1997年フランスグランプリ

1997年フランスグランプリ(1997 French Grand Prix)1997年のF1世界選手権第8戦として1997年6月29日にマニクール・サーキットで開催された。

フランスの旗 1997年フランスグランプリ
レース詳細
日程 1997年シーズン第8戦
決勝開催日 1997年6月29日
開催地 マニクール・サーキット
フランス マニクール
コース長 4.250km
レース距離 72周(305.814km)
決勝日天候 曇り(ドライ)のち雨(ウェット)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'14.548
ファステストラップ
ドライバー ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ
タイム 1'17.910(37周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

予選

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フランスGPは開催前からドライバーの異動が目立った。

前戦カナダGPで大クラッシュし両足を骨折してしまったオリビエ・パニスは、母国フランスのレースに出場することはできなかった。パニスの代役はミナルディをドライブしていたヤルノ・トゥルーリが務めることとなった。

一方、トゥルーリの抜けたシートは去年まで同チームをドライブしていたタルソ・マルケス96年アルゼンチンGP以来のF1復帰となった。

また、ザウバーニコラ・ラリーニに代わってドライブしていたジャンニ・モルビデリが骨折を負ってしまったため、ノルベルト・フォンタナがドライブすることとなった。

展開

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ミハエル・シューマッハが去年に引き続きポールポジションを獲得した。2位にフレンツェン、3位には自己最高位のジョーダンラルフ・シューマッハが兄ミハエルに続いて獲得した。これにより上位3人がドイツ人という並びになった。

プロストGPはトゥルーリが初めてのマシンで6位を獲得し、周囲を驚かせた。また、ベネトンアレクサンダー・ヴルツは前戦カナダに続いて、チームメートのジャン・アレジを上回る7位を獲得した他、アロウズペドロ・ディニスが今シーズン初めて、チームメートのデイモン・ヒルを上回った。

マクラーレンミカ・ハッキネンはシケインでスピンしてしまい、タイムが上がらず10番手にとどまった。

結果

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順位 No ドライバー チーム タイム
1 5  ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1'14.548
2 4  ハインツ=ハラルド・フレンツェン ウィリアムズルノー 1'14.749 +0.201
3 11  ラルフ・シューマッハ ジョーダンプジョー 1'14.755 +0.207
4 3  ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズルノー 1'14.800 +0.252
5 6  エディ・アーバイン フェラーリ 1'14.860 +0.312
6 14  ヤルノ・トゥルーリ プロスト無限ホンダ 1'14.957 +0.409
7 8  アレクサンダー・ヴルツ ベネトンルノー 1'14.986 +0.438
8 7  ジャン・アレジ ベネトンルノー 1'15.228 +0.680
9 10  デビッド・クルサード マクラーレンメルセデス 1'15.270 +0.722
10 9  ミカ・ハッキネン マクラーレンメルセデス 1'15.339 +0.791
11 12  ジャンカルロ・フィジケラ ジョーダンプジョー 1'15.453 +0.905
12 15  中野信治 プロスト無限ホンダ 1'15.857 +1.309
13 22  ルーベンス・バリチェロ スチュワートフォード 1'15.876 +1.328
14 16  ジョニー・ハーバート ザウバーペトロナス 1'16.018 +1.470
15 23  ヤン・マグヌッセン スチュワートフォード 1'16.149 +1.601
16 2  ペドロ・ディニス アロウズヤマハ 1'16.536 +1.988
17 1  デイモン・ヒル アロウズヤマハ 1'16.729 +2.181
18 19  ミカ・サロ ティレルフォード 1'16.941 +2.393
19 18  ヨス・フェルスタッペン ティレルフォード 1'17.256 +2.708
20 17  ノルベルト・フォンタナ ザウバーペトロナス 1'17.538 +2.990
21 20  片山右京 ミナルディハート 1'17.563 +3.015
22 21  タルソ・マルケス ミナルディハート 1'18.280 +3.732
  • 予選通過タイム 1'19.766

決勝

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展開

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ポールポジションのミハエルと2番手スタートのフレンツェン、そして5番手スタートのエディ・アーバインが好スタートを切った中、3番手スタートのラルフは出遅れて5番手に後退してしまった。後方ではアロウズデイモン・ヒルがコースオフしフロントウィングを破損してしまった。また、マクラーレン勢の2台がジャンプアップし6、7位に付けた。

アロウズはヒルのコースオフがあった他、もう一台のペドロ・ディニスヨス・フェルスタッペンと接触してフロントウィングを破損してしまいピットインを余儀なくされた。(のちに57周目にスピンアウトしリタイアした。)

レースは後半まで何事もなく進行してったが、後半になるにつれ雲の色が徐々に暗くなっていき、雨が降り始めた。プロストのトゥルーリを皮切りに何台かはウェットを選択したが、ジャック・ヴィルヌーヴやヴルツといった大半のドライバーはドライを選択した。結果的にウェットを選択したトゥルーリらは大きく後退し順位を落とした。

しかし、ドライを選択したドライバーも苦戦を強いられ、トップのミハエルやラルフはスピンし、一部のドライバーはスピンアウトによるリタイアを強いられた。ミハエルはスピンしたがトップの座は守ることができたものの、ラルフは残り1周半というところで、スピンにより5位の座を失った。しかしラルフは、トップのミハエルに周回遅れにされていたが、最終コーナーでミハエルに譲られ入賞圏内を狙えるポジションとなった。ただ、解説を務めていたマレー・ウォーカーやマクラーレンのデビッド・クルサードらはこのミハエルの行為を批判した。

ファイナルラップでペースの上がらないクルサードに、母国グランプリのジャン・アレジとスピンからの巻き返しを図るラルフが追いつき、アレジはクルサードと接触しクルサードはグラベルに捕まった。またこの時、アーバインとヴィルヌーヴの3位争いが展開していたが、最終コーナーのリセで、ヴィルヌーヴがアーバインを抜こうとしたところスピンしてしまった。

ヴィルヌーヴはすぐさまレースに復帰し、背後につけたアレジを振り切りなんとか4位に付けた。母国グランプリのアレジは5位、ラルフは6位入賞で今シーズン二度目のポイント獲得となった。

結果

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順位 No ドライバー チーム 周回数 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 5  ミハエル・シューマッハ フェラーリ 72 1:38′50.492 1 10
2 4  ハインツ=ハラルド・フレンツェン ウィリアムズルノー 72 +23.537 2 6
3 6  エディ・アーバイン フェラーリ 72 +1′14.801 5 4
4 3  ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズルノー 72 +1′21.784 4 3
5 7  ジャン・アレジ ベネトンルノー 72 +1′22.735 8 2
6 11  ラルフ・シューマッハ ジョーダンプジョー 72 +1′29.871 3 1
7 10  デビッド・クルサード マクラーレンメルセデス 71 +1Lap 9
8 16  ジョニー・ハーバート ザウバーペトロナス 71 +1Lap 14
9 12  ジャンカルロ・フィジケラ ジョーダンプジョー 71 +1Lap 11
10 14  ヤルノ・トゥルーリ プロスト無限ホンダ 70 +2Lap 6
11 20  片山右京 ミナルディハート 70 +2Lap 21
12 1  デイモン・ヒル アロウズヤマハ 69 +3Lap 17
Ret 19  ミカ・サロ ティレルフォード 60 電気系 19
Ret 8  アレクサンダー・ヴルツ ベネトンルノー 59 スピンアウト 7
Ret 2  ペドロ・ディニス アロウズヤマハ 57 スピンアウト 16
Ret 17  ノルベルト・フォンタナ ザウバーペトロナス 39 スピンアウト 20
Ret 22  ルーベンス・バリチェロ スチュワートフォード 35 エンジン 13
Ret 23  ヤン・マグヌッセン スチュワートフォード 32 ブレーキ 15
Ret 9  ミカ・ハッキネン マクラーレンメルセデス 17 エンジン 10
Ret 18  ヨス・フェルスタッペン ティレルフォード 14 電気系 18
Ret 15  中野信治 プロスト無限ホンダ 6 スピンアウト 12
Ret 21  タルソ・マルケス ミナルディハート 4 エンジン 22
  • ファステストラップ ミハエル・シューマッハ 1'17.910(Lap 37)
  • ラップリーダー ミハエル・シューマッハ (LAP 1-22,24-46,48-72) 、ハインツ=ハラルド・フレンツェン (LAP 23,47)

脚注

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前戦
1997年カナダグランプリ
FIA F1世界選手権
1997年シーズン
次戦
1997年イギリスグランプリ
前回開催
1996年フランスグランプリ
  フランスグランプリ 次回開催
1998年フランスグランプリ