過酸化亜硝酸塩(Peroxynitrite)は、ONOO-で表されるイオンを持つである。硝酸塩NO
3
構造異性体である[1][2]

過酸化亜硝酸塩
識別情報
CAS登録番号 19059-14-4
PubChem 104806
UNII UR67NH4U77
KEGG C16845
ChEBI
特性
化学式 NO3
モル質量 62 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
過酸化亜硝酸塩の反応は、アポトーシスまたはネクローシス細胞死を誘導する。

合成

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過酸化亜硝酸塩は、超酸化物一酸化窒素の反応で合成される[3][4][5]

NO + O
2
→ NO(O
2
)

また、過酸化水素亜硝酸塩の反応でも合成される[6]

H2O2 + NO
2
→ ONOO + H2O

その存在は、302 nmの吸光度(pH 12, ε302 = 1670 M−1 cm−1)によって示される。

反応

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酸解離定数(pKa)~6.8の弱塩基である。

DNAタンパク質に対して反応性を持つ。

ONOO-は、二酸化炭素求核的に反応する。in vivoでは、二酸化炭素の濃度は約1 mMであり、ONOO-との反応は急速に生じる。そのため、生理的条件下では、ONOO-と二酸化炭素がニトロソペルオキソ一炭酸(ONOOCO2-)を形成する反応は、ONOO-にとって、支配的な経路である。ONOOCO2-は、炭酸ラジカルと二酸化窒素ホモリシス開裂する。このうち約66%では、かご効果英語版によりこれら2つのラジカルが再結合して二酸化炭素と硝酸となり、残りの33%では、ラジカルが溶媒のかごから逃げ出しフリーラジカルとなる。過酸化亜硝酸塩に関連する細胞損傷は、これらのラジカルが原因だと信じられている。

過酸化亜硝酸

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過酸化亜硝酸塩は塩基性溶媒中で安定であるが、共役酸の過酸化亜硝酸は非常に反応性が高い。

関連項目

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出典

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  1. ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. Inorganic Chemistry Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
  2. ^ Koppenol, W. H (1998). “The chemistry of peroxynitrite, a biological toxin”. Química Nova 21 (3): 326–331. doi:10.1590/S0100-40421998000300014. 
  3. ^ Bohle, D. Scott; Sagan, Elisabeth S. (2004). “Tetramethylammonium Salts of Superoxide and Peroxynitrite”. Inorganic Syntheses: 36. doi:10.1002/0471653683.ch1. 
  4. ^ Pacher, P; Beckman, J. S; Liaudet, L (2007). “Nitric oxide and peroxynitrite in health and disease”. Physiological Reviews 87 (1): 315–424. doi:10.1152/physrev.00029.2006. PMC 2248324. PMID 17237348. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2248324/. 
  5. ^ Szabó, C; Ischiropoulos, H; Radi, R (2007). “Peroxynitrite: Biochemistry, pathophysiology and development of therapeutics”. Nature Reviews Drug Discovery 6 (8): 662–80. doi:10.1038/nrd2222. PMID 17667957. 
  6. ^ Beckman, J. S; Koppenol, W. H (1996). “Nitric oxide, superoxide, and peroxynitrite: The good, the bad, and ugly”. American Journal of Physiology. Cell Physiology 271 (5 Pt 1): C1424–37. doi:10.1152/ajpcell.1996.271.5.C1424. PMID 8944624.