1971年大韓民国大統領選挙

1971年大韓民国大統領選挙は、第三共和国時代の大韓民国で第7代大韓民国大統領を選出するために1971年4月27日に行なわれた大統領選挙である。なお、韓国では選挙の回数を「第○回」ではなく「第○代」と数えるのが一般的である。

第7代大韓民国大統領選挙
大韓民国
1967年 ←
1971年4月27日 (1971-04-27)
→ 1972年

投票率 79.8%
 
候補者 朴正煕 金大中  陳福基 
政党 民主共和党 新民党 正義党 (韓国 1970-1972)|正義党
得票数 6,342,828 5,395,900 122,914
得票率 53.2% 45.3% 1.0%

第7代大統領選挙地域別選挙結果、茶色は朴正煕候補、赤色は金大中候補がそれぞれ最多得票を得たことを示している。

選挙前大統領

朴正煕 
民主共和党 (韓国)

選出大統領

朴正煕 
民主共和党 (韓国)

第7代大統領選挙
各種表記
ハングル 제7대 대통령 선거
漢字 第七代大統領選擧
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概要

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大統領の任期4年が満了したことに伴って実施された選挙である。1969年に3選禁止規定(1962年に制定された第三共和国憲法では大統領の再選は1回のみ容認)を撤廃するため憲法を半ば強引な手段で改憲(3選改憲)した後に行なわれた本大統領選挙は、与党民主共和党の大統領候補朴正煕と、野党新民党の大統領候補金大中による事実上の一騎討ちとなった。

1970年9月の新民党全党大会で金泳三李哲承を抑えて大統領候補に指名された金大中は、郷土予備軍[1]廃止・労使共同委員会の創設・非政治的南北交流・四大国保障案・3段階統一案などの革新的な主張を選挙公約に掲げ、朴正熙の安保論と経済成長の虚構性を正面から攻撃し、予想外の国民の支持を集めた。対する朴正熙は「(大統領選出馬は)今回が最後」と繰り返し強調して選挙戦を戦った。

選挙結果

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  • 投票日:1971年4月27日
  • 投票率:79.8%(選挙人数:15,552,236/投票者数:12,417,824[2]
第7代大統領選挙候補者別得票数・率[3]
当落 候補者 党派 得票数 得票率
(%)
当選 朴正熙
박정희
民主共和党
민주공화당
6,342,828 53.2
金大中
김대중
新民党
신민당
5,395,900 45.3
陳福基
진복기
正義党
정의당
122,914 1.0
朴己出
박기출
国民党
국민당
43,753 0.4
地域別得票
(朴正熙候補と金大中候補のみ掲載)[4]
市・道 朴正熙
(民主共和党)
金大中
(新民党)
得票数 得票率 得票数 得票率
ソウル特別市 805,772 40.0% 1,198,018 59.4%
釜山直轄市 385,999 55.7% 302,452 43.6%
京畿道 687,985 48.9% 696,582 49.5%
江原道  502,772 59.8% 325,556 38.8%
忠清北道 312,744 57.3% 222,106 40.7%
忠清南道 556,632 53.5% 461,978 44.4%
全羅北道 308,850 35.5% 535,519 61.5%
全羅南道 479,737 34.4% 874,974 62.8%
慶尚北道 1,333,501 75.6% 411,116 23.3%
慶尚南道 891,119 73.4% 310,595 25.6%
済州道 78,217 56.9% 57,004 41.4%

選挙結果は、朴正熙が有効得票の53.2%を獲得、野党候補の金大中に95万票余の差をつけて勝利したが、不正や不法、官憲選挙と野党や在野から非難された。敗れた金大中は45.3%の得票だったが、首都・ソウルでは59%の得票で40%の朴正熙を上回り、全都市部の合計票でも朴正熙に勝利した。第6代選挙で顕在化し始めた地方、特に湖南(全羅道)と嶺南(慶尚道)地方の票の偏在が進み、金大中は全羅北道で61.5%、全羅南道は62.8%、朴正熙は慶尚北道で75.6%、慶尚南道で73.4%を得ている。この選挙で予想外に苦戦し、直後に行われた国会議員総選挙で野党新民党が躍進し憲法改正阻止線の三分の一を上回る議席を単独確保したことで、正常な方法による再度の政権担当は不可能と判断した朴正熙は、1972年10月に十月維新を断行して維新体制を発足させた。

脚注

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  1. ^ 1968年1月に発生した青瓦台襲撃未遂事件をきっかけに、同年4月に創設された。
  2. ^ 韓国中央選挙管理委員会の「歴代選挙情報システム」より引用。
  3. ^ 金浩鎮『韓国政治の研究』李健雨訳、三一書房、244頁"<別添表3>歴代大統領選挙"。
  4. ^ 韓国中央選挙管理委員会の「歴代選挙情報システム」より

参考文献

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関連項目

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