スロバキア 3:40:32
  ジャレド・タレント   オーストラリア 3:42:17 SB
  谷井孝行   日本 3:42:55
4 荒井広宙   日本 3:43:44
5 ロバート・ヒファーナン英語版   アイルランド 3:44:17 SB
6 張琳   中国 3:44:39 PB
7 于偉   中国 3:45:21 PB
8 アンドレス・チョチョ英語版   エクアドル 3:46:00 AR
9 ヘスース・アンヘル・ガルシア英語版   スペイン 3:46:43 SB
10 クエンティン・リュー英語版   ニュージーランド 3:48:48 PB
11 アドリアン・ブロキポーランド語版   ポーランド 3:49:11 PB
12 エヴァン・ダンフィー英語版   カナダ 3:49:56 PB
13 クリス・エリクソン英語版   オーストラリア 3:51:26 SB
14 呉銭龍   中国 3:51:35
15 Ivan Banzeruk   ウクライナ 3:52:15
16 マルコ・デ・ルカ英語版   イタリア 3:53:02
17 マテオ・ジュッポーニイタリア語版   イタリア 3:53:23
18 アク・バンゼルク英語版   フィンランド 3:54:28
19 セルゲイ・ブシャ英語版   ウクライナ 3:55:10
20 ルイス・フェルナンド・ロペス英語版   コロンビア 3:55:43 PB
21 ペドロ・イシドロ英語版   ポルトガル 3:55:44 PB
22 タダス・ススケビチウス英語版   リトアニア 3:56:27 SB
23 パク・チルソン   韓国 3:56:42 SB
24 Håvard Haukenes   ノルウェー 3:56:50 SB
25 Teodorico Caporaso   イタリア 3:56:58
26 Sandeep Kumar   インド 3:57:03 SB
27 Manish Singh   インド 3:57:11 PB
28 Rafał Augustyn   ポーランド 3:57:30
29 Jaime Quiyuch   グアテマラ 3:57:41 SB
30 Dušan Majdán   スロバキア 3:58:57 SB
31 Mathieu Bilodeau   カナダ 4:01:35 SB
32 Jarkko Kinnunen   フィンランド 4:02:07 SB
33 マルク・ムンデル英語版   南アフリカ共和国 4:02:41
34 山崎勇喜   日本 4:03:54
35 Francisco Arcilla   スペイン 4:07:23 SB
36 Luis Angel Sanchez   グアテマラ 4:09:26
37 John Nunn   アメリカ合衆国 4:09:44 SB
38 Arnis Rumbenieks   ラトビア 4:28:55
Marius Cocioran   ルーマニア DNF
Carl Dohmann   ドイツ DNF
Mário dos Santos   ブラジル DNF
Anders Hansson   スウェーデン DNF
Anatole Ibáñez   スウェーデン DNF
Aleksi Ojala   フィンランド DNF
Alexandros Papamichail   ギリシャ DNF
Benjamin Sánchez   スペイン DNF
Alex Wright   アイルランド DNF
エリック・バロンド英語版   グアテマラ DQ
Brendan Boyce   アイルランド DQ
Lukáš Gdula   チェコ DQ
Ihor Hlavan   ウクライナ DQ
Łukasz Nowak   ポーランド DQ
Martin Tišťan   スロバキア DQ
Aleksandr Yargunkin   ロシア DNS

脚注

編集
  1. ^ Beijing 2015: Timetable”. Beijing 2015. 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  2. ^ a b c d トスが「ピットストップ」しながらも男子50キロ競歩で金、第15回世界陸上”. AFPBB (2015年8月29日). 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  3. ^ a b c 世陸・競歩50キロ トスが初優勝!途中トイレもなんの圧勝”. スポーツニッポン (2015年8月29日). 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  4. ^ a b c d e 男子50キロ競歩、谷井選手が銅メダル獲得”. TBS News i. TBSテレビ (2015年8月29日). 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  5. ^ a b c 谷井が銅 荒井4位 日本競歩悲願の初メダル”. ニッカンスポーツ (2015年8月29日). 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  6. ^ a b c 谷井が日本勢初「銅」、荒井4位…世界陸上競歩”. YOMIURI ONLINEスポーツ. 読売新聞社 (2015年8月29日). 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  7. ^ a b 共同通信社 (2015年8月29日). “谷井が世界陸上で銅、日本競歩初のメダル リオ五輪代表に”. 日本経済新聞社. 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  8. ^ 新井隆一・小林悠太 (2015年8月26日). “世界陸上:日本、メダル「0」危機…まだ入賞もなし”. 毎日新聞社. 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。
  9. ^ Records & Lists – Race Walk”. IAAF. 18 August 2015閲覧。
  10. ^ IAAF World Championships Beijing 2015 – Standards, IAAF, (2014), オリジナルの2015-08-29時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20150829090553/http://media.aws.iaaf.org/competitioninfo/544c7d0a-0807-4226-a85b-79928c58a097.pdf 2015年8月29日閲覧。 
  11. ^ a b c Results”. IAAF (2015年8月29日). 2015年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月29日閲覧。