藤村由加
4人の女性執筆者集団のペンネーム
藤村 由加(ふじむら ゆか)は、4人の女性執筆者集団のペンネーム。佐藤まなつ、北村まりえ、榊原由布、高野加津子の4人の名前から一文字ずつ取っている。
概要
編集ヒッポファミリークラブで朝鮮語を学び、『万葉集』は古代の朝鮮語で読み解けると主張、1987年8月にはその研究がNHKのテレビ番組『NHK特集』で取上げられ[1]、1989年に新潮社より『人麻呂の暗号』を刊行するに至った。
これは言語交流研究所の中野矢尾(ヒッポファミリークラブ創設以来のフェロウで、トランスナショナル・カレッジ・オブ・レックス発足と同時にシニア・フェロウ)との共同研究である[2]。言語交流研究所に勤務していた赤瀬川隼は、この「万葉集は朝鮮語で読解できる」というアイディアをもとにした短編ミステリ「潮もかなひぬ」を1983年に発表して直木賞候補になり、1985年に長編『潮もかなひぬ』として刊行した[3]。なお、藤村由加の著書の作中に中野矢尾は「アガサ」という名前で登場する[4]。
当時は、20代の女性による大発見と賞賛する声もあったが、中西進、西端幸雄[5][6]、安本美典[7][8]らの批判を受け、遂に「トンデモ本」と認定された[9]。その後も著書をいくつか出した。なお、古代朝鮮語については、現存資料が郷歌と呼ばれる二十数種の詩など僅かしか残っていず、詳細はよく分かっていない。
著書
編集- 『人麻呂の暗号』新潮社、1989年。 のち文庫
- 『額田王の暗号』新潮社、1990年。 のち文庫
- 『枕詞千年の謎』新潮社、1992年。 のち「枕詞の暗号」として文庫化
- 『記紀万葉の謎 ことばのタイムトンネル』実業之日本社、1995年。
- 『古事記の暗号 神話が語る科学の夜明け』新潮社、1997年。 のち文庫
脚注
編集- ^ “NHK特集 「万葉集の謎」 ―人麻呂の暗号― | NHKクロニクル | NHKアーカイブス”. NHK. 2024年11月7日閲覧。
- ^ 赤瀬川隼『潮もかなひぬ』(文春文庫)後書き
- ^ 赤瀬川隼『潮もかなひぬ』(文春文庫)後書き
- ^ アガサを偲んで(赤瀬川隼)
- ^ 西端幸雄『古代朝鮮語で日本の古典は読めるか』大和書房、1991年11月。ISBN 4-479-84017-6。
- ^ 西端幸雄『古代朝鮮語で日本の古典は読めるか』(新装版)大和書房、1994年8月。ISBN 4-479-84032-X。
- ^ 安本美典『朝鮮語で「万葉集」は解読できない』JICC出版局、1990年2月。ISBN 4-88063-784-X。
- ^ 安本美典『新・朝鮮語で万葉集は解読できない』JICC出版局〈turtle books 1〉、1991年9月。ISBN 4-7966-0183-X。
- ^ 山本弘 著「オハイオ州でおはよう! ドン・R・スミサナ 吉田信啓訳『古代、アメリカは日本だった!』America: Land of Rising Sun」、と学会 編『トンデモ本の世界』洋泉社、1995年11月、156-161頁。ISBN 4-89691-166-0。
- ^ 川本武文、津藤文生・大橋弘撮影『本棚が見たい! 2』ダイヤモンド社、1996年10月、48頁。ISBN 4-478-95020-2。
- ^ 『人麻呂の暗号』(新潮文庫)の赤瀬川原平(赤瀬川隼の実弟)解説、および、たくさんの言語や世代が交わり、世界中どんな人でも大切にする気持ちを育む・ヒッポファミリークラブ(渋谷区)