超平和バスターズ
超平和バスターズ(ちょうへいわバスターズ)は、長井龍雪・岡田麿里・田中将賀の3人によるアニメーション制作チーム[1]。制作された作品においては原作としてクレジットされている[2]。
概要
編集フジテレビ系列で放送されたテレビアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(略称「あの花」)を制作したチームの一員である。同作品の劇中に登場したチームの名前をそのまま原作者名として使っている。アニメーション映画『心が叫びたがってるんだ。』(略称「ここさけ」)の製作に際してこの3人が再集結したことから、この名前が再び原作者名として使われた。2019年公開のアニメーション映画『空の青さを知る人よ』(略称「空青」)で3度目の原作となる。
この3人がメインスタッフとして組んだ最初の作品は、2008年のテレビアニメ『とらドラ!』である[3]。この作品に集まったのは、監督の長井がキャラクターデザインとして田中を呼び岡田はプロデューサーに紹介されたという経緯だったが、それぞれがともに仕事をしたことに手応えと楽しさを感じ、再び組むことを望んだ岡田が『あの花』の企画書を提出した際に長井と田中に声をかけたと、3人の対談で述べられている[4]。
「超平和バスターズ」という名称について、3人で別に考えたチーム名があったもののそれが使われることはなく、「いつの間にか」そのように呼ばれるようになったとメンバーは話している[5]。
メンバー
編集- 長井龍雪 - アニメーション監督。
- 岡田麿里 - 脚本家。
- 田中将賀 - アニメーター兼キャラクターデザイナー。
作品
編集『空青』以来となる、3人が揃ってメインスタッフを務めたアニメ映画『ふれる。』(2024年公開、制作スタジオは『空青』と同じCloverWorks[8])では、2023年12月の製作発表時以来、クレジットに「超平和バスターズ」の名前は使用されていない[9]。岡田麿里は『ふれる。』公開後のインタビューで、自分たち3人の座組は企画段階から「青春物語」で「現代劇」の作品を求められており、異なる題材をやりたいという欲求が以前はあったが、「最近は、そこに面白さを感じるようになってきた」と述べている[10]。
評価・言及
編集アニメーション監督の新海誠は、2019年10月17日の自身のtwitterで『空の青さを知る人よ』に言及した際に、「長井さん田中さん岡田さんの3人は、はっきりと彼らにしか作れないものを表現し続けていて。とらドラ!の10年前から憧れの人たちなのです。」と記した[11]。
その他
編集秩父鉄道が2021年4月より運行を開始した、前記3作品のキャラクターをラッピングした車両には「超平和バスターズトレイン」の名称が付けられ、出発式には長井龍雪も出席した[12]。
脚注
編集- ^ 『アニメスタイル 008』メディアパル、2016年3月31日、p.8
- ^ 超平和バスターズ | 著者 | 小学館より。
- ^ “「空の青さを知る人よ」は秩父三部作の集大成――長井龍雪監督が「あの花」「ここさけ」経て新作に込めた想い”. アニメ!アニメ!. (2019年10月11日) 2019年10月19日閲覧。
- ^ 「超平和バスターズ鼎談」『あの花/ここさけ/空青 メモリアルブック - 超平和バスターズの軌跡 - 』pp.118 - 119
- ^ 「超平和バスターズ鼎談」『あの花/ここさけ/空青 メモリアルブック - 超平和バスターズの軌跡 - 』pp.121
- ^ “『あの花』『ここさけ』チームの集大成 長編アニメ映画『空の青さを知る人よ』10・11公開”. オリコンニュース. (2019年3月21日) 2019年3月21日閲覧。
- ^ 『空の青さを知る人よ』公式ウェブサイト
- ^ “長編アニメ映画「ふれる。」発表、2024年秋公開 「あの花」「ここさけ」「空青」を手掛けた超平和バスターズが再び集結”. ねとらぼエンタ. (2023年12月6日) 2023年12月6日閲覧。
- ^ 映画『ふれる。』公式ウェブサイト(2023年12月6日閲覧)
- ^ “ふれる。:脚本・岡田麿里インタビュー 本音を出しづらいSNS時代 本当の友達とは? 長井龍雪監督、田中将賀と3人だから描けるもの”. MANTANWEB (2024年11月5日). 2024年11月5日閲覧。
- ^ 2019年10 月17日のツイート - 新海誠公式twitter
- ^ “あの花10周年で企画、秩父アニメ3部作が秩父鉄道の電車に 監督や声優ら出席、埼玉の秩父駅で出発式”. 埼玉新聞. (2021年4月4日) 2021年4月4日閲覧。
参考文献
編集- 『あの花/ここさけ/空青 メモリアルブック - 超平和バスターズの軌跡 - 』小学館、2019年
関連項目
編集- 学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで - 岡田麿里の自伝。『ここさけ』制作中のエピソードの言及がある。