豊山犬
北朝鮮の犬種
豊山犬(ほうざんけん、プンサンけん[2]、朝鮮語:풍산개、英:Pungsan Dog)[3]とは、朝鮮民主主義人民共和国豊山郡(現在の金亨権郡と豊西郡)原産の狩猟用犬種。朝鮮半島で虎、鹿、猪などの狩猟に用いられた[2]。朝鮮語ではプンサンゲと呼ぶ。
豊山犬 | |
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豊山犬2匹 | |
各種表記 | |
ハングル: | 풍산개 |
漢字: | 豐山개 |
発音: | プンサンゲ |
日本語読み: |
ほうざんけん ほうざんいぬ |
RR式: | Pungsan-gae |
MR式: | P'ungsan-kae |
英語表記: |
Pungsan dog Poongsan dog Phungsan dog |
歴史
編集日本犬とは血統的に近く、紀元前から存在していた。もっぱら猟犬として使われ、シカやイノシシの他、かつてはチョウセントラの狩猟にも使われていた。狩猟は1 - 3頭で行われるが、非常に力が強いため、一度噛み留めされると獲物は逃げられなくなり、そのまま仕留められた。
優秀な猟犬であったが、徐々に数が減少し、その後は数が著しく減少してしまった。そのため、1942年(昭和17年)、当時朝鮮半島を統治していた 朝鮮総督府が天然記念物第128号に指定した。戦後朝鮮が日本国の統治から離れ、独立すると共に国宝に指定され、同時に第35代重要天然資源(日本で言う特別天然記念物)にも指定され、保護が行われるようになった。現在豊山犬の頭数は回復しつつあるが、未だに希少犬種である事に変わりはない。そのため、多くは動物園などで飼育されていて、一般市民(人民)には全く普及していない犬種である。
特徴
編集日本犬のようなスピッツ型の犬種で、がっしりとした筋肉質の体格をしていて、脚が長い。立ち耳・巻き尾で被毛は短めで厚い。毛色は白が多いが、赤、灰色、黒、虎毛のものもいる。体高55 - 65 cm、体重25 - 35 kgの大型犬で、警戒心が強く、一人の主人にのみ忠実である。
エピソード
編集脚注
編集- ^ “第12回東京フィルメックス”. 2024年6月21日閲覧。
- ^ a b 基峰修 (2017年3月). “猪甘と角笛—考古資料による比較検討を中心として—”. 人間社会環境研究第33号. 金沢大学. 2024年6月21日閲覧。
- ^ “[평양 핫라인] 북한엔 국가 지정 '국견'이 있다?”. https://imnews.imbc.com/newszoomin/newsinsight/5867151_29123.html. (2020年8月7日)
- ^ 正恩氏から贈られた犬 文前大統領が政府に返還 聯合ニュース 2022年11月9日
- ^ “正恩氏、豊山犬プレゼント プーチン氏は高級車贈る”. 時事 (2024年6月20日). 2024年6月21日閲覧。
参考
編集- 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年