西部方面航空隊

陸上自衛隊の部隊

西部方面航空隊(せいぶほうめんこうくうたい、JGSDF Western Army Aviation Group)は、熊本県上益城郡益城町高遊原分屯地に隊本部が駐屯する、陸上自衛隊西部方面隊直轄の航空科部隊。

西部方面航空隊
西部方面航空隊所属のAH-64D
創設 1956年(昭和31年)1月25日
所属政体 日本の旗 日本
所属組織 陸上自衛隊
部隊編制単位
兵科 航空科
所在地 熊本県 上益城郡益城町
編成地 小月
上級単位 西部方面隊
担当地域 九州南西諸島
テンプレートを表示

概要

編集

AH-64戦闘ヘリコプターによる戦闘および方面隷下の各部隊に対する航空偵察・空中機動・航空輸送・指揮連絡等を主任務とする。部隊本部は高遊原分屯地に、実働部隊の主力は目達原駐屯地にそれぞれ駐屯している。飛行場運用を担当する管制気象隊のみ管内各飛行場単位で配置されている。

沿革

編集
  • 1956年(昭和31年)1月25日:西部方面航空隊小月駐屯地に新編。
  • 1957年(昭和32年)
    • 2月20日:第310航空整備中隊を新編。
    • 8月20日:小月駐屯地から託麻原分屯地(旧熊本空港所在地)に移駐。
  • 1962年(昭和37年)1月18日:部隊改編。
  1. 西部方面航空隊本部及び第8飛行隊を新編。
  2. 西部方面航空隊が西部方面飛行隊に改編。
  3. 第4管区隊第4航空隊(目達原駐屯地)が第4飛行隊に改編され、隷下に編合。
  • 1964年(昭和39年)3月24日:第310航空整備中隊を第310航空野整備隊に改編。
  • 1968年(昭和43年)3月1日:西部方面ヘリコプター隊を目達原駐屯地に新編。
  • 1971年(昭和46年)4月20日:熊本空港移転に伴い、託麻原分屯地が廃止。高遊原分屯地が開設。
  1. 西部方面航空隊が託麻原分屯地から、高遊原分屯地に移駐。
  2. 西部方面飛行隊及び第8飛行隊が目達原駐屯地から高遊原分屯地に移駐。
  • 1978年(昭和53年)
    • 3月25日:西部方面ヘリコプター隊に第3飛行隊が新編され、KV-107IIが配備。
    • 4月5日:第310航空野整備隊が西部方面航空野整備隊に称号変更。
  • 1990年(平成02年)3月26日:第3対戦車ヘリコプター隊を新編。
  • 1994年(平成06年)3月28日:第4飛行隊が第4師団隷下に、第8飛行隊が第8師団隷下に編入。西部方面飛行隊を西部方面航空隊本部付隊に改編。
  • 2002年(平成14年)3月25日:西部方面ヘリコプター隊第3飛行隊のKV-107IIA-4がラストフライト。陸上自衛隊でのKV-107II運用が終了[1]
  • 2010年(平成22年)3月12日:第3対戦車ヘリコプター隊にAH-64Dが配備。
  • 2018年(平成30年)2月5日:第3対戦車ヘリコプター隊に所属しているAH-64Dが神埼市の住宅に墜落し、機長と副操縦士の2名が殉職、住宅にいた女子小学生が避難中に膝を打撲する事故が起きた。
  • 2020年(令和02年)3月26日:第109飛行隊が新編(平素、西部方面航空隊に隷属)[2][出典無効]
  • 2021年(令和03年)
    • 3月17日:第3対戦車ヘリコプター隊のAH-1Sがラストフライト。
    • 3月18日:第3対戦車ヘリコプター隊が第1戦闘ヘリコプター隊に称号変更[3]
  • 2024年(令和06年)7月12日:西部方面ヘリコプター隊第2飛行隊にUH-2が配備[4]

部隊編成

編集

特記ないものは高遊原分屯地内に所在している。

  • 西部方面航空隊本部
  • 西部方面航空隊本部付隊「西方航-本」:LR-2
  • 第1戦闘ヘリコプター隊(目達原駐屯地)
    • 第1戦闘ヘリコプター隊本部
    • 第1戦闘ヘリコプター隊本部付隊「1戦ヘリ‐本」:OH-1
    • 第1飛行隊「1戦ヘリ‐1飛」:AH-64D
    • 第2飛行隊「1戦ヘリ‐2飛」:AH-64D[5]
  • 西部方面ヘリコプター隊(目達原駐屯地)
    • 西部方面ヘリコプター隊本部
    • 西部方面ヘリコプター隊本部付隊「西方ヘリ‐本」:OH-1
    • 第1飛行隊「西方ヘリ‐1」:UH-60JA
    • 第2飛行隊「西方ヘリ‐2」:UH-1J、UH-2
    • 第3飛行隊「西方ヘリ‐3」(高遊原分屯地):CH-47JA
  • 西部方面管制気象隊
    • 西部方面管制気象隊本部
    • 基地隊「西方管気-基」
    • 第1派遣隊(目達原駐屯地)
  • 西部方面航空野整備隊「西方航整」
    • 西部方面航空野整備隊本部
    • 整備隊
    • 補給隊

主要幹部

編集
官職名 階級 氏名 補職発令日 前職
西部方面航空隊長
兼 高遊原分屯地司令
1等陸佐 不破悟 2024年03月18日 陸上幕僚監部人事教育部募集・援護課長
副隊長 1等陸佐 小野栄二 2024年08月01日 第15ヘリコプター隊
第1戦闘ヘリコプター隊長 2等陸佐 前田哲矢 2024年08月01日 第4師団司令部第1部長
西部方面ヘリコプター隊長 2等陸佐 中村健太 2024年03月30日 陸上自衛隊航空学校霞ヶ浦校勤務
歴代の西部方面航空隊長
(特記ない限り1等陸佐・高遊原分屯地司令兼補)
氏名 在職期間 前職 後職
01 谷口正義
(2等陸佐)
1956年01月25日 - 1959年11月05日 陸上自衛隊航空学校教育部長
02 山口義輔
(2等陸佐)
1959年11月06日 - 1962年03月15日 陸上幕僚監部第5部勤務 東北方面航空隊
03 野村浩三
(2等陸佐)
1962年03月16日 - 1966年07月15日 西部航空方面隊 陸上自衛隊航空学校総務部長
04 高久久雄 1966年07月16日 - 1968年07月15日
※1967年01月01日 1等陸佐昇任
陸上幕僚監部航空課勤務 陸上自衛隊航空学校整備部長
05 能勢忠典 1968年07月16日 - 1970年07月15日 陸上幕僚監部付 陸上幕僚監部第3部研究班長
06 村上武 1970年07月16日 - 1973年07月15日 陸上自衛隊航空学校研究部長 東北方面総監部総務課勤務
07 高橋進 1973年07月16日 - 1975年07月15日 西部方面航空隊副隊長 第4師団司令部勤務
08 鈴木信之 1975年07月16日 - 1977年03月15日 陸上自衛隊航空学校研究部長 東部方面総監部総務課勤務
09 黒瀬多聞 1977年03月16日 - 1978年07月31日 西部方面航空隊副隊長 陸上自衛隊幹部学校勤務
10 中山公夫 1978年08月01日 - 1980年06月30日
※1980年04月01日 陸将補昇任
第1ヘリコプター団副団長 第1ヘリコプター団長
木更津駐とん地司令
11 前田榮滿 1980年07月01日 - 1981年03月06日 陸上自衛隊航空学校第1教育部長 西部方面総監部
12 中山榮男 1981年03月07日 - 1982年06月30日 陸上自衛隊航空学校研究部長 陸上幕僚監部装備部航空機課長
13 浅香正毅 1982年07月01日 - 1986年03月16日 陸上自衛隊航空学校総務部長 東部方面総監部勤務
14 大上正美 1986年03月17日 - 1988年07月31日 東北方面航空隊副隊長 陸上自衛隊航空学校第1教育部長
15 坂正興 1988年08月01日 - 1990年07月31日 東北方面航空隊副隊長 東北方面総監部勤務
16 釘宮初男 1990年08月01日 - 1992年03月15日 西部方面航空隊副隊長 東部方面総監部付
17 田島勝征 1992年03月16日 - 1994年07月31日 西部方面航空隊副隊長 第1ヘリコプター団副団長
18 岩崎修治 1994年08月01日 - 1996年11月30日 北部方面総監部調査部調査課長 陸上自衛隊武器補給処航空部長
19 矢崎良博 1996年12月01日 - 1998年07月31日 陸上幕僚監部人事部人事計画課
制度班長
陸上自衛隊補給統制本部航空部長
20 黒木信行 1998年08月01日 - 2000年07月31日 陸上自衛隊航空学校総務部長 東部方面総監部勤務
21 古本和彦 2000年08月01日 - 2002年12月01日 陸上幕僚監部教育訓練部教育課
学校第2班長
自衛隊旭川地方連絡部
22 下池賢一 2002年12月02日 - 2005年03月31日 陸上自衛隊幹部学校学校教官 帯広駐屯地業務隊長
23 川口博司 2005年04月01日 - 2007年12月02日 自衛隊長野地方連絡部長 統合幕僚監部総務部総務課長
24 服部正 2007年12月03日 - 2009年07月31日 統合幕僚監部防衛計画部防衛課
防衛班長
陸上幕僚監部装備部航空機課長
25 沖邑佳彦 2009年08月01日 - 2010年11月30日 陸上幕僚監部防衛部防衛課
防衛班長
陸上幕僚監部教育訓練部
教育訓練計画課長
26 田尻祐介 2010年12月01日 - 2012年07月25日 陸上自衛隊研究本部研究員 統合幕僚監部防衛計画部計画課長
27 酒井秀典 2012年07月26日 - 2013年12月17日 陸上自衛隊研究本部研究員 陸上幕僚監部運用支援・情報部
情報課長
28 佐々木博茂 2013年12月18日 - 2015年11月30日 第1ヘリコプター団副団長 陸上自衛隊航空学校宇都宮分校長
北宇都宮駐屯地司令
29 吉浦健志 2015年12月01日 - 2017年03月22日 統合幕僚監部運用部運用第2課
国際地域調整官
陸上自衛隊研究本部主任研究開発官
30 伊東佳哉 2017年03月23日 - 2019年03月31日 陸上幕僚監部運用支援・情報部
情報課地域情報班長
陸上幕僚監部装備計画部航空機課長
31 椿裕一 2019年04月01日 - 2022年03月13日 東北方面総監部情報部長 陸上自衛隊航空学校副校長
32 中尾国保 2022年03月14日 - 2024年03月17日 統合幕僚監部総務部総務課長 退職[6]
33 不破悟 2024年03月18日 - 陸上幕僚監部人事教育部
募集・援護課長

主要装備

編集

過去の装備

編集

廃止(改編)部隊

編集
  • 第310航空野整備隊:1978年(昭和53年)4月5日 西部方面航空野整備隊に称号変更。
  • 西部方面飛行隊:1994年(平成06年)3月28日 西部方面航空隊本部付隊に改編。
  • 第3対戦車ヘリコプター隊「3対戦ヘリ‐X」:2021年(令和3年)3月18日 第1戦闘ヘリコプター隊に称号変更。

脚注

編集
  1. ^ イカロス出版 Jwing No.46 2002年6月号 24頁-25頁 「陸上自衛隊・最後の「バートル」KV-107II引退!!」石原肇
  2. ^ 航空科の歴史 令和3年9月 陸上自衛隊航空学校 58頁 「4 陸上総隊隷下の第1ヘリコプター団 令和2年3月には、V-22及びCH-47を装備する輸送航空隊が新編された。(CH-47を装備する第109飛行隊は、当面の間は西部方面航空隊に平素隷属)」
  3. ^ 駐屯地の沿革”. 陸上自衛隊目達原駐屯地. 2021年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月18日閲覧。
  4. ^ 陸上自衛隊西部方面隊 [@JGSDF_WA_pr] (2024年7月12日). "【UH‐2領収セレモニー】". X(旧Twitter)より2024年7月12日閲覧
  5. ^ 「第1戦闘ヘリコプター隊」の検索結果 - Yahoo!検索(画像)”. search.yahoo.co.jp. 2021年4月11日閲覧。
  6. ^ 自衛隊法第65条の11第5項の規定に基づく報告(令和6年1月1日~同年3月31日分) (PDF)

出典

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集