芥川城(あくたがわじょう)は、大阪府高槻市にあったとされる日本の城。近年ではその存在に疑義が呈されている(後述)。同じ高槻市の三好山にある山城も「芥川城」と呼称されており、『日本城郭大系』ではその山城を「芥川山城」、本城を「芥川城」と区別している[2]

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芥川城
大阪府
芥川城(址石碑)
芥川城(址石碑)
城郭構造 平城
築城主 芥川氏(芥河氏)
築城年 鎌倉時代後期か[1]
主な城主 芥川氏
廃城年 不明
遺構 なし
再建造物 なし
位置 北緯34度51分10.818秒 東経135度36分31.003秒 / 北緯34.85300500度 東経135.60861194度 / 34.85300500; 135.60861194
地図
芥川城の位置(大阪府内)
芥川城
芥川城
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概要

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芥川城は、平安時代末期より摂津国島上郡芥川宿を拠点とした芥川氏(芥河氏)の屋敷とされる[3]。芥川氏は鎌倉時代には幕府御家人へと成長し、南北朝時代前後には北摂地域の国人一揆の中心となっている[4]。芥川氏が成長するのに合わせ、芥川城の城域も拡大していったと考えられた[5]

その推定地は、芥川宿の西端北部一帯(芥川橋の東詰め北部一帯)で、芥川町3・4丁目、紫町、殿町にわたって東西4(436メートル)、南北2町(218メートル)の城域を有していたと推測された[1]京都方面から西進してきた西国街道は、芥川橋から東に約550メートルの地点で南に折れ、100メートルほど進んだ後、再び西に進んでいるが[1]、『高槻市史』では、芥川城の拡張にあたりその城域を確保したことによるものとされている[6]

応仁の乱が起きると、芥川氏は西軍の軍門に降り、それ以後、芥川本家の活動は見えなくなる[7]文明14年(1482年)に細川政元と対立した摂津国人一揆守護代薬師寺元長により鎮圧されており、芥川氏もこの時弾圧を受けた可能性が考えられる[8]。この後、延徳2年(1490年)12月に細川政元が芥川を訪ね、本所領に人足を賦課している[8][注釈 1]

永正13年(1516年)1月には、細川高国の命を受けた能勢頼則により芥川山城が築かれていた[9][10]。芥川城はこれに伴って、平時の居館として活用されるようになったとの見方がある[11]

なお、本城の存在を示す唯一の同時代史料として『宇津山記』があり、これによると永正2年(1505年)1月の時点で能勢頼則が芥川城主を務めているとされている[10]。しかし、これは永正13年(1516年)1月の誤りであると考えられ、ここでの芥川城は芥川山城を指すものとなる[10]。後世の伝承においては、元禄14年(1701年)の地誌摂陽群談』や享保20年(1735年)の『摂津志』、寛永元年(1748年)の大絵図に、芥川山城を指すとみられる城はあるものの、芥川城は確認できない[10]天保7年(1836年)の大絵図では芥川宿北部に「芥川氏ノ古城」との記載があるが、信憑性に疑いがある[10]。これらのことから、芥川城の実在は不確かとなっている[10]

城跡へのアクセス

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脚注

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注釈

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  1. ^ 後法興院政家記』延徳3年正月25日条に「摂州芥河近辺立屋、押妨諸本所領」とある[8]

出典

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  1. ^ a b c 平井ほか 1981, p. 57.
  2. ^ 平井ほか 1981, pp. 59–60. 「芥川山城」という用語の初見は『高槻市史』第1巻とされる。
  3. ^ 高槻市史編さん委員会 1977, pp. 490, 549; 平井ほか 1981, p. 57.
  4. ^ 高槻市史編さん委員会 1977, pp. 487–490, 546–549; 平井ほか 1981, p. 57.
  5. ^ 高槻市史編さん委員会 1977, p. 549; 平井ほか 1981, p. 57.
  6. ^ 高槻市史編さん委員会 1977, p. 549.
  7. ^ 高槻市史編さん委員会 1977, pp. 646–647; 平井ほか 1981, p. 57.
  8. ^ a b c 天野忠幸「摂津における地域形成と細川京兆家」『増補版 戦国期三好政権の研究』清文堂出版、2015年。ISBN 978-4-7924-1039-1 
  9. ^ 平井ほか 1981, pp. 58–59.
  10. ^ a b c d e f 中西裕樹 著「芥川山城と芥川城―初出の典拠と築城年代について―」、高槻市立しろあと歴史館 編『しろあとだより』21号、高槻市立しろあと歴史館、2020年https://www.city.takatsuki.osaka.jp/site/history/4538.html 
  11. ^ 平井ほか 1981, p. 59.

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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