魔神創造伝ワタル
『魔神創造伝ワタル』(ましんそうぞうでん ワタル)は、バンダイナムコピクチャーズが制作し2025年1月12日からテレビ東京系列にて放送されているテレビアニメ[2][3]。
魔神創造伝ワタル | |
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アニメ | |
原作 | 矢立肇 |
監督 | かまくらゆみ |
シリーズ構成 | 加藤陽一 |
キャラクターデザイン | 中野繭子、湯本佳典 |
音楽 | 高田龍一、広川恵一 Oliver Good、井上馨太 |
アニメーション制作 | バンダイナムコピクチャーズ |
製作 | バンダイナムコフィルムワークス テレビ東京 |
放送局 | テレビ東京系列 |
放送期間 | 2025年1月12日 - |
漫画 | |
作者 | 焼nick |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 月刊コロコロコミック |
発表号 | 2025年1月号 - |
発表期間 | 2024年12月13日[1] - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ・漫画 |
ポータル | アニメ・漫画 |
1988年に第1作が制作・放送された「魔神英雄伝ワタルシリーズ」の系列作品で、1997年の『超魔神英雄伝ワタル』から27年ぶり[4]に放送されるテレビシリーズの第4作目[5]。過去シリーズの主人公であった「戦部ワタル」の伝説を受け継ぐ、新たな救世主のストーリーが描かれる[6]。
製作
編集ストーリー設定・作風
編集インターネットが普及している令和の世相を反映して、主人公の少年は動画配信者志望、ヒロインも人気バーチャルアイドル(Vtuber) という設定が加味されている[5]。
シリーズ構成の加藤陽一はインタビューで「ワタルシリーズ」の新作を作るにあたり、2020年の『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』の制作から数年しか経っていない状態でリメイクを作ることについて他スタッフにヒアリングした際、「数十年続くコンテンツにしたい」というプロデューサー陣の想いを感じたため、旧作のリメイクではなく「ワタルシリーズは時代や状況に合わせてどんなものでも作れるIPにする」という中核メンバーの意見が一致し、ビックリマン・ドラゴンクエストシリーズなどのRPG・光GENJIなど当時の流行をいくつも取り入れた初代ワタルの特徴を引き継ぐため、現代の子どもたちが興味を持っているYouTubeやMinecraftの要素を取り入れたという[7]。
監督のかまくらゆみは、本作の制作に心がけている事、意識している事として、絵柄や表現には四角(正方形)を取り入れる事、内容面は「対象年齢を大幅に下げたのでとにかく楽しく笑える作品に、それでいて続きが気になる!と思わせる仕掛けと謎をちりばめる事」と語っている[8]。
沿革
編集2024年1月13日に調布市グリーンホールで開催された「ワタルシリーズ」の生誕35周年イベント「魔神英雄伝ワタル 35周年感謝祭」にて、本作の制作決定が発表された[6]。
8月29日に東京ビッグサイトで開催された「東京おもちゃショー2024」でも本作のイベントが行われ「ワタルシリーズ」の大ファンであるお笑い芸人のゴー☆ジャスも同イベントに参加した[5]。
ストーリー
編集インターネットとさまざまなデジタルツールが普及した現代社会。主人公の星部ワタルと、そのいとこである天部カケルは、有名配信サイト「リューチューブ」で大バズりの大人気リューチューバーを目指している小学生コンビ。
雷雨が降り注ぐある日の夕方、空から呼びかけてくる謎の声を聞いたワタルとカケルは、そこに浮遊する不思議なブロックたちをさまざまな「もの」に組み立て創造することができる異世界宙部界に飛ばされ、そこでエンジョーダ率いる悪の勢力ヤカラが人々を苦しめる状況を目の当たりにする。飛ばされた先で待っていたカバのような巨顔の剣豪御富良院から、自身がヤカラの魔の手から宙部界を救うべく召喚された救世主ワタルであることを知らされたワタルは、人気Vtuberとして活動しながらワタルの宙部界への転送を手引きした天真爛漫な少女マロも加えた3人でエンジョーダ打倒の旅へと出発する。ほどなくして民衆を苦しめるヤカラのロボット兵器魔神に遭遇したワタルは、自身を呼ぶ声の正体である黄金の龍神に導かれ、自身がブロックで作成したロボットに龍神の魂が宿った魔神龍神丸を召喚。その強さをもって敵を撃退する。一方、同じ宙部界の別地点に飛ばされヤカラに捕まっていたカケルも、ショウとマイガーという新たな仲間に助けられて脱走し、旅の道中でワタルとも再会を果たす。マロの話によると、宙部界にはセブンブロックと呼ばれる7つの虹色に輝く秘宝が存在し、すべて集めた者はエンジョーダを倒せる神の力が得られるのだという。ワタルとカケルはどちらが先にセブンブロックを集めるかという勝負を兼ねて旅のパーティを再び二つに分け、さらなる冒険の旅へと乗り出す。
作中設定・用語
編集- 宙部界(ちゅうぶかい)
- 本作の主要舞台となる異世界[4]。龍神をはじめとする伝説の神々が存在し、普通の人間や獣人のような種族も多く居住している。世界中にキューブ状のブロックが浮かんでおり[5]、これを積み上げて作成したものには、作成者の心情や意思に応じたさまざまな特性がもたらされる。 リュンリュンが所持している地図では、Minecraftのようなブロックを積み上げたマップ画像で表示される。
- 魔神(マシン)
- 「ワタルシリーズ」に共通して登場するロボット兵器群。多くが低頭身の人型で、パイロットが操縦するためのコックピットと、機体ごとの特徴的な機構や武装をもつ。
- セブンブロック
- 宙部界のどこかに存在する虹色の秘宝で、7個すべてを集めるとヤカラの親玉であるエンジョーダを倒せるほどの「大いなる神の力」を得られるとされる。
登場キャラクター
編集ワタル一行
編集- 星部 ワタル(ほしべ ワタル)
- 声 - 田村睦心[9]
- 本作の主人公。動画配信でチャンネル登録者数100万人超えのスーパースターを目指している、小学4年生のリューチューバー[9]。おもしろいことは「秒でノる」性分で、「秒でBANだぜ!」が決め台詞[10]。普段から配信に関する意欲が旺盛で、自撮り棒付きスマートフォンやタブレットPCを用いた撮影と編集作業を行っている。第1話時点でのチャンネル登録者数は3000人未満。配信を通じて人々に笑顔をもたらそうとする意思と、そのための「もの」を作り出そうとする「創造」の心を龍神に認められ、世界を救う「救世主ワタル」として宙部界に召喚される。召喚後は宙部界に浮かぶブロックたちをゲーム感覚で積み上げ、龍神の魂が宿った愛機の龍神丸をはじめとする魔神たちを創造していく。
- 天部 カケル(あまべ カケル)
- 声 - 種﨑敦美[9]
- ワタルの隣家に住むいとこで、リューチューブチャンネルの共同運営者。「カケル」という名は、同居している祖父の勝人が「天を翔ける麒麟」の姿にちなんで付けた名で、「世界を翔け回る自由な子」になって欲しいという願いが込められている。祖父の影響から人情に厚く、「義理人情」を決め台詞にしている。同じく祖父の影響で人気VTuberのマロに入れ込んでいるが[11]、ワタルにはあくまで「配信の参考に」視聴していると言い訳している。宙部界に召喚される途中でワタルと別の場所に飛ばされ、降り立った地点にいたヤカラに捕獲されるが、そこで出会ったショウとマイガーの助力を受けて脱走する。ワタルとの再会後はセブンブロックの獲得競争をするために再び別れ、ショウとマイガーを連れて別ルートから旅を続ける。ワタルやマロと同じ「創造」の力をもち、龍神丸を参考にした専用機の麒麟丸を生み出す。
- 御富良院(おふらいん)
- 声 - 小西克幸[9]
- 「野牛御富良院(やぎゅうおふらいんりゅう)」を操る剣豪で、顎ひげを束ねたカバのような大きい顔が特徴の中年男性。一人称は「それがし」で、侍らしい古風な口調で話す。出会った当初のワタルからは「おっちゃん」と呼ばれるが、おわり親方との勇敢な戦いを認められてからは「先生」と呼び慕われるようになる。
- 幼少期からの老け顔であり、回想場面では6歳の時点で現在と同じ容姿をしていた。ワタルたちと違ってインターネットの知識には疎く、そのような知識が必要な場面で後れを取ることが多い。宙部界を襲うヤカラの魔神に苦杯を舐め続けた経験から、世界の守り手となる「救世主ワタル」の出現を待望していた[12]。また、龍神丸の戦いぶりを見て自分用の魔神を欲するようになり、のちにワタルが創造した風神丸を与えられる。
- マロ
- 声 - 梅澤めぐ[9]
- 本作のヒロイン[5]で、チャンネル登録者数100万人超えのリューチューブチャンネル「マロチャンネル」を運営している大人気少女VTuber[9]。一人称は「マロ」、語尾に「みゃー」を付けて話すのが特徴。その天真爛漫さでワタルや御富良院を翻弄し、そんな彼らや周囲に起きた出来事などを自作の川柳で詠う[注 1]。
- 初対面時のワタルに対しては、「スーパースターの(救世主)ワタルに会うため」に(宙部界に)やってきたとして自身の目的を曖昧にしていたが、のちにワタルたちとは違う世界の出身であることと、旧知である龍神をワタルの居場所に案内したことが宙部界に転送される要因となった事実が明らかとなる。また、Vtuber活動はワタルたちの世界を訪ねた際に「楽しそう」という理由で始めたものである。
- ウズメ
- 声 - 種﨑敦美[9]
- マロの友だちであるシマエナガ。鳴き声は「ジュピー」[9]。普通の鳥にはない特殊能力を備えており、両眼に内蔵されたカメラによるマロチャンネルの動画撮影や、後述する魔神「ウズメ丸」に変形しての戦闘支援も担う。
- リュンリュン
- 声 - 釘宮理恵[9]
- ワタルたちの旅の案内人として同行する龍神の使いで、平時は休眠状態にある龍神(龍神丸)の「代理人」「ピンチヒッター的存在」を自称する。炊事などの家事の腕に優れており、日常生活においてもワタルたちには重要な存在となっている。
- さまざまな神の使いの育成機関である「神様幼稚園」の卒園生で、当時に憧れていた鳳凰の使いになれないことに絶望して非行[注 2]に手を染めたが、そんな自身に期待を寄せてくれた龍神に心打たれて更生し、本格的な龍の使いとなるべく努力を重ねた。
- マスコットのように小さく愛らしい姿ながらもかなりの長命であり、本人の言では龍神の使いとなって400年が経過しているという。また、龍らしく口から火を吐くことができる。
- ショウ
- 声 - 市川蒼[9]
- 卓越したヨーヨーの使い手[9]である金髪の青年。「ショ~ウ!」という語尾が特徴[9]。ヤカラの追手から逃がしてくれたことに感謝したカケルと友情を結び、助けた恩返しの条件として、マイガーも加えた3人での旅を提案する。実は自身もヤカラの配下であり、同じく配下であるマイガーと共謀してカケルにセブンブロックを集めさせたのち、すべてのブロックを奪ってエンジョーダに献上しようと考えていた。所持しているヨーヨーには、組織と連絡を取るための通信機が内蔵されている。
- マイガー
- 声 - 土岐隼一[9]
- ショウの相棒である色黒のチャラい[9]青年。「オーマイガーォ!」が口癖[9]。増行 暴露宇との戦いを終えた直後のワタルたちの会話を盗み聞きしてセブンブロックの存在を知り、カケルに対して「自身とショウの貯蓄および住宅ローンの返済資金に充てるため」という虚偽の理由を述べて捜索に参加する。
ヤカラ
編集- 宙部界を揺るがす敵の一派。各担当地域を支配する幹部たちの悪行によって、現地住民の生活や安全が脅かされている。ワタルたち救世主の使命は、これら各地を支配するヤカラを倒すことであり、倒した敵の支配エリアは自由に行き来できるよう解放される。
- エンジョーダ
- 声 -
- ヤカラを統べる首領(ラスボス)[4]。
- ブロッキン
- 声 - 利根健太朗、中野泰佑、富士渕将行、中村源太
- 色とりどりのブロック型の姿をしている[9]、手下の雑兵たち。エンジョーダに対して従順であるが、きついブラック労働を強いられ愚痴をこぼすこともある[9]。
- 爺チャンネル(じいちゃんねる)
- 声 - 千葉繁[9]
- 第1話に登場。宙部界に来たワタルが最初に遭遇した敵。自身のファンクラブの信者を増やすために、「ほのぼの島」を拠点である「チャンネル登録お願い島」に変え、島民たちにファンクラブのロゴが描かれた粘土板への指紋押印(登録)をさせている[9]。その行為を咎めたワタルと敵対し、初めて召喚された龍神丸の登龍剣に敗れ去る。
- おわり親方
- 声 - 福山潤[9]
- 第2話に登場。配信ジャンルの一種である「〇〇をやってみた」系の実験を行っている青年。実験の仕上げに満足したり、勝利を確信したりする際に「終わりだー!」と叫ぶ口癖がある。行き過ぎた迷惑な実験で近隣住民たちを困らせており[9]、御富良院の額を極端に縦に伸ばして転倒させたり、魔神対決では龍神丸を小さくしたりするなどのサイズ変更の術も使う。龍神丸と初召喚された風神丸との連携必殺技に敗れる。
- 増行 暴露宇(ふぇいく ばくろう)
- 声 - 村瀬歩[9]
- 第3話に登場。御富良院が愛読する「週刊くつろぎ」の敏腕少年記者。台詞の一部を引き延ばして発言する癖がある。取材対象に虚実を織り交ぜた悪質な暴露記事を書き、その記事で相手に恥を与え[9]、他者からの評判を落とすことに愉悦を感じている。マロの正体に疑念を抱いたワタルと御富良院に言葉巧みに近づき、マロの誤情報を流して二人を混乱させたり、魔神戦では愛機バクロウの能力を使って龍神丸の秘密までも暴露したりするなどして、ワタル一行に精神的ダメージを与えつつ追い詰める。しかし、ウズメ丸のブロック製ヘッドフォンで聴覚を遮断した龍神丸に暴露を無効化され、龍の矢でバクロウのスマートフォンをすべて射抜かれたあとにとどめを刺される。
- ドッキリマン
- 声 - 斎藤志郎[9]
- 第4話に登場。テレビ番組のドッキリ企画のようないたずらで人々に迷惑をかけている、トゲ付きヘルメットの男。標的を驚かせたあとに、「ドッキリ大成功!」[9]のプラカードを掲げてネタばらしをするのが基本スタイル。セブンブロックの回収命令を受けるとともに、ワタル一行の打倒を狙って得意のドッキリで襲いかかるが、初召喚された麒麟丸の雷円斬と龍神丸の登龍剣を同時に食らい敗北する。実は愛機のテッテレイがもつプラカード型ソードに求めていたセブンブロックの1個が刺さっていたが、マロに指摘されるまで存在に気づいていなかった。
- 厚目 ニク(あつめ にく)
- 声 - 東地宏樹[9]、高橋美佳子(歌唱パート)
- 第5話に登場。女性アイドル衣装とマンガ肉型マイクで着飾った、肥満体型の中年男性。普段は外見通りの男声であるが、歌うと女性のようなキュートな声になる[9]。「有限会社エンジョーダ」の定時社員総会にて、エンジョーダの代理として登壇していたところ、エンジョーダを直接倒そうと潜入していたワタルたちと遭遇し、無茶振りによる嫌がらせで苦しめる。魔神戦でも機体越しのコブシを聞かせた音響攻撃で龍神丸を苦戦させるが、ウズメ丸作成の「マロやかスピーカー」が発する自社社歌の替え歌攻撃を仕掛けられ、マロやかスピーカーに乗って突撃するワタルの龍神丸に撃破される。実は有限会社エンジョーダなる会社は実在せず、ニクがブロッキンたちを総会メンバーとして集めるためにでっち上げた架空企業であった。
- ホンホン
- 声 - Lynn[9]
- 第6話に登場。「神様幼稚園」でリュンリュンの同級生だった赤い幼鳥。卒園後は鳳凰の使いに就職する予定だったが、自身が鳳凰の羽毛アレルギーだったために断念し、「新しい世界を見るのもいい」という理由でヤカラの配下となった。リュンリュンと同系統の愛らしい姿をしているが、さまざまないたずらや嫌がらせで人に迷惑をかけるうえ、怒った相手に対しては容姿と仕草を生かした泣き落としの謝罪をして見逃してもらっていた。
- 再会したリュンリュンの過去の悪事をワタルたちに暴露することで、リュンリュンを無期限活動停止寸前までに追い詰める。魔神戦では愛機のサー1000の能力を利用した泣き落とし戦法でワタルの戦意を落とす作戦に出るが、ウズメ丸による落書き風の御富良院お面を張り付けられたことで泣き顔を封じられ、撃破される。
- サバイ・バル
- 声 - 安元洋貴
- 第7話に登場。豊富なサバイバルの知識と技術をもつ屈強な男。「どんな無茶もYESと答える」という信念をもった勤勉な企業戦士で[9]、エンジョーダから回収を命じられたセブンブロックを、その正体を知らされないままに探し続けている。美しい妻と生まれて間もない息子がいるが、多忙ゆえになかなか家に帰れていない。趣味はキャンプ、特技はマウンテンバイクを用いたダウンヒル走行。
- ブロック捜索中に誤って遭難していたところ、同じく道に迷っていたカケル一行に助けられ、自身のサバイバル術を伝授[9]しながら生き延びるための共同生活を送る。共同生活中にカケルと親交を深めるが、カケルが偶然発見したセブンブロックを狙って敵対し、自身の境遇に同情したカケルの説得も受け入れず襲いかかる。バトルフィールドの天井板を愛機の10ソーマンで切り刻んで製作した特製迷路に麒麟丸を閉じ込めるが、マロチャンネルで解説されている右手法則の要領で迷路を突破したカケルの知力に敗北。愛機を破壊されながらも脱出し、茂みの中からカケルを毒入り吹き矢で狙撃しようとするが、それに気づいたショウに矢を止められ、マイガーの投石を顔面に食らい倒される。
ワタルたちの世界の人物
編集- 天部 勝仁(あまべ かつひと)
- 声 - 利根健太朗
- ワタルとカケルの祖父。二人の配信を手伝うために自身が所有するパソコンを貸し出し、合間にお菓子を差し入れるなどして可愛がっている。
登場魔神
編集- メカニカルデザインの倉持キョーリュー(ワタル側魔神とエンジョーダ側のうち2体を担当)はインタビューで、「魔神は小さくてかわいらしいもの」という印象から旧シリーズの魔神の頭身を踏襲するという考えがよぎったものの、近年のプラモデルユーザーはアクションフィギュア並の可動を求めている印象を持っていたため、過去作よりも若干頭身を上げたデザインにしている。また、最初から3DCGで制作されることが決まっていたため、龍神丸の首元のえりを旧作より小さくするなどCG制作時に矛盾が出ないよう調整したという。
- 本作の敵魔神は、旧ワタルシリーズの敵魔神のカラーリングをサンプルし、それを元に配色を決定している[13]。
ワタル一行の魔神
編集- 龍神丸(りゅうじんまる)
- 声 - 杉田智和[9]
- ワタルの乗機にして相棒的存在。ワタルたちを宙部界に呼び寄せた存在でもある。その正体は、宙部界の神々で最強と呼ばれる黄金の龍神であり、ワタルがタブレットPCのデータ上で作成したブロックのロボットに自身の魂を宿らせることで魔神の体を得る[9]。ワタルが天に向けて名を叫ぶことで召喚され[注 3]、機体内部は龍神の居る空間となっている。龍神とワタルが心を通じ合わせることで力を発揮し、ワタル自身が命名した剣にして必殺技である「登龍剣(とうりゅうけん)」を振るって戦う。登龍剣のホルスターに重ねて装備されたボウガン「龍の弓」は龍頭のような光の矢を放ち、畳んだ弓の表面に盾状の防御フィールドを形成することもできる。なお、増行暴露宇の情報では、人間と同じように睡眠を取る習慣があり、その際はリュンリュンに寝かしつけてもらっている。
- 本作における龍神丸の特徴として、右肩に金色の龍の頭部を模したパーツが存在し、プラモデルの初回限定版ではこれを用いたオリジナル形態や武装を再現可能[10]。
- 風神丸(ふうじんまる)
- 御富良院の乗機で、「野牛御富良院流を象徴する魔神」という御富良院自身の要望を聞き入れたワタルがブロックから作成した二刀流剣士型魔神。当初は、ワタルのセンスのなさやマロの悪ふざけから、剣に手足が付いただけの粗雑なブロックロボットとしてデザインされるが、やってみタンクに生身で立ち向かおうとする御富良院に感銘したワタルの「ものを作る」思いが正当な姿へと変化させる。両肩に背負った刀「烈風剣(れっぷうけん)」は、名称通りに刀身から強風を巻き起こすこともできる[12]。召喚には御富良院と風神丸との事前の打ち合わせが必要らしく、打ち合わせ不足のせいでなかなか呼び出せない事がある。
- 麒麟丸(きりんまる)
- カケルの乗機。祖父の勝人が所有している木彫りの麒麟像をモチーフにしており、ドッキリマンのテッテレイに追い詰められた状況下で、ワタルが龍神丸を創造するのと同じ要領でカケル自身によって創造された。腰背部から第3、第4の脚である「聖獣脚(せいじゅうきゃく)」を展開した「麒馬(きば)形態」に変形し、高い脚力による残像を生じるほどの速さで敵を翻弄しつつ、ウズメ丸が作成したチャクラム型投擲武器「輝輪(きりん)」を駆使して戦う。必殺技は「雷円斬(らいえんざん)」[11]。機体への搭乗時は周囲に荒波のエフェクトが現れ、カケルがサーフィンのように波乗りしながら額にある搭乗口に向かう。
- 前述の倉持のインタビューによると、龍神丸や風神丸と違い旧シリーズのデザイン参考元がない麒麟というモチーフをどうまとめ上げるかで悪戦苦闘したという。
- ウズメ丸
- マロに体を3回なでられたウズメが変身するレトロ炊飯器のような魔神[9]。窯状になった胴体にブロックを入れ、マロが後ろに乗り回転して攪拌することで、さまざまな効果をもったアイテムを炊飯するかのごとく生成する[9]。
敵魔神
編集本作での敵魔神戦では周囲が専用フィールド[注 4]となり、戦闘終了後にもとの景色に戻るようになっている。
- チャンネル登録お願いしマウス
- 第1話に登場。爺チャンネルが搭乗するネズミ型魔神[9]。頭部と一体化した車輪を駆動させて高速走行する。武装は頭部に収納された「チャンネル登録おねガトリングガン」「チャンネル登録お願いしま手裏剣」、接近戦用の「チャンネル登録お願いしまスタンガン」「チャンネル登ロングソード」、自チャンネルの登録ボタンを模した機雷「チャンネル登録ボカン」。
- やってみタンク
- 第2話に登場。おわり親方が搭乗する戦車型魔神[9]。下半身が無限軌道(キャタピラ)となっており、頭部に生クリーム弾[9]などの各種弾頭を装填した大砲、手に接近戦用のファイティングナイフ、無限軌道側面と背部のアームにピコピコハンマーを装備する。ハンマーは叩いたものを縮める効果があり、御富良院の伸ばされた頭部を元の長さに戻す。
- バクロウ
- 第3話に登場。増行暴露宇が搭乗するフクロウ型魔神[9]。鳥型らしい高速飛行能力に加えて、翼を兼ねた腕部には相手のスキャンダル映像を撮影・空中投影するためのスマートフォン計6台、頭部にはビーム砲を内蔵した複眼式カメラアイを装備する[9]。これらの機能に乗せた暴露宇自身の情報暴露によって敵の羞恥心を煽り、戦意を削がれた瞬間を狙ってビーム砲を見舞う。
- テッテレイ
- 第4話に登場。ドッキリマンが搭乗する、握り寿司がモチーフの魔神。頭部にある寿司ネタ部分が交換式の武装モジュールになっており、「アマエビミサイル」[9]などといった各ネタに由来した攻撃を繰り出す。また手持ち武装として、必殺の「テッテレーザー」[9]を放つクラッカー型火器やドッキリ用プラカードを模した刀剣を装備している。
- ニックニク
- 第5話に登場。厚目ニクが搭乗するスピーカー型魔神。電光のレベルメーターや音響機器を装備しており、発射後に軌道が曲がる肩のビーム砲や、演歌の「コブシ」にかけた回転発射式の拳部ビーム砲で攻撃する[9]。
- サー1000(サーセン)
- 第6話に登場。ホンホンが搭乗する丸い宇宙服のような外見の魔神。「謝罪」に関連した機能や武装をもち、大きな目を潤ませた泣き顔[9]で相手に謝罪し、戦意を失った瞬間を狙い撃ちする。両腕の武器は交換式となっており、射出武器の「スマナカッター」、刀剣の「アイムソード」、ビーム砲の「お詫ビーム」を使い分ける[9]。
- 10ソーマン(テン・ソーマン)
- 第7話に登場。その名のとおり、全身の10か所にノコギリを付けたサバイ・バル専用魔神。ノコギリは1枚ごとにローマ数字のナンバーが描かれており、機体から分離して[9]の遠隔操作が可能。
そのほかの魔神
編集- 天翔丸(てんしょうまる)
- 重號丸(じゅうごうまる)
スタッフ
編集監督 | かまくらゆみ[14] |
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シリーズ構成 | 加藤陽一[14] |
キャラクターデザイン | 中野繭子、湯本佳典[14] |
魔神デザイン | 倉持キョーリュー、スタジオGS[14] |
世界観デザイン | 有里[14] |
美術監督 | 中村典史、林雅巳[14] |
色彩設計 | 柴田亜紀子[14] |
CGディレクター | 長嶋晋平[14] |
撮影監督 | 江間常高[14] |
編集 | 渡辺直樹[14] |
音響監督 | 藤野貞義[14] |
音楽 | 高田龍一、広川恵一、Oliver Good、井上馨太[14] |
プロデューサー | 宮村航、前川貴史、關口彩香 |
制作 | バンダイナムコピクチャーズ[14] |
製作 | バンダイナムコフィルムワークス、テレビ東京[14] |
主題歌
編集- 「POP UP!」[2][3]
- lol-エルオーエル-によるオープニングテーマ。作詞は深川琴美、作曲・編曲は宮川麿。
- 「ポケット」[15]
- FANTASTICS from EXILE TRIBEによるエンディングテーマ。作詞はFAST LANE、作曲・編曲はMatt Ermine。
- 「有限会社エンジョーダ社歌」
- 厚目ニク(高橋美佳子)による第5話挿入歌。作詞は赤尾でこ、作曲は広瀬恵一、編曲は広川恵一・高田龍一。
各話リスト
編集話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 |
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第1話 | 【救世主はRyuTuber】 星部ワタルがふってきた! | 加藤陽一 | かまくらゆみ |
|
| 2025年 1月12日 |
|
第2話 | 【風神丸見参】 おでこがピンチの御富良院! | 重田敦司 | 小坂春女 |
| 湯本佳典 | 1月19日 | |
第3話 | 【大暴露】 マロの謎をさぐれ! | 岩崎知子 |
|
|
| 1月26日 | |
第4話 | 【ドッキリ】 カケルとの再会!? | 宮﨑なぎさ | 日下直樹 |
|
| 2月2日 | |
第5話 | 【秒で最終回】 エンジョーダのアジトに参上だ! | 赤尾でこ | 西森章 | 加藤顕 |
| 中野繭子 | 2月9日 |
第6話 | 【緊急謝罪】 リュンリュンの黒歴史!? | 根元歳三 | 平池芳正 | 鳥羽聡 |
|
| 2月16日 |
第7話 | 【サバイバル】 カケルたちはどう生きるか | 鴻野貴光 | イムガヒ |
| 中野繭子 | 2月23日 |
放送局
編集放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [17] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2025年1月12日 - | 日曜 17:30 - 18:00 | テレビ東京(製作局) ほか系列全6局 | 北海道・関東広域圏・愛知県・ 大阪府・岡山県・香川県・福岡県 | 字幕放送[18] |
2025年1月17日 - | 金曜 1:00 - 1:30(木曜深夜) | BS日テレ | 日本全域 | BS/BS4K放送 / 『アニメにむちゅ〜』枠[19] |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト | 備考 |
---|---|---|---|
2025年1月12日 - | 日曜 18:00 更新 | 見放題配信 | |
都度課金配信 | |||
見逃し無料配信 |
ショートアニメ
編集2024年12月13日よりYouTube『ワタル&カケルチャンネル』で配信の短編アニメ。アニメーション制作はPlott[20]。
話数 | サブタイトル | 配信日 |
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#1 | 【24時間RTA】いつもの生活を秒でこなしてみた! | 2024年 12月13日 |
#2 | 【リアル】異世界旅のワンデールーティン | 2025年 1月10日 |
#3 | 【恐怖】注射なんて絶対打たないぞ! | 1月17日 |
#4a | 【コラボ】魔界刑務所から脱出せよ!前編「脱出」[21] | 1月24日 |
#4b | 【コラボ】魔界刑務所から脱出せよ!中編「激闘」[21] | |
#4c | 【コラボ】魔界刑務所から脱出せよ!後編「正体」[21] | |
#5 | 【出逢い】捨て猫と義理人情。 | 2月7日 |
#6 | 【コント】龍神丸の質問コーナー!? | 2月21日 |
#7 | 【スカッと】ズルして勝とうとするチーターの末路… | 2月28日 |
関連作品
編集漫画
編集『月刊コロコロコミック』(小学館)2025年1月号より連載されている[22]。漫画は焼nickが担当[1]。
商品化
編集作中の魔神たちを立体商品化したプラモデルシリーズがBANDAI SPIRITSより展開[23]。
各商品の共通的な特徴として、ランナーのパーツを手で切り離せる「タッチゲート」構造と、複数機でのパーツ交換が可能な共通フレームが採用されている[24]。また龍神丸、風神丸、麒麟丸の3機に関しては、プラモデルオリジナルの武装パーツを同梱した初回生産版も並行販売され、3機分のパーツを組み合わせた大型武装や龍を再現することも可能になっている[25][26]。
コラボレーション・タイアップ
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “アニメ「魔神創造伝ワタル」キャラ続々登場のPV、YouTubeでショートアニメを公開”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年12月13日). 2024年12月13日閲覧。
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- ^ グレートメカニックG 2024 WINTERの倉持のインタビューより
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- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
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- ^ ショートアニメ累計再生100億回のPlott、新作TVアニメ『魔神創造伝ワタル』のオリジナルショートアニメ制作が決定!PR TIMES 2024年12月13日
- ^ a b c 『混血のカレコレ』と『ブラックチャンネル』とのコラボ。
- ^ “アニメ『魔神創造伝ワタル』2025年1月より放送決定。“リューチューバー”の新たな救世主が大バズりな冒険バトルをくり広げる”. ファミ通.com. KADOKAWA Game Linkage (2024年8月29日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ 魔神創造伝ワタル | バンダイ ホビーサイト https://bandai-hobby.net/site/wataru/
- ^ “龍神丸”. バンダイホビーサイト. バンダイナムコグループ. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “遊戯王「オベリスクの巨神兵」、スパロボOG「HG アシュセイバー」、ボトムズ「HG スコープドッグ ターボカスタム」発売決定!「オメガモン(X抗体)[リミテッドカラー」は10月13日(日)予約開始!【BANDAI SPIRITS/全日本模型ホビーショー2024】]”. Hobby JAPAN Web. ホビージャパン (2024年10月11日). 2024年10月12日閲覧。
- ^ “龍神丸(初回版)”. TVアニメ『魔神創造伝ワタル』公式サイト. サンライズ. 2024年10月16日閲覧。
- ^ “第4回プログラミングスタジアム × TVアニメ「魔神創造伝ワタル」スペシャルコラボ決定!”. PRTIMES. PR TIMES (2024年9月13日). 2024年9月13日閲覧。
外部リンク
編集- TVアニメ『魔神創造伝ワタル』公式サイト
- 魔神創造伝ワタル テレビ東京アニメ公式 - テレビ東京による番組サイト
- 魔神創造伝ワタル【公式】 (@tv_wataru) - X(旧Twitter)
- ワタル&カケルチャンネル - YouTubeチャンネル
- 魔神創造伝ワタル | バンダイ ホビーサイト
テレビ東京系列 日曜 17:30 - 18:00 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
FAIRY TAIL 100年クエスト
(2024年7月7日 - 2025年1月5日) |
魔神創造伝ワタル
(2025年1月12日 - ) |
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