青森みちのく銀行
株式会社青森みちのく銀行(あおもりみちのくぎんこう、英: Aomori Michinoku Bank, Ltd.)は、青森県青森市に本店を置くプロクレアホールディングス傘下の地方銀行。青森県に本拠を置く唯一の銀行で、県下最大手の金融機関である。
![]() 本店 | |
種類 | 株式会社 |
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機関設計 | 監査等委員会設置会社 |
市場情報 | (株式会社青森銀行) |
本社所在地 |
![]() 〒030-8668 青森県青森市橋本一丁目9番30号 北緯40度49分26.4秒 東経140度45分10.5秒 / 北緯40.824000度 東経140.752917度座標: 北緯40度49分26.4秒 東経140度45分10.5秒 / 北緯40.824000度 東経140.752917度 |
設立 |
1943年(昭和18年)10月1日 (株式会社青森銀行) |
業種 | 銀行業 |
法人番号 | 3420001000012 |
金融機関コード | 0117 |
SWIFTコード | AOMBJPJT |
事業内容 | 預金業務、貸出業務、有価証券売買業務・投資業務、為替業務など |
代表者 |
藤澤貴之(代表取締役会長) 石川啓太郎(代表取締役頭取) |
資本金 |
195億62百万円 (2021年3月31日現在) |
発行済株式総数 |
2,051万2千株 (2021年3月31日現在) |
売上高 |
単体:313億59百万円 連結:413億50百万円 (経常収益、2021年3月期) |
経常利益 |
単体:29億56百万円 連結:36億65百万円 (経常利益、2021年3月期) |
純利益 |
単体:21億66百万円 連結:22億51百万円 (2021年3月期) |
純資産 |
連結:1,189億32百万円 (2021年3月3月期) |
総資産 |
連結:3兆6,814億41百万円 (2021年3月期) |
従業員数 |
2346人 (2025年1月1日時点) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人[1] |
主要株主 |
プロクレアホールディングス 100% (2025年1月1日現在) |
主要子会社 | #関係会社参照 |
外部リンク | https://www.am-bk.co.jp |
特記事項:数値指標は、合併前の旧青森銀行のもの。 |
株式会社青森みちのく銀行のデータ | |
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法人番号 | 3420001000012 |
店舗数 |
178店 (本支店・出張所) (うち支店内支店31) |
貸出金残高 |
3兆5,364億円 (2025年1月1日時点) |
預金残高 |
5兆3,122億円 (2025年1月1日時点) |
外部リンク | https://www.am-bk.co.jp/ |
特記事項: 東北財務局長(登金)第1号 |
概要
編集長年、県内でしのぎを削ってきた青森銀行とみちのく銀行が経営統合し、2022年(令和4年)4月、プロクレアHDを設立。この統合は、寡占状態を例外的に容認する独占禁止法特例法の適用を受ける初の事例となり[2]、2025年(令和7年)1月1日、両行の合併によって誕生した[3][注釈 1]。
合併で、連結純資産は6兆円を超え、東北では3位の規模になり、県内シェアは8割を誇る。東京商工リサーチ青森支店によると、2024年(令和6年)8月時点のメインバンク社数は1万2502社。七十七銀行に次ぎ東北2位となった[2]。
プロクレアHDの成田晋社長は「組織の融和が最も重要な課題の一つだ」と強調し、合併前には、両行の近隣営業店で協力体制を強化する「パートナー店制度」を構築するなど融和を試みていたほか、大規模な組織の融和の契機になればと2023年(令和3年)8月には、青森ねぶた祭に参入[4]。両行の行員や家族約200人が旧青銀本店食堂などに集まり、60回以上も練習を重ね[4]、本番に臨んだ。 合併直後のトラブルとして、2025年(令和6年)1月5日以降、顧客が現金自動預け払い機を使用して入金した際に旧みちのく銀行で通帳が戻ってこないトラブルが260件以上生じた[5]。
沿革
編集- ※源流銀行の設立以外の2025年1月1日以前の詳細はプロクレアホールディングス、青森銀行、みちのく銀行の各項目を参照願いたい。
- 1879年(明治12年)
- 1894年(明治27年)8月 - 青森商業銀行(青森商銀)が発足。
- 1921年(大正10年)7月 - みちのく銀行の母体である青森貯蓄銀行(青森貯銀)が発足。同年10月に開業[注釈 2]。
- 1924年(大正13年)4月 - 弘前無尽が発足[注釈 3]。
- 1943年(昭和18年)
- 1976年(昭和51年)10月 - 青和銀行と弘前相互銀行の合併でみちのく銀行が発足。
- 2021年(令和3年)5月 - 青森銀行とみちのく銀行の経営の基本合意を発表。
- 2022年(令和4年)4月1日 - 経営統合に伴う共同持株会社のプロクレアホールディングスを設立。
- 2024年(令和6年)12月 - 青森銀行とみちのく銀行の合併が認可される[7]。
- 2025年(令和7年)
- 1月1日 - 青森銀行がみちのく銀行を吸収合併し、「株式会社青森みちのく銀行」に改称[8]。
関係会社
編集連結子会社
編集- あおぎんカードサービス株式会社
- あおぎんリース株式会社
- あおぎん信用保証株式会社
- 青銀甲田株式会社
- みちのく信用保証株式会社
- みちのくカード株式会社
- みちのくリース株式会社
- みちのく債権回収株式会社
営業政策
編集店舗展開
編集地元青森県を中心に店舗網を構築し、県内では個人向けに特化した店舗として「ローンプラザ」「ローンデスク」を展開。個人ローンの相談・申込み及び契約業務を行っている。
- 県外店舗
北海道(9店舗)・秋田県(4店舗)・岩手県(3店舗)・宮城県(2店舗)・東京都(2店舗)に店舗を構える。
地方自治体等との取引
編集旧青銀は、県および大半の地元自治体の指定金融機関を受託していた[9]。合併に伴い、新銀行は、旧みち銀が受託していた中泊町や西目屋村などの指定金を継承した。
ATM管理業務の再編
編集旧青銀時代の2009年5月6日をもって新システムへの移行が完了したことを契機に、ATMの管理運営業務の効率化と顧客からの対応力向上を図ることを目的として、ATM網を再編した。これに伴い、同日付で2つのATM管理運営専門店舗が置かれ、店舗外ATM(青銀非幹事の共同利用店舗を含む)の管理運営業務を統括する「ATM統括支店」と、イーネットATMにおける管理運営業務を担当する「イーネット支店」がそれぞれ設置され、官公庁などと言ったわずかな特定なロケーションを除く店舗外ATM全てをATM統括支店に、これまで本店営業部が管理・運営していたイーネットの管理業務をイーネット支店に、それぞれ移管された。のちに、ローソン銀行との提携にともない、「ローソン支店」も設置されている。
みちのく銀行との合併後、みちのく銀行が設置していた店舗外ATMのほとんどが「ATM統括支店」の管轄に変更されている。
ATM利用提携
編集合併前の両行ともローソン銀行・セブン銀行・イオン銀行・ゆうちょ銀行との提携は行っていたが、旧:みちのく銀行はビューアルッテ・イーネットとの提携を行っていなかった。このうちイーネットについては旧:みちのく銀行の都合で2005年7月31日をもって提携を終了していたが、合併を機に実質的に提携が再開された形となる。
また、合併後の取引可能時間についても旧:青森銀行に合わせる形でイーネット・ローソン銀行・セブン銀行については特定日を除いて24時間利用可能になる一方で、イーネット・ローソン銀行・セブン銀行・ゆうちょ銀行については手数料の見直しが行われた。
旧両行が個別に相互提携していた銀行等の提携をいずれも継承したほか、旧青森銀行のAAIネットやあすなろNETの名称・サービス、青森県信用組合との相互入金提携等も、合併後にそのまま引き継がれている。
通帳・キャッシュカードについて
編集合併に際し、旧:みちのく銀行の通帳は新銀行では利用できなくなり、合併後に通帳繰越(一部通帳は、旧みちのく銀行管轄の支店ATMで繰越可能)を行う必要がある。キャッシュカードについては、両行とも切替の必要は無い。
情報処理システム
編集預金や融資を管理する勘定系システムは旧青銀側の「NTTデータ地銀共同センター」(NTTデータ)に統一される[10]。これに伴い、行員は2023年10月からシステム統合に向けた研修を本格的に開始していた[11]。
インターネットバンキング
編集同行のインターネットバンキングは旧青銀のシステムを継承して「つないでネ!っと」という愛称で運用され、振込みやペイジーなどの取引ができる[12]。
その他
編集店舗コード
編集店舗コード(店番)は県内の他の金融機関とは違い、旧青森銀行の店舗と旧みちのく銀行のうち支店コードが変更になった店舗については、100番台のうちの下3桁目百の位の部分をエリア毎に割り当てられている。001から099番は、旧みちのく銀行で支店コードの変更がされなかったほとんどの支店に加え、旧青森銀行のローン支店とATM管理の店舗などに割り当てられている。例外として、130番台の一部は旧みちのく銀行の店舗で支店コードの変更対象とならなかった拠点でも使われている。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ コーポレートガバナンス報告書 2021年1月7日閲覧
- ^ a b 今愛理香、鶴巻幸宏、竹内明日香 (2024年12月19日). “生き残りへ「宿敵」連携 人口減に危機感<合併の先に 誕生・青森みちのく銀行(上)統合>”. 河北新報 2025年1月2日閲覧。
- ^ “青森みちのく銀行が誕生 看板をお披露目 青森県”. 青森テレビ. (2025年1月1日) 2025年1月2日閲覧。
- ^ a b “青森ねぶた祭に参入、両行の交流促進 <合併の先に 誕生・青森みちのく銀行(中)融和>”. 河北新報. (2024年12月20日) 2025年1月2日閲覧。
- ^ “ATMから通帳が戻ってこない…2日間で269件、青森みちのく銀行でトラブル”. 読売新聞ONLINE (2025年1月8日). 2025年1月8日閲覧。
- ^ 青森銀行が開業式(昭和18年10月2日 東奥日報)『昭和ニュース辞典第8巻 昭和17年/昭和20年』p4 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ “銀行の合併認可”. 金融庁 (2024年12月20日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ “新銀行名は「青森みちのく銀行」 プロクレアHDが決定”. 日本経済新聞 (2022年11月11日). 2022年11月12日閲覧。
- ^ 「検証・みちのく銀行 大道寺体制の功罪(2)「長期政権」」『読売新聞』青森版 2005年6月2日 31頁
- ^ 山端宏実 (2021年11月15日). “NTTデータの共同システムに片寄せ、経営統合する青森銀行とみちのく銀行”. 日経クロステック 2025年1月2日閲覧。
- ^ “青銀とみち銀、合併へシステム統一着々”. Web東奥. (2024年3月6日) 2025年1月2日閲覧。
- ^ “つないでネ!ットご利用案内”. 青森銀行 2015年1月3日閲覧。
参考文献
編集- 『青森銀行史』青森銀行、1968年9月。
外部リンク
編集- 青森みちのく銀行
- 青森銀行 AOMORI❤ (@aomori_hike) - Instagram