飛島村図書館
飛島村図書館(とびしまむらとしょかん)は、愛知県海部郡飛島村松之郷の飛島村すこやかセンターにある公共図書館である。
飛島村図書館 | |
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施設情報 | |
事業主体 | 飛島村 |
管理運営 | 飛島村 |
開館 | 1996年4月1日 |
所在地 |
〒497-0044 愛知県海部郡飛島村大字松之郷三丁目46番地の1 飛島村すこやかセンター2階 |
ISIL | JP-1001994[1] |
統計情報 | |
蔵書数 | 87,443点[2](2016年度末時点) |
貸出数 | 73,654点[3](2016年度) |
条例 | 飛島村すこやかセンターの設置及び管理に関する条例 |
公式サイト | 飛島村図書館 |
地図 | |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
2015年度末の蔵書冊数は88,706冊であり、2015年度の貸出冊数は71,594冊である[4]。2015年度末の飛島村の人口は4,587人であるため、1人あたり蔵書冊数は21.98冊、1人あたり貸出冊数は15.6冊である[4]。2016年度の図書資料費は707万4000円であり、1人あたり図書資料費は1609円と、愛知県の自治体としてはトップだった[5]。
歴史
編集開館
編集飛島村すこやかセンター | |
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情報 | |
用途 | 保健センター、温水プール、図書館 |
構造形式 | 鉄筋コンクリート造[6] |
敷地面積 | 10,648.87 m² [7] |
延床面積 |
6,682.73 m² [7] ※図書館部分は1353.84m2。 |
階数 | 2階建[8] |
竣工 | 1996年[8] |
開館開所 | 1996年4月1日[8] |
所在地 |
〒490-1434 愛知県海部郡飛島村松之郷3丁目46-1 |
座標 | 北緯35度04分49.6秒 東経136度47分33.2秒 / 北緯35.080444度 東経136.792556度座標: 北緯35度04分49.6秒 東経136度47分33.2秒 / 北緯35.080444度 東経136.792556度 |
1968年(昭和43年)4月には飛島村公民館に閲覧室が設けられた[9]。1982年(昭和57年)4月には飛島村中央公民館が開館し、中央公民館には図書室が設けられた[9]。図書館開館前の飛島村内には書店やレンタルビデオ店がなく、住民は海部郡蟹江町や弥富町の店舗に行くことを余儀なくされていた[10]。
1996年(平成8年)2月には飛島村すこやかセンターの建設工事が完成[6][8]。2月18日には103歳だったきんさんぎんさんを招いた内覧会を開催し[6]、3月23日には完成式を開催した[11]。4月1日には飛島村図書館を含めた各施設が開館した[8]。複合施設の玄関は「灯台」、図書館は「船」、温水プールの屋根は「波」をモチーフとしており、敷地の入口にはクジラのモニュメントがある[8]。複合施設全体の建設費は約30億4000万円[6]。
開館時の休館日は月曜日と祝日であり、貸出対象は飛島村在住者・在勤者のみだった[10]。蔵書の収容能力は開架が65,000冊、閉架が15,000冊で計80,000冊[7]。開館時の図書館の蔵書数は約3万冊であり[8]、図書の貸出のほかには開館時からビデオ約800点とCD約200点の貸出も行っている[10]。愛知県には飛島村のほかに八開村(現・愛西市)、十四山村(現・弥富市)、小原村(現・豊田市)、下山村(現・豊田市)、津具村(現・設楽町)、作手村(現・新城市)、豊根村、富山村(現・豊根村)の計8村があったが、飛島村図書館は開館から今日に至るまで愛知県唯一の村立図書館である。
開館後
編集開館後5か月で利用者数は53,000人を突破し、貸出冊数は約4,000冊/月に達した[10]。1996年12月にはインターネット用パソコンを設置し、開館日の14時から16時まで無料で利用できるようにした[12]。回線利用料や職員の負担がネックとなり、同様のサービスを行っている公共図書館は珍しかった[12]。
1997年(平成9年)6月には、飛島村南部にある中部電力西名古屋火力発電所が発電所1階の喫煙室に企業文庫が設置された[13]。この企業文庫は飛島村図書館の団体貸出サービスを利用しているほか、業務用移動端末機も同時に貸出しており、企業文庫内でも貸出と返却の処理を行っている[13]。図書館と火力発電所は約4km離れており、それまでは図書館を利用する所員はほとんどいなかったが、気軽に本を借りられることから好評を博した[13]。同年7月には祝日を開館日とした[9]。
2001年度(平成19年度)末の蔵書数は図書が約6万冊、ビデオが約2,600本、CDが約1,200枚、絵画が約260点であり、2001年度の利用者数は約28,000人だった[14]。2001年度までは飛島村の在住者・在勤者のみが館外貸出の対象だったが、2002年(平成14年)4月には公共図書館を持たない十四山村の在住者にも館外貸出対象を広げた。同年5月にはブックスタート事業を開始し、10月には公式ウェブサイトを開設した[9]。
2007年(平成19年)4月にはビジネス情報コーナーを設置し、12月にはヤングアダルトコーナーを設置した[9]。2012年(平成24年)7月には貸出カードの作成範囲を海部地区管内全域(津島市・愛西市・弥富市・あま市・蟹江町・大治町)に拡大した[9]。
複製名画レンタル事業
編集「家庭に美術館を」を合言葉に、1990年6月には全国の自治体で初めて複製絵画の貸出を開始した[15]。当初の所蔵数は約80点だったが、1995年5月時点では61人の芸術家による226点[16]、2015年11月時点では259点を所有している[15]。所蔵する作品はフィンセント・ファン・ゴッホの『ひまわり』、クロード・モネの『睡蓮』、ジャン=フランソワ・ミレーの『落穂拾い』、竹久夢二の『朝の光へ』などであり[16]、金額は額を含めて1点約3万円[15]。1995年時点では年間300-400枚の貸出が行われている[16]。1996年に開館した飛島村すこやかセンターの2階には、図書館入口手前に約75m2の「アートギャラリー ウェル ライフ」(絵画展示コーナー)が設けられ、一定期間ごとに作品を入れ替えて常設展示している[16]。
利用案内
編集脚注
編集- ^ “ISIL管理台帳ファイル”. 国立国会図書館 (2017年10月12日). 2017年10月28日閲覧。
- ^ 飛島村図書館 2017, p. 7.
- ^ 飛島村図書館 2017, p. 10.
- ^ a b 飛島村図書館 2016.
- ^ 愛知県の公共図書館の現状 愛知県図書館
- ^ a b c d 「健康づくりや福祉の拠点に 完成した『飛島村すこやかセンター』 きんさん、ぎんさん招きあす内覧会」中日新聞、1996年2月17日
- ^ a b c 飛島村図書館 2017, p. 3.
- ^ a b c d e f g 「飛島村に『すこやかセンター』が完成 “健康長寿”の拠点に」朝日新聞、1996年2月25日
- ^ a b c d e f 飛島村図書館 2017, p. 1.
- ^ a b c d 「新刊書、発売日に読める 盛況です飛島村図書館 文芸中心に毎日20冊 雑誌80点も 開館5ヵ月で5万3000人を突破」中日新聞、1996年9月1日
- ^ 「健康づくりの拠点施設 すこやかセンター完成 飛島村」中日新聞、1996年3月24日
- ^ a b 「インターネットは図書館でどうぞ 飛島村で無料サービス 初心者には手ほどきも」中日新聞、1996年12月11日
- ^ a b c 「“企業文庫”お目見え 中電西名古屋火力 休憩時間、気軽に借りられる 飛島村図書館の団体貸し出し制度 所員らに好評」中日新聞、1997年6月3日
- ^ 「飛島村図書館 お隣さんだから 十四山の人にも貸し出し 将来 4町村にも 40人 利用カード作製」中日新聞、2002年4月16日
- ^ a b c 「図書館って?(下)運営主体 官か民か 広がる選択肢」中日新聞、2015年11月27日
- ^ a b c d 「飛島の『複製名画レンタル事業』好評 来春、絵画ギャラリー開設」朝日新聞、1995年5月30日
- ^ a b c d 利用案内 飛島村図書館
参考文献
編集- 飛島村史編さん委員会『飛島村史 通史編』飛島村、2000年。
- 飛島村図書館『図書館概要 平成27年度のまとめ』飛島村図書館、2016年。
- 飛島村図書館『図書館概要 平成28年度のまとめ』飛島村図書館、2017年。
- 『近代日本図書館の歩み 地方篇』日本図書館協会、1992年。