酢酸イソアミル
酢酸イソアミル(さくさんイソアミル、isoamyl acetate)とは、カルボン酸エステルの一種である。酢酸とイソアミルアルコールが縮合したカルボン酸エステルにあたる。酢酸イソペンチル(isopentyl acetate)、酢酸3-メチルブチル(3-methylbutyl acetate)とも呼ばれる。
酢酸イソアミル | |
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3-Methylbutyl acetate | |
3-Methylbutyl ethanoate | |
別称 Isopentyl acetate Isopentyl ethanoate Isoamyl acetate Banana oil Pear essence | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 123-92-2 |
PubChem | 31276 |
ChemSpider | 29016 |
UNII | Z135787824 |
EC番号 | 204-662-3 |
国連/北米番号 | 1104 1993 |
KEGG | C12296 |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL42013 |
RTECS番号 | NS9800000 |
バイルシュタイン | 1744750 |
Gmelin参照 | 101452 |
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特性 | |
化学式 | C7H14O2 |
モル質量 | 130.18 g mol−1 |
外観 | 無色の液体 |
匂い | バナナのような[1] |
密度 | 0.876 g/cm3 |
融点 |
−78℃ |
沸点 |
142℃ |
水への溶解度 | 0.3% (20 °C)[1] |
蒸気圧 | 4 mmHg or 0.533 kPa (20 °C)[1] |
磁化率 | −89.4·10−6 cm3/mol |
屈折率 (nD) | 1.4020 at 20° |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
Hフレーズ | H226, H315, H319, H335, H336, H372 |
Pフレーズ | P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P261, P264, P270, P271, P280, P302+352, P303+361+353 |
NFPA 704 | |
引火点 | 25 °C (77 °F; 298 K) |
爆発限界 | 1.0% (100 °C) – 7.5%[1] |
許容曝露限界 | TWA 100 ppm (525 mg/m3)[1] |
最低致死濃度 LCLo | 6470 ppm (ネコ)[2] |
半数致死量 LD50 | 7422 mg/kg (ウサギ, 経口) 16,600 mg/kg (ラット, 経口)[2] |
関連する物質 | |
関連物質 | ギ酸イソアミル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
無色の液体で、バナナあるいはメロン様の果実臭がある。通常の有機溶媒には易溶で、水にもわずかに溶ける。
日本酒の芳香成分の一つで、吟醸酒には数100 ppb–数 ppm 程度含まれている。日本酒の高品質化のため、大量の酢酸イソアミルを生産する清酒酵母の開発が進んでいる。
安全性
編集日本の消防法では危険物第4類・第2石油類に分類される。熱には比較的安定するが、強酸や強塩基、強酸化剤との接触により火災・爆発のおそれがある[3]。動物実験での半数致死量(LD50)は、ラットへの経口投与・ウサギへの経皮投与とも5g/kg以上[4]。
合成法
編集他のエステルと同様に、フィッシャーエステル合成反応を用いて、濃硫酸などの酸触媒および脱水剤の存在下、酢酸とイソアミルアルコールを混合、加熱することで得られる。
出典
編集- ^ a b c d e NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0347
- ^ a b “Isoamyl acetate”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH). 2024年12月25日閲覧。
- ^ 製品安全データシート (PDF) (昭和化学)
- ^ 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X