離散信号りさんしんごう: discrete signal)は時間離散値をとる信号である[1]離散時間信号りさんじかんしんごう: discrete-time signal)とも[1]

離散時間信号

概要

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離散信号は時間離散値をとる信号であり[1](⇒ #定義)、配列になぞらって   でしばしば表記される[2](⇒ #表記)。離散信号は周期的な場合があり、これは周期的な連続信号とは異なる特有の振る舞いをする(⇒ #周期性)。離散信号は連続信号標本化でも得られる[3](⇒ #連続信号との関係)。

定義

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離散信号りさんしんごう: discrete signal)は時間離散値をとる信号である[1]離散時間信号りさんじかんしんごう: discrete-time signal)とも[1]

離散信号は標本化された連続時間信号とも理解できる[3]。系列の各値は標本値(sample、サンプル)と呼ばれる。

関連語

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連続信号との関連は #連続信号との関係 を参照。

デジタル信号

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デジタル信号

デジタル信号は離散信号と関連した異なる概念である。デジタル信号は時間振幅離散値をとる信号であり、離散信号(離散時間信号)の一種である[4]

表記

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離散時間信号であることを強調する場合、整数   を用いて次のように表記される[2]

  •   : 連続時間信号   と同じ時間軸で周期   ごとに値が定義(標本化
  •   : 配列ライク(nはインデックス = 整数 = 離散的)[5]
  •   : 系列ライク(nはインデックス = 整数 = 離散的)

周期性

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離散信号  周期関数の定義を満たしうる、つまり周期的たりうる。

周期

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周期が定義可能な周期的離散信号では[注 1]周期     が見出だせる。

離散信号はその定義から隣り合うサンプル間に値が存在しない。そのため周期は正の整数値のみを取る。この値を用いて離散信号の周期性は   として表現できる。

正規化角周波数

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正規化角周波数周期的な離散信号における1サンプルあたりの位相変化量である。

正規化角周波数   の単位は   であり、定義域は  (あるいは  )である[注 2]

また標本化周期   および(非正規化)角周波数   との間に

 

の関係が成立する。

連続信号との関係

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連続信号は離散信号と対になる概念である。連続信号は時間連続値をとる信号であり、離散信号の対義語にあたる。

連続信号から離散信号への変換

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離散信号  連続信号  標本化でも得られる[3]。すなわち標本化周期   を用いて   とすることで飛び飛びの値を取得し離散信号にできる。また離散信号の一種であるデジタル信号は、アナログ-デジタル変換(標本化+量子化)により連続信号の一種であるアナログ信号から得られる。

周期的な連続信号と周期的な離散信号の違い

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連続時間における周期信号が離散時間でも周期性をもつとは限らない。

例えば連続信号   を標本化した離散信号   を考える。  となる   は整数かつ   を満たす必要があるが、これは   しか存在しない。ゆえに   を満たす   が存在しない、つまり   は連続時間で周期性を持っていても標本化された離散時間では周期性を持たない。

脚注

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注釈

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  1. ^ 周期的だが周期を定義不能な(連続信号での)例: 定数関数
  2. ^ 周期   の定義により位相  進展するのに必要なサンプル数は   である。これは   を意味するため、  が成立する。この等式と   つまり   より、  の定義域が  (あるいは  )となることがわかる。

出典

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  1. ^ a b c d e "離散時間信号は ... 離散的な時間軸上で定義され ... 数列 ... で表される." (越田 2008, p. 2)
  2. ^ a b "離散時間信号の記述として,整数 n を用いた以下の表記がよく用いられる....   ...  " (越田 2008, p. 2)
  3. ^ a b c "離散時間信号は,連続時間信号を標本化することによって得られる." (越田 2008, p. 3)
  4. ^ "離散時間信号のうち ... 振幅が離散値である信号をディジタル信号という." (越田 2008, p. 2)
  5. ^ "離散時間信号を ...   ... てな風に書くことが多い" 以下より引用。鏡. (2016). 離散時間信号. やる夫で学ぶディジタル信号処理. 東北大学 大学院情報科学研究科.

参考文献

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関連項目

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