2012年のJリーグ ディビジョン2

この項目では、2012年シーズンのJリーグ ディビジョン2(J2)について述べる。

Jリーグ ディビジョン2
シーズン 2012
優勝 ヴァンフォーレ甲府
昇格 ヴァンフォーレ甲府
湘南ベルマーレ
大分トリニータ
降格 FC町田ゼルビア
試合数 462
ゴール数 1073 (1試合平均2.32)
得点王 ダヴィ (甲府・32得点)
最大差勝利ホーム試合
松本 7-1 鳥取(第35節・9月23日)
最大差勝利アウェー試合
町田 1-6 千葉(第14節・5月13日)
最多得点試合
松本 7-1 鳥取(第35節・9月23日)
最多連勝記録
6 - 栃木、千葉、横浜FC、甲府、京都
最多連続負け無し記録
24 - 甲府(第19節-第42節)
最多連続勝ち無し記録
16 - 町田(第12節-第27節)
最多連敗記録
7 - 草津(第9節-第15節)
最多観客動員
23,617人 - 大分 vs 甲府(第32節・9月2日)
最少観客動員
1,333人 - 草津 vs 熊本(第19節・6月13日)
2011
2013

2012年シーズンのJ2のクラブ

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2012年シーズンのJ2のクラブ数は2チーム増えて22。Jリーグ ディビジョン1 (J1) 16位ヴァンフォーレ甲府と17位アビスパ福岡2010年シーズン以来2シーズンぶりのJ2降格。 18位モンテディオ山形2008年シーズン以来4シーズンでのJ2降格。一方、前シーズンのJFL所属の準加盟クラブからFC町田ゼルビア松本山雅FCのJ2参入(昇格)が2011年12月13日のJリーグ臨時理事会で承認された[1]

チーム名 監督 所在
都道府県
ホームスタジアム 前年成績
モンテディオ山形   奥野僚右 山形県 NDソフトスタジアム山形  J1 18位
水戸ホーリーホック   柱谷哲二 茨城県 ケーズデンキスタジアム水戸 J2 17位
栃木SC   松田浩 栃木県 栃木県グリーンスタジアム J2 10位
ザスパ草津   副島博志 群馬県 正田醤油スタジアム群馬 J2 9位
ジェフユナイテッド千葉   木山隆之 千葉県 フクダ電子アリーナ J2 6位
東京ヴェルディ   川勝良一 東京都 味の素スタジアム J2 5位
FC町田ゼルビア   オズワルド・アルディレス 町田市立陸上競技場 jfl JFL 3位
横浜FC   岸野靖之 神奈川県 ニッパツ三ツ沢球技場 J2 18位
湘南ベルマーレ   曺貴裁 Shonan BMW スタジアム平塚 J2 14位
ヴァンフォーレ甲府   城福浩 山梨県 山梨中銀スタジアム  J1 16位
松本山雅FC   反町康治 長野県 松本平広域公園総合球技場(アルウィン) jfl JFL 4位
カターレ富山   安間貴義 富山県 富山県総合運動公園陸上競技場 J2 16位
FC岐阜   行徳浩二 岐阜県 岐阜メモリアルセンター長良川競技場 J2 20位
京都サンガF.C.   大木武 京都府 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 J2 7位
ガイナーレ鳥取   吉澤英生 鳥取県 とりぎんバードスタジアム J2 19位
ファジアーノ岡山   影山雅永 岡山県 kankoスタジアム J2 13位
徳島ヴォルティス   小林伸二 徳島県 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム J2 4位
愛媛FC   イヴィッツァ・バルバリッチ 愛媛県 ニンジニアスタジアム J2 15位
アビスパ福岡   前田浩二 福岡県 レベルファイブスタジアム  J1 17位
ギラヴァンツ北九州   三浦泰年 北九州市立本城陸上競技場 J2 8位
ロアッソ熊本   高木琢也 熊本県 熊本県民総合運動公園陸上競技場(KKWING)
熊本市水前寺競技場
J2 11位
大分トリニータ   田坂和昭 大分県 大分銀行ドーム J2 12位
  • 監督については開幕時点のもの

監督交代

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特記なき場合、監督代行はトップチームのヘッドコーチが務めている。

チーム名 前監督 退任日 監督代行 新監督 就任日 備考
横浜FC   岸野靖之 3月18日[2]   田口貴寛   山口素弘 3月21日[3] 外部からの招聘
東京ヴェルディ   川勝良一 9月6日[4]   高橋真一郎[注 1]   高橋真一郎 9月11日[5] コーチからの昇格[注 1]
アビスパ福岡   前田浩二 10月29日[6]   池田太 -[注 2] - 新監督を招聘せず[注 2]

レギュレーションの変更点

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今期のJ2は、シーズン後の入れ替え制度に関して大きなレギュレーション変更があった。

J1とJ2の入れ替え
J1からの降格についてはこれまで通りJ1年間順位下位3クラブが自動降格することとなっているが、3クラブ目の昇格枠については、新たに導入されるJ1昇格プレーオフ(J2年間順位の3位から6位の最大4チームによるトーナメント方式)にて決定される[7]
なお、2013年から導入のクラブライセンス制度にあわせ、J1昇格プレーオフには「J1ライセンス」(J1参加資格)を有するクラブ以外は参加できないことがJリーグ側からのニュースリリースに明記されている[8]
2012年のJ1昇格プレーオフ決勝(中立地開催)は11月23日に国立競技場で行われることが発表されている[9]
J2とJFLの入れ替え
町田と松本の昇格(J2参入)により、2008年に「J2リーグの将来像」として想定していた「J2最大22クラブ」の上限[10] に到達したことから、ポストシーズンに日本フットボールリーグ (JFL) との入れ替え制度が実施されることになり、2012年1月17日に正式決定したとJリーグから発表された[11]
具体的には、J2参入資格を持つJリーグ準会員がJFLにおいて1位となった場合にはJ2の最下位(22位)と自動入れ替え、Jリーグ準会員が2位になった場合はJ2の最下位(最下位が自動入れ替え対象となった場合には21位)と入れ替え戦J2・JFL入れ替え戦)を実施するというものである。これにより、J2ならびにJFLの成績次第では、最大で2チームが入れ替え(J2からの降格およびJFLからの昇格)となることとなった。
今シーズン入れ替え戦が行われる場合には、11月25日・12月2日にホーム・アンド・アウェー方式で開催される予定だった。

スケジュール

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J2は2012年3月4日に開幕・11月11日閉幕の全42節・462試合で行われる。中断期間はなく、ほぼ毎週日曜日に開催され、曜日分散開催がなくなった。J1昇格プレーオフは全日程終了後の2週間(11月18日・11月23日)で行われる。

J1昇格プレーオフの日程を確保するため、リーグ開催時期が2003年シーズン以来9年ぶりにJ1とJ2でずれることになった。

リーグ概要

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開幕後、まずは曺貴裁新体制を迎えた湘南が、開幕から9試合無敗(8勝1分け)と好調なスタートを見せ、第3節から第12節にかけて首位に立った。しかし湘南は第10節で初の敗戦を喫すると、そこから逆に8試合未勝利と調子を崩し、代わって13節には山形が首位に立つ。だが山形もそのまま抜け出すことは出来ず、第16節には京都が首位に浮上。17,18節と山形が再び首位に立つが、19節には千葉に首位交代。以後20節に東京V、21節に山形、22節に東京V、23節に大分、24節に千葉、25節に東京V、26節に甲府と、上位戦線は8試合連続で首位が入れ替わる前代未聞の混戦に発展した。

この混戦から抜け出したのは、第26節で初の首位に立った、城福浩率いる甲府だった。得点王となったエースストライカーのダヴィを中心に、中盤戦に入って一気に調子を上げた甲府は、この節以降一度も首位を譲ることなく、2位以下を引き離して独走。第38節に2位で追っていた湘南と引き分けたことで、4試合を残して1年でのJ1復帰が確定。第18節での敗戦を最後に一度も負けることがなく、24試合連続無敗(16勝8分け)というJ2新記録も達成した。

残る一つの自動昇格枠とプレーオフ進出圏を巡る争いは、首位を経験した湘南、山形、京都、千葉、東京V、大分、開幕から常に中位を維持してきた岡山や栃木、さらにシーズン当初は低迷しながら後半戦に入り猛追してきた横浜FCや松本なども加え、最後までもつれる混戦となった。終盤戦を前に、岡山、栃木、山形などが及ばずに脱落。第41節には、5位と7位の天王山となった試合を5位の横浜FCが制し、7位の東京Vもプレーオフ進出の可能性が消滅。1試合を残して、プレーオフ圏内の6位以上は京都、湘南、大分、横浜FC、千葉の5チームで確定し、そのうち千葉を除く4チームが自動昇格枠の2位になる可能性を残して最終節を迎えた。

迎えた最終節、2位の京都は既に昇格を決めていた甲府に痛恨の引き分けを喫し、3位に転落。代わって町田に勝利した湘南が2位に浮上し、3年ぶりのJ1昇格を確定させた。プレーオフ圏の最終順位は3位京都、4位横浜FC、5位千葉、6位大分で確定。横浜FCは、第5節時点では最下位に低迷しながら急浮上してのプレーオフ進出となった。

一方、史上初となるJ2残留を賭けた下位戦線は、JFLに所属するJリーグ準会員の中で長崎のみがJ2ライセンスを交付されたことで、最下位の1チームのみに降格の可能性が生まれる状況となった。前半戦から、参入1年目の町田に加え、富山、鳥取、岐阜などが下位に低迷。最終節にこの4チームが降格の可能性を残した。町田は第35節で富山、第40節で岐阜との直接対決に勝利するなど最後まで粘ったものの、最終節で湘南に敗れ、最下位が確定。その後長崎がJFLで優勝しJリーグ参入を認められたことにより、1年でのJFL降格が決定した。

その他のチームでは、J参入4年目で初の1桁順位となる8位に躍進した岡山、J1ライセンスが交付されず、昇格が認められない状況下で2年連続の1桁順位を確保した北九州、参入1年目ながらも後半戦はわずか4敗でプレーオフ圏争いにも絡み、12位に食い込んだ松本などの奮戦が目を引いた。一方、前年にあと一歩で昇格を逃した徳島、1年でのJ1復帰を目指した福岡はそろって大苦戦し、それぞれ15位、18位に沈んだ。

順位表

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チーム 出場権または降格
1 ヴァンフォーレ甲府 (C) (P) 42 24 14 4 63 35 +28 86 Jリーグ ディビジョン1 2013へ昇格 1
2 湘南ベルマーレ (P) 42 20 15 7 66 43 +23 75
3 京都サンガF.C. 42 23 5 14 61 45 +16 74 J1昇格プレーオフに出場 1
4 横浜FC 42 22 7 13 62 45 +17 73
5 ジェフユナイテッド千葉 42 21 9 12 61 33 +28 72
6 大分トリニータ (O) (P) 42 21 8 13 59 40 +19 71
7 東京ヴェルディ 42 20 6 16 65 46 +19 66
8 ファジアーノ岡山 42 17 14 11 41 34 +7 65
9 ギラヴァンツ北九州 42 19 7 16 53 47 +6 64
10 モンテディオ山形 42 16 13 13 51 49 +2 61
11 栃木SC 42 17 9 16 50 49 +1 60
12 松本山雅FC 42 15 14 13 46 43 +3 59
13 水戸ホーリーホック 42 15 11 16 47 49 −2 56
14 ロアッソ熊本 42 15 10 17 40 48 −8 55
15 徳島ヴォルティス 42 13 12 17 45 49 −4 51
16 愛媛FC 42 12 14 16 47 46 +1 50
17 ザスパ草津 42 12 11 19 31 45 −14 47
18 アビスパ福岡 42 9 14 19 53 68 −15 41
19 カターレ富山 42 9 11 22 38 59 −21 38
20 ガイナーレ鳥取 42 11 5 26 33 78 −45 38
21 FC岐阜 42 7 14 21 27 55 −28 35
22 FC町田ゼルビア (R) 42 7 11 24 34 67 −33 32 JFL2013へ降格 

最終更新は2013年11月24日の試合終了時
出典: J. League Data Site
順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.
1 J1ライセンスを保有するクラブのみ、J1自動昇格(上位2チーム)、プレーオフ参加(3-6位)可。

戦績表

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Jリーグ公式記録

得点ランキング

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順位 選手 所属 得点
1   ダヴィ ヴァンフォーレ甲府 32
T2   阿部拓馬 東京ヴェルディ 18
  川又堅碁 ファジアーノ岡山
4   藤田祥史 ジェフユナイテッド千葉 15
T5   中村充孝 京都サンガF.C. 14
  有田光希 愛媛FC
  端戸仁 ギラヴァンツ北九州
  武富孝介 ロアッソ熊本
  森島康仁 大分トリニータ
  三平和司

J2 Exciting 22

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事前にファンの投票により各クラブの最高得票者1名が「J2 Exciting 22」としてノミネートされる。その22名の中から当日のJリーグアウォーズ観覧者の投票によってもっとも多くの票を集めた選手がJ2 Most Exciting Playerに選ばれる。
町田と松本が昇格しクラブ数が22となったので今シーズンからJ2 Exciting 22となった。

所属クラブ 選手名 ポジション 受賞回数
モンテディオ山形   宮阪政樹 MF
水戸ホーリーホック   橋本晃司 MF
栃木SC   廣瀬浩二 MF
ザスパ草津   熊林親吾 MF 2年連続2回目
ジェフユナイテッド千葉   山口智 DF
東京ヴェルディ   阿部拓馬 MF 2年連続2回目
FC町田ゼルビア   田代真一 DF 2年連続2回目
横浜FC   シュナイダー潤之介 GK
湘南ベルマーレ   遠藤航 DF
ヴァンフォーレ甲府   山本英臣 DF
松本山雅FC   船山貴之 FW
カターレ富山   ソ ヨンドク MF
FC岐阜   服部年宏 MF 2年連続2回目[注 3]
京都サンガF.C.   中村充孝 MF
ガイナーレ鳥取   美尾敦 MF
ファジアーノ岡山   川又堅碁 FW
徳島ヴォルティス   オ スンフン GK
愛媛FC   前野貴徳 DF
アビスパ福岡   城後寿 FW
ギラヴァンツ北九州   端戸仁 FW
ロアッソ熊本   武富孝介 MF
大分トリニータ   三平和司 FW

J2 Most Exciting Player

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所属クラブ 選手名 ポジション 受賞回数
ジェフユナイテッド千葉   山口智 DF

優勝クラブ以外から選ばれたのは初めて。また、来シーズン昇格しないクラブから選ばれたのも初めて。
ジェフユナイテッド千葉所属選手の受賞は初めて。
DFの受賞は2年連続。

出典・脚注

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脚注

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  1. ^ a b 川勝の辞任後、コーチの高橋が一旦監督代行に就任した後、改めて監督に就任した。なお、東京Vは元々ヘッドコーチを置いていない。
  2. ^ a b シーズン終了まで新監督を招聘せず、池田が監督代行のままシーズン終了まで指揮を執る[6]
  3. ^ 前年はガイナーレ鳥取で受賞

出典

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  1. ^ FC町田ゼルビア、松本山雅FCのJリーグ入会が決定”. 日本プロサッカーリーグ (2011年12月12日). 2011年12月13日閲覧。
  2. ^ 横浜FC 岸野靖之監督解任のお知らせ 横浜FC公式サイト 2012年3月18日
  3. ^ 山口素弘氏監督就任のお知らせ 横浜FC公式サイト 2012年3月21日
  4. ^ 川勝良一監督 辞任のお知らせ 東京ヴェルディ公式サイト 2012年9月6日
  5. ^ 高橋真一郎監督就任のお知らせ 東京ヴェルディ公式サイト 2012年9月11日
  6. ^ a b 前田 浩二監督 今季契約について アビスパ福岡公式サイト 2012年10月29日
  7. ^ “J2で「昇格プレーオフ」検討=3〜6位までに権利”. 時事通信社. (2011年6月14日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201106/2011061400807 2011年11月11日閲覧。 
  8. ^ 2012Jリーグ J1昇格プレーオフ 大会方式および試合方式について』(プレスリリース)日本プロサッカーリーグ、2011年12月19日http://www.j-league.or.jp/release/000/00004278.html2012年1月6日閲覧 
  9. ^ 2012Jリーグ J1昇格プレーオフ決勝およびJ2/JFL入れ替え戦第1戦の日程変更のお知らせ』(プレスリリース)日本プロサッカーリーグ、2012年7月23日http://www.j-league.or.jp/release/000/00004602.html2012年7月24日閲覧 
  10. ^ Jリーグ公式サイト:ニュースリリース:J2リーグの将来像を決定”. 日本プロサッカーリーグ (2008年7月22日). 2011年12月13日閲覧。
  11. ^ 2012シーズンよりJ2・JFL入れ替え制度導入および「J2・JFL入れ替え戦(仮称)」大会方式について』(プレスリリース)日本プロサッカーリーグ、2012年1月17日http://www.j-league.or.jp/release/000/00004296.2012年1月17日閲覧