菜系
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概要
編集中華人民共和国は人口、国土面積において世界最大であり、内包する民族も、少数民族を含めて非常に数多い[1]。広大な国土には様々な風土が生まれ、使用される食材や調理法についても多様性は限りなく広がっている[1]。
以下に記す四大菜系、八大菜系は、20世紀後半になってから、特に中国人以外にわかりやすく説明するために常用されるようになった分類法である[2]。
歴史
編集中華料理には古くから、南北2つの料理系統があったとされる[2]。
隋の文帝と煬帝が整備し、610年に開通した黄河と長江を結ぶ京杭大運河によって南北物流が活性化し、物流の要地として淮揚地方(淮河と長江の下流地域)は発達し、淮揚料理が発達して行った[2]。
宋代には都市の発展と共に印刷物の普及もあって、各地方の食物が体系的に認知されるようになる[2]。『東京夢華録』巻四「食店」では汴京にあった飲食店として江南料理店、四川料理店、現地料理を提供する店があったことが記されている[2]。汴京には科挙受験のため全国から人が集まってきていたという事情もある[2]。
四大菜系
編集中国の国土を大まかに東西南北に分け、それぞれの気候風土や地域経済圏と関連付けて4つの代表的な地方料理を説明したもの[2]。日本ではよく知られる[2]。
- 北方系 - 北京料理など。塩辛くて味が濃い[3]。
- 東方系 - 上海料理など。甘く、濃厚な味付け[3]。江南(淮揚)系とも。長江下流域を広く含む地域概念[2]。
- 南方系 - 広東料理など。素材の味を生かした淡泊な味付け[3]。
- 西方系 - 四川料理など。ピリっとした辛さが特徴[3]。
このような四大分類は、清代初期までには認知されるようになり、当時の知識人たちの間ではある程度広く認知されていたというのが通説となっている[2]。史料で完全な裏付けが取れているわけではないが、一概に退けられることもされていない[2]。
八大菜系
編集上述のように20世紀後半より用いられるようになった分類法[2]。
江北料理と江南料理
編集その他、揚子江(長江)の北と南で2通りに分類する方法がある。
台湾における六大料理
編集国民政府が中国から台湾へやってきた時、多くの有能な料理人がともに海を渡ったが、その後の台湾は多くの料理が淘汰・吸収を繰り返し、中国とは別の分類が誕生した。
- 台湾料理(台菜)、四川料理、広東料理、江浙料理(江浙菜)、湖南料理、北方料理(北方菜)