長七の和音
四和音の一種で、長三和音に根音から長七度上の音を付加したもの
基本データ
編集各語での呼称
編集構成音
編集- 根音(R)
- 長三度(M3°)
- 完全五度(P5°)
- 長七度(M7°)
以上の4音から構成される四和音である。
和音記号
編集和音記号の種類 | 表記法 | |||
基本形 | 第1転回形 | 第2転回形 | 第3転回形 | |
コードネーム表示 | XM7 | XM7/Y または XM7onY |
XM7/Z または XM7onZ |
XM7/W または XM7onW |
ピッチクラス表示 | [047B] |
ただし、根音をX, 第3音をY, 第5音をZ, 第7音をWとする。
周波数比
編集音律名 | 根音 : 第3音 : 第5音 : 第7音 | 数値 |
純正律 | 1 : 1.25 : 1.5 : 1.875 | |
ピタゴラス音律 | 1 : 1.265625 : 1.5 : 1.898438 | |
中全音律 | 1 : 1.25 : 1.495349 : 1.869186 | |
平均律 | 1 : 1.259921 : 1.498307 : 1.887749 |
主な用法
編集四和音が和声の基本となるポピュラー音楽において、中心的な役割を果たし、この傾向は長調において顕著になる[1]。属七の和音[2]やメイジャー・シックスス・コードと並び、長三和音の代理コードとして用いられる[3]。
機能和声の中で
編集以下のような用法があげられる。
モードの中で
編集アイオニアン・モード、リディアン・モードの中で使用できる。
ただし、リディアン・モードにおいてそのまま使用すると長調やアイオニアン・モードを連想させるため、リディアン・モードの特性音である増11度音がテンションとして加えられることがある。
転回
編集長七の和音は、主に基本形(根音が低音)で用いられることが多い。
付加音、テンション
編集以下の音が付加されることがある。
アイオニアン・スケールにおいて
編集- 9th(根音の長九度上)
- 13th(根音の長十三度上)
なお、11th(根音の完全十一度上)は第3音と短9度を形成し響きを阻害するため、用いられない[4]。
リディアン・スケールにおいて
編集- 9th(根音の長九度上)
- #11th(根音の増十一度上)
- 13th(根音の長十三度上)
なお、#11thはリディアン・スケールの特性音である。