- 前年秋にアメリカン・アソシエーションが創設され、この年からリーグ戦を行う。創設時に加盟メンバーであったブルックリン・アトランティックスがすぐに脱退したため、ボルチモアが急ぎ加盟した。
- ナショナルリーグ会長のウィリアム・ハルバートが4月10日に死去した。1832年ニューヨーク州バーリントンフラッツに生まれ、ウイスコンシンで成長し、シカゴに出て実業家になった。ハルバートと野球の結びつきは1874年にシカゴ・ホワイトストッキングス(現在のカブス)の株主になり代表者になったことで始まった。次第に野球に情熱を燃やし始めるとともに、選手が寄り集まって出来た全米プロ野球選手協会(ナショナル・アソシエーション・NAPBP)の運営のルーズさを批判して、新しい組織を作ることを決意した。それがベースボールクラブを組織化したナショナルリーグであった。モーガン・バークリーが初代会長だが、実質はウィリアム・ハルバートとアルバート・スポルディングがナショナルリーグの創立者であった。1877年ルイビル・グレイズに所属するジム・デブリン、ジョージ・ホール、ビル・クレイバー、アル・ニコルズの4選手が野球賭博に関わり、故意に試合を負けたりしたことが発覚して、球団はシーズン中途で解雇した時に、ハルバート会長はこの4選手を永久追放処分とした。後のブラックスソックス事件が起こる40年以上も前のことである。ただこのことで評価されることはなかった。彼が殿堂入りしたのは1995年であった。
- 『アメリカ・プロ野球史』≪第1章ナショナルリーグの確立≫ 45-46P参照 鈴木武樹 著 1971年9月発行 三一書房
- 『誇り高き大リーガー』≪アメリカ野球小史≫ 189-192P参照 八木一郎 著 1977年9月発行 講談社