西鉄香椎花園
西鉄香椎花園(にしてつかしいかえん)は、福岡県福岡市東区香住ヶ丘七丁目2番1号に存在していた遊園地。西日本鉄道(西鉄)が運営し、一般にはひらがな表記で「かしいかえん」または「かしいかえん シルバニアガーデン」と表記される。経営計画見直しのため西鉄が閉園を決断し、2021年12月30日をもって閉園[1]。
かしいかえん(香椎花園) | |
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リニューアル後の正門 | |
施設情報 | |
前身 | 香椎チューリップ園 |
キャッチコピー | 花の遊園地 |
事業主体 | 香椎花園(西鉄グループ) |
面積 | 123,400m2 |
来園者数 | 28.7万人(平成27年度実績) |
開園 | 1956年4月 |
閉園 | 2021年12月30日[1] |
所在地 |
〒813-0013 福岡県福岡市東区香住ヶ丘七丁目2番1号 |
位置 | 北緯33度40分0.8秒 東経130度26分5.6秒 / 北緯33.666889度 東経130.434889度座標: 北緯33度40分0.8秒 東経130度26分5.6秒 / 北緯33.666889度 東経130.434889度 |
公式サイト | https://www.kashiikaen.com/ |
概説
編集「花の遊園地」を称し、園内には花が絶えない。殊に5月上旬には、全長90mあるバラのトンネルを見ることができる。どちらかといえば、家族連れや小さな子供向けの遊園地である。
1938年(昭和13年)に当時の西鉄の前身会社のひとつ博多湾鉄道汽船が「香椎チューリップ園」として開園した。太平洋戦争中の1943年に一度閉鎖され従業員の食糧自給のための農園に転用されたが、1956年(昭和31年)に「香椎花園」として改めて開園した。
1970年代後半(明確な時期不明)には、隣接する香椎球場の閉鎖に伴い、球場跡地を利用して拡張した。
1985年度の57万人をピークに1986年度の56万8000人と年間入場者数の減少が続き2007年度には24万4000人まで減少し、2000年代の収支は年間約1億円の赤字で推移していた。このため、てこ入れ策として2008年(平成20年)12月31日から2009年(平成21年)3月6日まで休園して改装工事を実施し、翌7日からシルバニアファミリーの世界観を取り入れた『かしいかえんシルバニアガーデン』として新しくリニューアルオープンした。
2016年6月に、リニューアルを行うことを発表した。全体の設計・監修を藤井昌宏が行うとともに、ガーデニングデザイナーの石原和幸によるデザイン・監修でフラワーガーデン化し、シンボルの大観覧車の建て替え、西駐車場へのパークゴルフ場の新設等を行う[2]。それに伴い、2016年11月24日から2017年3月15日まで休園[3]した。
2017年3月16日にリニューアルオープンし、400種類10万ポットの花を入れた。観覧車を代替するとともに、3機種の新規遊具を導入、この秋には更にパークゴルフ場も開設。しかしレジャーの多様化や施設の老朽化による維持更新、新型コロナウイルス感染症の流行による利用客の減少に鑑み、2021年12月30日をもって閉園[1]。これに伴い福岡市内からは遊園地が消滅、福岡都市圏の遊園地は太宰府市にあるだざいふ遊園地のみとなる(国営海の中道海浜公園、福岡市動植物園など少数の遊具を備えた施設はある)。なかよし動物ランドにいたヤギはだざいふ遊園地へ移転[4]。
跡地は、2022年4月15日から開発着工(2023年度以降予定)までの間キャンプ場やドッグラン、ワーケーションサイト、アスレチックサイト等を備えた「かしいのはまビレッジ」(西鉄エージェンシー運営)として期間限定営業している[5]。
鉄道車両の保存
編集2012年7月13日から北九州線で使用されていた323形324と600形621を保存した「レトロ電車パーク」を設置している[6]。土日祝日は有料で車内に入ることもできる。
かつては福岡市内線で使用されていた200形201と1000形1001ABが1975年の同線大幅廃止後に保存されていたが、老朽化が進み解体され現存しない。
施設情報
編集主な施設とアトラクション
編集「シルバニアガーデン」は、森の動物たちをテーマにしたエポック社のオリジナルキャラクター『シルバニアファミリー』のテーマパークである。同キャラクターのテーマパークは静岡県裾野市にある遊園地『ぐりんぱ』(富士急行が運営)内にある『シルバニアビレッジ』に次いで日本国内2カ所目の導入で、西日本では初めてとなる。
また、シルバニアファミリーの他に、催事館内には東映が運営する、スーパー戦隊シリーズや平成仮面ライダーシリーズのテーマパーク『ヒーローチャレンジパーク』も新たに導入された。これは九州の遊園地では初めてである[7]。同「ヒーローチャレンジパーク」は2011年3月5日から『スーパーヒーローアスレチックランド』にリニューアルされている。
「シルバニアガーデン」開園後、毎年3月頃に園内で行われているシルバニアファミリーショーの演目内容が更新されたり、園内遊具の更新が行われている。また、シルバニアガーデンのオリジナルキャラクター「はなぞのウサギ」によるグリーティングやショーも定期的に開催され、地域の子供たちや大人にも親しまれている。
- アトラクション
- ペガサス
- ゴーカート
- ターバンメイズ(スロープ式立体迷路)
- バッテリーカー
- 森の鉄道
- トーマス列車
- バッテリーカー
- 観覧車
- メリーカップ
- モンスター
- ふわふわぞうさん
- ダックス
- ビートくんのブンブンコースター
- 花のメリーゴーランド
- レディ・バード
- スーパーチェアー
- シマネコくんのわくわく冒険号
- くるみリスくんのどきどき木のぼり
- へリサイクル
- トランポリン
- お空のドライブ
- クレージープレイン
- コロン☆ブース道場
- スーパーコロン☆ブース道場
- あかりの灯る大きな家(等身大のシルバニアのお家/有料)
- 森のようちえん(室内で工作教室などを開催/有料、日にち限定)
- 森の洋服屋さん(シルバニアのレンタル衣装を着て写真撮影が可能/有料)
- スーパーヒーローアスレチックランドNEO(特撮キャラクターの屋内アスレチックパーク)
- レジャープール(夏季のみ営業、別途利用料などが必要)
- なかよし動物ランド(ウサギやヤギ、モルモットなどの動物とふれあえる)
- レストラン
- クローバーガーデン(バーベキュー、九州各地から季節のうまいもんが大集合)
- シルバニア森のキッチン(ファミリー向けのメニューやキッズ向けのメニューを提供、喫茶営業もあり)
- こだわり店長のハンバーガーワゴン(ハンバーガーやフライバスケット、ホットドッグなどを提供)
- 大テント内フードショップ(季節/期間限定)(たこ焼き、ソフトドリンクスタンドなどをイベントに合わせて出店)
- 売店・その他
- フラワータワー
- フラワーキャッスル
- 癒しの庭園
- フラワーゲート
- 緑の動物園(トピアリー19体を配置)
- フラワーロード
- グリーン&フラワーアーチ
- 正門ゲート売店(菓子類他、小物グッズ販売)
- トーマスステーション(きかんしゃトーマスのグッズを取り扱っている専門店)
- ヒーロー売店(スーパーヒーローアスレチックランド内に併設)
- シルバニア森のマーケット(シルバニアガーデンオリジナルグッズや各種シルバニアファミリー商品を販売)
- トイレ(園内4箇所に設置、おむつ取替え用のためのベビーベッドも常設)
- 公衆電話(サービスセンターに併設、硬貨式。テレホンカードは利用不可)
- 喫煙所
- 授乳室(サービスセンターに併設、給湯用電気ポットも常設)
- おむつコーナー(サービスセンターに併設)
- 救護室(サービスセンターに併設)
- コインロッカー(サービスセンターに併設、200円から)
- のりもの券売場(サービスセンターは人員対応、その他は自販機方式)
- AED設備(サービスセンターに併設)
- ベビーカー貸し出し(有料、1日1000円。返却時に預かり金700円が戻って来る)
- ひだまり広場(ファミリーによるピクニックなどが可能な広場)
- こもれび広場(シルバニアファミリーショーを実施)
- 常設のイベント
- シルバニアファミリーショー(平日は昼12:00からの1回/土日祝日は昼12:00からと15:00からの2回、こもれび広場で開催、雨天時と荒天時は中止の場合あり)
- シルバニアキャラクターグリーティング(平日・土日・祝日共に開催。但し時間や出演キャラクターは現地で要確認。雨天時と荒天時は中止の場合あり)
- 季節のイベント
- こんにちは!森のなかよしパーティー(ののはなウサギ、しおかぜウサギなどの「地方限定のシルバニアキャラクター」が会するイベントグリーティング、不定期開催)
交通アクセス
編集営業時点での情報。
- 西鉄貝塚線香椎花園前駅から徒歩約1分。
- JR鹿児島本線千早駅から西鉄バス無番香椎花園・牧の鼻方面行き乗車、香椎花園バス停から徒歩約1分。
- 福岡方面から:都市高速香椎浜出口から直進1.2キロメートル。
- 北九州方面から:国道3号香椎手前信号(御島橋)を右へ500メートル。
- 九州自動車道、太宰府インターチェンジ、福岡インターチェンジから都市高速経由で香椎浜出口から直進1.2キロメートル。
- タクシー利用の場合はJR博多駅前から約25分、料金は片道3500円程度。
付随情報
編集- 園内ではクレジットカードは利用できないが、一部に設置されている自動販売機と2箇所のゲートでの入園券とフリーパスの購入にはnimoca(交通系ICカード)が利用可能である。nimocaに限り、200円で1ポイントの「nimocaポイント付与」が受けられる。
- 園内の「南ゲート」(南駐車場)の至近には周辺で唯一のコンビニエンスストアがある。
- 夏季営業のみの「レジャープール」は入園料の他に別途、プール利用料などが必要である。
リニューアル前の旧・かしいかえん
編集現在のシルバニアガーデンが出来る以前の「花の遊園地 かしいかえん」は2008年11月26日に西日本鉄道(株)からリニューアル工事の概要が発表され、以下の期間と内容でリニューアルが行われた。
- 工期:2009年1月上旬から2月下旬まで
- 休園期間:2008年12月31日~2009年3月1日
- リニューアルオープン日:2009年3月7日(※報道向け公開は3月5日と6日)
- 工事内容:シルバニアガーデンの建設、ヒーローチャレンジパークの設置、遊具ゾーンのリニューアル工事、正面ゲートと南ゲートの改装及び駐車場スペースの拡張と売店、レストラン機能の充実化、休憩スペースの拡充など
- 総投資額:約4億9000万円
旧・かしいかえん時代の営業内容
編集- 営業時間:10時~18時(3月1日~8月31日)、10時~17時(9月1日~2月28日)
- 休園日:毎週木曜日(※季節により変動・変更あり)
- 入園料:大人500円、子供250円(※催事開催中は大人800円、子供600円)
- フリーパスセット料金:大人・子供共に2300円、催事開催中は2600円
- 駐車料金:普通車600円、マイクロバス1000円、貸切バス2000円
旧・かしいかえん時代のアトラクション
編集- ※( )内は大人利用時の料金
- パットゴルフ(300円)
- ペガサス(500円)
- ゴーカート(2人乗り400円、1人乗り300円、フリーパス同乗者200円)
- 森の鉄道(200円)
- アモーレエキスプレス(300円)
- キッズサーキット(100円)
- ミニF1(200円)
- アストロスインガー(300円)
- トーマス列車(200円)
- 大観覧車(300円)
- メリーカップ(200円)
- ふわふわぞうさん(300円)
- モンスター(200円)
- トマホーク2(300円)
- ブンブンコースター(300円)
- メリーゴーランド(300円)
- スピンチェアー(200円)
- スーパーチェアー(300円)
- ミニバイキング(300円)
- フロッグホッパー(300円)
- 金魚すくい(季節により営業/200円)
- ヘリサイクル(200円)
- トランポリン(200円/5分間)
- スカイジェット(300円)
閉園後の設備
編集2021年12月の閉園に伴い、シルバニアファミリーのキャラクター31体は、静岡県裾野市の遊園地「ぐりんぱ」の「シルバニアビレッジ」に移された[8]。
「ダックス」「レディーバード」、および、設置予定であったが閉園により設置を断念した「観覧車ハッピースカイ」の3機種は、グリーンランドに移設され、2022年4月から稼働開始した[9]。
出典
編集- ^ a b c 『「かしいかえん シルバニアガーデン」の閉園について』(PDF)(プレスリリース)西日本鉄道広報部広報課、2021年3月25日。オリジナルの2021年3月25日時点におけるアーカイブ 。2021年3月25日閲覧。
- ^ かしいかえんシルバニアガーデン 大規模リニューアル (PDF) 西日本鉄道、2016年6月10日(2016年6月14日閲覧)
- ^ かしいかえん シルバニアガーデン 3月16日(木) オープン! (PDF) 西日本鉄道、2017年2月16日(2017年2月17日閲覧)
- ^ 「なかよしどうぶつらんど」のヤギ達は、「だざいふ遊園地」にお引っ越します。
- ^ かしいかえん跡地に期間限定で複合アウトドア施設「かしいのはまビレッジ」を開業! ~キャンプ場、ドッグラン、ワーケーションサイト、アスレチックを設置~ (PDF) 西日本鉄道、2022年3月23日(2022年3月25日閲覧)
- ^ かしいかえんに西鉄電車ミニ博物館 レトロ電車パーク誕生 (PDF) 西日本鉄道、2012年7月12日(2021年3月29日閲覧)
- ^ にしてつグループニュースリリース 平成21年3月7日リニューアルオープン 「かしいかえん~シルバニアガーデン~」 (PDF) 西日本鉄道、2008年11月26日
- ^ “福岡→富士山 シルバニアの仲間大移動 閉園「かしいかえん」から31体、裾野「ぐりんぱ」ファミリー倍増”. 静岡新聞 (2022年4月22日). 2022年4月29日閲覧。
- ^ “かしいかえんの遊具・引っ越し再デビュー”. RKBオンライン. 2024年4月22日閲覧。
- ^ “大森山の新観覧車は福岡で愛された遊園地から 5月運転予定”. 秋田魁新報. 2023年1月19日閲覧。
- ^ “童夢の森 遊具移設工事(かしいかえん⇨童夢の森)”. 株式会社TIES (2022年4月11日). 2024年12月19日閲覧。
外部リンク
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