2-ニトロトルエン英語: 2-nitrotoluene)または、o-ニトロトルエン英語: o-nitrotoluene)は、化学式が CH3C6H4NO2 で表される有機化合物である。淡黄色の液体で、α(-9.27℃)とβ(-3.17℃)と呼ばれる2つの形で結晶化する。主にo-トルイジン英語版の前駆体であり、これは様々な染料の中間体である[4]

2-ニトロトルエン
識別情報
CAS登録番号 88-72-2 チェック[PubChem]
PubChem 6944
ChemSpider 21106144 チェック
UNII 6Q9N88YIAY
EC番号 201-853-3
国連/北米番号 1664
KEGG C19597
ChEBI
ChEMBL CHEMBL47047 チェック
RTECS番号 XT3150000
特性
化学式 C7H7NO2
モル質量 137.14 g mol−1
外観 黄色の液体[1]
匂い 弱い芳香[1]
密度 1.1611 g·cm−3 @ 19°C [2]
融点

-10.4℃ [2]

沸点

222℃ [2]

への溶解度 0.07% (20°C)[1]
蒸気圧 0.1 mmHg (20°C)[1]
磁化率 -72.28·10−6 cm3/mol
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H302, H340, H350, H361, H411
Pフレーズ P201, P202, P264, P270, P273, P281, P301+312, P308+313, P330, P391, P405, P501
NFPA 704
1
3
1
爆発限界 2.2%-?[1]
許容曝露限界 TWA 5 ppm (30 mg/m3) [皮膚][1]
半数致死量 LD50 891 mg/kg (経口, ラット)
970 mg/kg (経口, マウス)
1750 mg/kg (経口, ウサギ)[3]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

合成と反応

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トルエンを-10℃以上でニトロ化することにより合成される。この反応により、2-ニトロトルエンと4-ニトロトルエンが2:1の混合物が得られる[4]

2-ニトロトルエンを塩素化すると、クロロニトロトルエンの2つの異性体ができる。同様に、ニトロ化するとジニトロトルエンの2つの異性体が得られる。

2-ニトロトルエンは主に染料の前駆体であるo-トルイジンの製造に使われる[4]

出典

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  1. ^ a b c d e f g NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0462
  2. ^ a b c Lide DR, ed (2004). CRC handbook of chemistry and physics: a ready-reference book of chemical and physical data (85 ed.). Boca Ratan Florida: CRC Press. ISBN 0-8493-0485-7. https://archive.org/details/crchandbookofche81lide 
  3. ^ Nitrotoluene (o-, m-, p-isomers)”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2024年12月29日閲覧。
  4. ^ a b c Gerald Booth (2005), "Nitro Compounds, Aromatic", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim: Wiley-VCH, doi:10.1002/14356007.a17_411

外部リンク

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