贋造

他者を偽る意図を持って、本物に似せて作ること

贋造(がんぞう)とは、他者を偽る意図を持って、本物(真物[注 1])に似せて作ること。 贋造された物全般は贋造物(がんぞうぶつ)、作品は贋作(がんさく)、製品贋造品(がんぞうひん)と言う。

他者を偽る意図を持たない場合は「贋造」には当たらず、それは模造(もぞう)[注 2]であり、ときに複製である。模造は、正当な目的を持って行われるか、浅慮や無知の結果として行われることはあっても他者[注 3]をあざむく意図は無く、中には結果的に罪を問われるケースもありはするが、他者[注 3]を害することを予想して作られることは無い。その点で贋造とは全く別物である。ただし、「本物(真物)」と言い張る「贋造」がある以上、悪意を隠して「模造」と言い張る「贋造」もまた、当然にあり得る。

概要

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2000年代から2010年代にかけて、中国製品に贋造品が多いことが大きな問題となっている。日本でも、第二次世界大戦戦後混乱期以降数十年の間は贋造が多く発生していた。終戦直後の時代に多発したメタノール入り密造酒による失明などは特に語られることの多い実例である。現代日本ではこの手の贋造は過去のものとされ、食品薬品の贋造に対する十分な検疫体制が執られているとは言いがたい。

贋造の例

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  • 医薬品等で、甘味を与えるため、グリセリン等を添加する製品 :甘みがあるエチレングリコールや、ジエチレングリコールを加える。本来の物よりも価格が安いため。
  • 密造酒 :通常の醸造酒蒸留酒を水などで薄め[注 5]メタノールを添加する。酒のアルコール分であるエタノールよりも価格が安いため。
  • 小売酒屋によるの不当な水増し :売りする町の小売酒屋がまだ至極一般的であった頃の日本(おおよそ、モータリゼーション到来以前の日本)では、仕入れた酒を水で薄めて客好みに調整するのが当然の正当な作業であったが、手っ取り早く稼ぐために度を過ぎた水増しをする不実な店もなかにはあった。
  • 小麦粉飼料など、蛋白質を含む製品の贋造 :窒素含有量が高いメラミンシアヌル酸を加える[1]。窒素量に換算して行う蛋白質の含有量を検査する方法では、見かけ上の蛋白質含有量が増える。偽造香水: 有名な香水の配合やデザインをコピーしたもの。人気の香水ブランドやフレグランスには、偽物を見分ける特別な方法があります。注意すべき一般的な兆候: きちんとしたパッケージ、高品質の印刷されたシンボル、誤字がないこと。[2]

特記事項

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脚注

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注釈

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  1. ^ 真物(まもの):本物であること。また、その物。
  2. ^ 具体例として、世に二つと無い貴重な真物に代えて展示されるレプリカ撮影用の模造建築物、プラスチックパール等の模造真珠、模造刀剣、など。
  3. ^ a b ここでの「他者」は、主として生産者に対する購入者・使用者である。例えば、模造刀である竹光を所有者が威嚇用に使ったとしても、その偽装行為は贋造とは関係ない。
  4. ^ ただし、強度を補うために加えることは別で、正当な生産行為である。明示されてさえいれば問題はない。
  5. ^ ただし、一定限度ではあるが、水で薄めること自体は正当な生産行為である。要するに水割りにしているだけ。

出典

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