酒井 昭伸(さかい あきのぶ、1956年 - )は、日本の翻訳家。別名義に蒼馬 一彰

略歴

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福岡県生まれ[1]早稲田大学政治経済学部卒業[1]。在学中はワセダミステリクラブに所属[2]

柴野拓美(小隅黎)に師事し、1980年(昭和55年)に共訳の『大破滅 : アジモフのカタストロフィー全研究』(アイザック・アジモフ著、講談社)で翻訳者デビュー[1]。大手メーカー勤務から地方公務員を経て、1989年(平成元年)から専業翻訳家となったに[3]

英語のSF小説を多く翻訳している。主な訳書にデイヴィッド・ブリンダン・シモンズマイケル・クライトンらの作品がある。

日本推理作家協会会員[1]2021年(令和3年)4月より日本SF作家クラブ会員[4][5]

評価と影響

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SF作家の伊藤計劃は自身のデビュー作『虐殺器官』に影響したものを問われ、リーダビリティの点で「一番考慮した作品」として酒井による「ハイペリオン」シリーズ(ダン・シモンズ著)の日本語訳と、南山宏による映画『アビス』のノベライズ(オースン・スコット・カード著)の訳書を挙げている[6]

著書

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共著

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  • が好きっ! : K3ソフトウェア大研究』 (K3ユーザーズグループ 編、早川書房) 1989年
  • 『やっぱり松が好きっ! : 楽しいワープロ便利帖 松Ver.5』(K3ユーザーズグループ 編、技術評論社) 1991年
  • 『名人「」 : ここまでできる実践講座』(田村安史 共編、技術評論社〈技評ディスクブックス〉) 1993年

翻訳

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アイザック・アシモフ

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  • 『大破滅 : アジモフのカタストロフィー全研究』(アイザック・アジモフ小隅黎共訳、講談社) 1980
  • 『アジモフ博士の極大の世界・極小の世界』(アイザック・アジモフ、社会思想社現代教養文庫〉) 1982
  • 『アジモフ博士の輝け太陽』(アイザック・アジモフ、社会思想社〈現代教養文庫〉) 1983
  • 『アジモフ博士の宇宙の誕生』(アイザック・アジモフ、社会思想社〈現代教養文庫〉) 1985
  • 『アジモフ博士の地球の誕生』(アイザック・アジモフ、社会思想社〈現代教養文庫〉) 1985
  • 『アジモフ博士のハレー彗星ガイド : 太陽系の長距離ランナー』(アイザック・アジモフ、社会思想社〈現代教養文庫〉) 1985
  • 『次元がいっぱい』(アイザック・アシモフ、早川書房〈ハヤカワ文庫NF〉) 1985

「デュマレスト・サーガ」シリーズ

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  • 『迷宮惑星トイ』(E・C・タブ、創元推理文庫、デュマレスト・サーガ 3) 1982、のち復刊(創元SF文庫) 2006
  • 『科学惑星テクノス』(E・C・タブ、創元推理文庫、デュマレスト・サーガ 7) 1983
  • 『流血惑星チャード』(E・C・タブ、創元推理文庫、デュマレスト・サーガ 11) 1983

チャールズ・シェフィールド

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  • 『プロテウスの啓示』(チャールズ・シェフィールド、ハヤカワ文庫SF) 1984
  • 『マッカンドルー航宙記』(チャールズ・シェフィールド、創元推理文庫) 1991
  • 『太陽レンズの彼方へ - マッカンドルー航宙記』(チャールズ・シェフィールド、創元SF文庫) 2005

デイヴィッド・ブリン

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  • 「知性化」シリーズ
    • スタータイド・ライジング』(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF) 1985
    • 『サンダイバー』(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF) 1986
    • 『知性化戦争』(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF) 1990
    • 『変革への序章 : 知性化の嵐 1』(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF) 2001
    • 『戦乱の大地 : 知性化の嵐 2』(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF) 2002
    • 『星海の楽園 : 知性化の嵐 3』(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF) 2003
  • 『ガイア - 母なる地球』(デイヴィッド・ブリン、早川書房) 1992、のちハヤカワ文庫SF 1996
  • 『キルン・ピープル』(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF) 2007

グレッグ・ベア

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  • 『永劫』(グレッグ・ベア、ハヤカワ文庫SF) 1987
  • 『久遠』(グレッグ・ベア、ハヤカワ文庫SF) 1991
  • 『女王天使』(グレッグ・ベア、ハヤカワ文庫SF) 1997
  • 『鏖戦凍月』(グレッグ・ベア、ハヤカワ文庫SF)小野田和子共訳 2023

ボブ・ラングレー

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  • 『ブリザードの死闘』(ボブ・ラングレー、新潮文庫) 1991
  • 『灼熱の死闘』(ボブ・ラングレー、新潮文庫) 1994
  • 『衛星軌道の死闘』(ボブ・ラングレー、新潮文庫) 1996

マイケル・クライトン

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  • ジュラシック・パーク』(マイケル・クライトン、早川書房) 1991、のちハヤカワ文庫 1993
  • ライジング・サン』(マイケル・クライトン、早川書房) 1992、のちハヤカワ文庫 1993
  • ツイスター』(マイケル・クライトン< アン‐マリー・マーティン、ハヤカワ文庫) 1996
  • ディスクロージャー』(マイケル・クライトン、早川書房) 1993、のちハヤカワ文庫(上・下) 1997
  • ロスト・ワールド -ジュラシック・パーク2-』上・下(マイケル・クライトン、早川書房) 1995、のちハヤカワ文庫 1997
  • 『エアフレーム - 機体』上・下(マイケル・クライトン、早川書房) 1997、のちハヤカワ文庫 2000
  • タイムライン』上・下(マイケル・クライトン、早川書房) 2000、のちハヤカワ文庫 2003
  • プレイ -獲物-』上・下(マイケル・クライトン、早川書房) 2003、のちハヤカワ文庫 2006
  • 『恐怖の存在』上・下(マイケル・クライトン、早川書房) 2005、のちハヤカワ文庫 2007
  • 『NEXT』上・下(マイケル・クライトン、早川書房) 2007
  • パイレーツ -掠奪海域-』(マイケル・クライトン、早川書房) 2009、ハヤカワ文庫 2012
  • 『マイクロワールド』上・下(マイケル・クライトン, リチャード・プレストン、早川書房、Hayakawa Novels) 2012、のちハヤカワ文庫 2015
  • 『アンドロメダ病原体 -変異-』上・下(マイクル・クライトン, ダニエル・H・ウィルソン、早川書房) 2020

ダン・シモンズ

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  • 「ハイペリオン」四部作
    • ハイペリオン』(ダン・シモンズ、早川書房) 1994、のちハヤカワ文庫SF(上・下) 2000
    • ハイペリオンの没落』(ダン・シモンズ、早川書房) 1995、のちハヤカワ文庫SF(上・下) 2001
    • 『エンディミオン』(ダン・シモンズ、早川書房) 1999、のちハヤカワ文庫SF(上・下) 2002
    • 『エンディミオンの覚醒』(ダン・シモンズ、早川書房) 1999、のちハヤカワ文庫SF(上・下) 2002
  • 『ヘリックスの孤児』(ダン・シモンズ、嶋田洋一共訳、早川書房、ハヤカワ文庫SF) 2009
  • 「イリアム」
    • 『イリアム』(ダン・シモンズ、早川書房) 2006、のちハヤカワ文庫SF(上・下) 2010
    • 『オリュンポス』(ダン・シモンズ、早川書房) 2007、のちハヤカワ文庫SF(上・下) 2010

エリック・ガルシア

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  • 『さらば、愛しき鉤爪』(エリック・ガルシア、ソニーマガジンズ) 2001
  • 『鉤爪プレイバック』(エリック・ガルシア、ソニーマガジンズ) 2003
  • 『鉤爪の収穫』(エリック・ガルシア、ソニーマガジンズ) 2005

ジョージ・R・R・マーティン

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  • 『タフの方舟 1 : 禍つ星』(ジョージ・R・R・マーティン、ハヤカワ文庫) 2005
  • 『タフの方舟 2 : 天の果実』(ジョージ・R・R・マーティン、ハヤカワ文庫) 2005
  • 乱鴉の饗宴』(ジョージ・R・R・マーティン、早川書房、氷と炎の歌4) 2008、のちハヤカワ文庫 2013
  • 『星の光、いまは遠く』(ジョージ・R・R・マーティン、ハヤカワ文庫SF) 2011
  • 竜との舞踏』(ジョージ・R・R・マーティン、早川書房、氷と炎の歌5) 2013、のちハヤカワ文庫 2016
  • 『七王国の騎士』(ジョージ・R・R・マーティン、早川書房、氷と炎の歌) 2016 - 短編集、のちハヤカワ文庫 2020
  • 『炎と血 1-2』ジョージ・R・R・マーティン 、酒井昭伸, 鳴庭真人, 水越真麻, 川野靖子 訳 早川書房 2020 (氷と炎の歌)
  • 『ナイトフライヤー』(ジョージ・R・R・マーティン、ハヤカワ文庫 SF) 2019

ジェフ・ヴァンダミア

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  • 『全滅領域』(ジェフ・ヴァンダミア、ハヤカワ文庫NV、サザーン・リーチ1) 2014
  • 『監視機構』(ジェフ・ヴァンダミア、ハヤカワ文庫NV、サザーン・リーチ2) 2014
  • 『世界受容』(ジェフ・ヴァンダミア、ハヤカワ文庫NV、サザーン・リーチ3) 2015

アンソロジー

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「焔の虎」(タニス・リー)を翻訳
「ヘリックスの孤児」(ダン・シモンズ)、「ナイトランド -「冠毛」の一神話」(グレッグ・ベア)を翻訳
  • 『ハッカー / 13の事件』(ジャック・ダン, ガードナー・ドゾワ 編、扶桑社) 2000
「ドッグファイト」(ウィリアム・ギブスンマイクル・スワンウィック)を翻訳
  • 『楽園追放 rewired : サイバーパンクSF傑作選』(虚淵玄, 大森望 編、ハヤカワ文庫JA) 2014
  • 『SFマガジン700 : 創刊700号記念アンソロジー 海外篇』(山岸真 編、ハヤカワ文庫SF) 2014

脚注

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  1. ^ a b c d 会員名簿 酒井昭伸”. 日本推理作家協会ウェブサイト. 一般社団法人日本推理作家協会. 2024年1月23日閲覧。
  2. ^ フェニックス総目録4 : フェニックス(PHOENIX)コーナー”. WMC. 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月30日閲覧。 ※『フェニックス』第80号〈私の好きなミステリ&SF12〉(1976年9月)の寄稿者に酒井の名が見える。同誌は1958年創刊、ワセダミステリクラブ(WMC)の機関誌。
  3. ^ 大森望『新編 SF翻訳講座』河出書房新社〈河出文庫〉、2012年10月、p. 206。
  4. ^ @sfwjのtweet(2021年4月12日)
  5. ^ 酒井 昭伸”. 日本SF作家クラブ公式Webサイト. 日本SF作家クラブ (2023年4月17日). 2024年1月23日閲覧。
  6. ^ 著者インタビュー:伊藤計劃先生”. Anima Solaris. 有限会社エスエフファンタジイコム (2007年11月). 2024年1月23日閲覧。 “この小説とシモンズ《ハイペリオン》シリーズの酒井さんによる訳書は、読む側のことを考えるときに一番考慮した作品です。なぜ日本の作家さんによる直接の日本語作品でないのかは、自分でも分かりませんが、書いている内容([...])に比して異様に読み易い、ということを考えたとき、わたしはまっさきにこの二つの小説を思い浮かべます。”