艶華 -Enka-
『艶華 -Enka-』(えんか)は、日本の歌手中森明菜の演歌楽曲を中心としたカバー・アルバム。このアルバムは2007年6月27日にユニバーサルシグマよりリリースされた(CD: UMCK-1227、CD+DVD: UMCK-9181、2CD: UMCK-9182/3、CT: UMTK-1001、デジタル・ダウンロード)。
『艶華 -Enka-』 | ||||
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中森明菜 の カバー・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
517 STUDIO、SOUND CITY、VICTOR STUDIO、WARNER MUSIC RECORDING STUDIO、ウエストサイド、ZAK STUDIO 2007年5月 - 2007年6月[1] | |||
ジャンル | 演歌 | |||
時間 | ||||
レーベル | ユニバーサルシグマ | |||
プロデュース | 中森明菜、千住明[1] | |||
チャート最高順位 | ||||
ゴールドディスク | ||||
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中森明菜 アルバム 年表 | ||||
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EANコード | ||||
JAN 4988005472861(初回盤A) JAN 4988005477606(初回盤B) |
背景
編集『艶華 -Enka-』は、歌姫シリーズ完結後の新たなカバー・アルバム企画で、演歌楽曲を中心としたカバー集である[4][10][11]。このアルバムは、2007年6月27日に、通常盤(CD: UMCK-1227)、初回限定盤A(CD+DVD: UMCK-9181)、初回限定盤B(2枚組CD: UMCK-9182/3)、カセットテープ盤(CT: UMTK-1001)、デジタル・ダウンロードの5種類でリリースされた[4][6][12][13][14]。カセットテープ盤でのリリースは、カバー・アルバム『歌姫』以来であった[14][15]。
計5種類のうち、初回限定盤B(DISC1: CD)のみ、テレサ・テンのカバー曲「空港」が収録され全14曲となった[13]。また、デジタル・ダウンロードでは、「悲しい酒」を除く全12曲の配信となっている[6][16]。初回限定盤B(DISC2: CD)には、初回限定盤B(DISC1: CD)の収録曲全曲のインストCDが収録された[13]。初回限定盤Aの特典DVDには、『艶華』秘蔵レコーディング映像に、歌姫シリーズに続いて本作のアレンジとプロデュースを手掛けた千住明と中森による『艶華』対談に加え、初DVD化となる「花よ踊れ」、「チャイナタウン」、「いい日旅立ち」、「あの夏の日」のミュージック・ビデオも収録された[1][4][17]。中森は千住とともにこのアルバムのプロデュースにも加わっている[1]。
本作の通常盤、初回限定盤A、初回限定盤B、カセットテープ盤は、歌詞カードなどを含むディスクジャケットの内容がそれぞれ異なっている[1]。ジャケットの種類としては2パターンで、初回限定盤A・Bでは和傘をのせ特殊メイクを施された中森のバストアップ写真となっており、通常盤およびカセット盤は華やかな髪飾りに同様のメイクの中森を写した内容となっている[1][18][19]。この特殊メイクや装飾と重厚な衣装で臨んだ撮影は、丸一日を掛けての作業となった[18][19]。このアルバムのディスクジャケットは「アルバムのイメージと連動したもので」という中森の希望により、「外国から見たエキゾチックな日本」というコンセプトで制作された[19]。ユニバーサル・シグマの藤倉尚マネージング・ディレクターはジャケットについて「ハリウッド映画で描かれるあやしく退廃的、それでいて魅力的な日本を再現できた」と語った[19]。また、ジャケットにあるEnkaの題字は、CougarとMiran:Miran名義で中森も担当している[1][20]。
このアルバムの収録楽曲は、インターネットによる楽曲投票を元に決定された[21][22]。レコーディングは2007年5月から2007年6月にかけて、517 STUDIO、SOUND CITY、VICTOR STUDIO、WARNER MUSIC RECORDING STUDIO、ウエストサイド、ZAK STUDIOで行われた[1]。
本作とともにオムニバス・アルバム『中森明菜選曲 演歌集 -艶華-』も同時発売された[4][23]。このアルバムは、『艶華 -Enka-』に合わせて企画されたコンピレーション・アルバムで、本作でカバーした楽曲のオリジナルを収めている[23][24]。
投票結果
編集このアルバムの発売記念企画として、2007年4月12日から2007年5月15日の間、収録楽曲のリクエストが実施された[21][22]。投票者数は2万を超え(合計23314名、内訳: 男性11848名、女性11466名)、当初上位10曲の発表予定を、反響の大きさから上位20曲まで発表した[22]。投票結果発表時には、上位3曲の「天城越え」、「夜桜お七」、「越冬つばめ」のレコーディングの決定が収録楽曲の発表に先駆けて伝えられた[22][25]。この投票結果を元に、レコーディングする楽曲が選曲された[22]。楽曲応募特典として、抽選で中森直筆サイン入りグッズがプレゼントされた[22]。
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注釈:
プロモーション
編集リリース前日の2007年6月26日に、このアルバムの商業的な成功を目的に、東京都元赤坂にある豊川稲荷東京別院にてヒット祈願が行われた[27]。中森は芸能の神を奉るこの寺院の本殿にて祈祷を受けた後、奉納している[27]。
この同日の午後9時00分〜午後9時30分には、このアルバムの発売を記念してYahoo!ライブトークに出演した[4][28]。
本作の15秒スポット動画も制作され、この動画は『艶華 -Enka-』TV-SPOTとして2009年7月リリースの映像作品『CLIP2002〜2007&MORE』に収録された[4][29]。なお、この映像作品には、本作で収められた、このアルバムのレコーディング風景と千住と中森による対談の映像が再び収録されている[4][29]。
また、購入特典のキャンペーンも行われ、オリジナルはっぴ(サイズフリー)と手ぬぐいがそれぞれ5名と200名に抽選でプレゼントされるというものであった[1]。このキャンペーンの対象商品には、本作に加えて本作と同時発売された『中森明菜選曲 演歌集 -艶華-』も含まれた[1][23]。
批評
編集『山野楽器』は本作について「世代を超え歌い継がれてきた数々の名曲を中森明菜による新解釈と世界観で再構築しつつも、原曲のイメージはそのままに老若男女が楽しめる内容に。」と批評[30]。『DROPS』の岩本都芳は「中森明菜が稀代のヴォーカリストである、というは周知の事実だが、その周知を遥かに上回る傑作です!」と批評した[31]。
評価
編集『艶華 -Enka-』は、オリコン週間アルバムチャートの2007年7月9日付で初登場し、最高順位10位を記録した[7][32]。同チャートには、計12週に渡ってランクインしている[7]。その後日本レコード協会の2007年6月度でゴールドに認定された[8]。また、2007年に行われた第49回日本レコード大賞では、企画賞を受賞した[9]。
収録曲
編集# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
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1. | 「艶華I (Instrumental)」 | 千住明 | 千住明 | ||
2. | 「天城越え」(石川さゆりのカバー曲) | 吉岡治 | 弦哲也 | 千住明 | |
3. | 「無言坂」(香西かおりのカバー曲) | 市川睦月 | 玉置浩二 | 鳥山雄司 | |
4. | 「氷雨」(佳山明生のカバー曲) | とまりれん | とまりれん | 千住明 | |
5. | 「みちづれ」(牧村三枝子のカバー曲) | 水木かおる | 遠藤実 | 千住明 | |
6. | 「越冬つばめ」(森昌子のカバー曲) | 石原新一 | 篠原義彦 | 中川幸太郎 | |
7. | 「艶華II (Instrumental)」 | 千住明 | 千住明 | ||
8. | 「悲しい酒」(美空ひばりのカバー曲) | 石本美由起 | 古賀政男 | 鳥山雄司 | |
9. | 「舟唄」(八代亜紀のカバー曲) | 阿久悠 | 浜圭介 | 千住明 | |
10. | 「石狩挽歌」(北原ミレイのカバー曲) | なかにし礼 | 浜圭介 | 千住明・鳥山雄司 | |
11. | 「矢切の渡し」(ちあきなおみのカバー曲) | 石本美由起 | 船村徹 | 千住明 | |
12. | 「夜桜お七」(坂本冬美のカバー曲) | 林あまり | 三木たかし | 栗山和樹 | |
13. | 「艶華III (Instrumental)」 | 千住明 | 千住明 | ||
合計時間: |
クレジット
編集『艶華 -Enka-』(初回限定盤B)のライナー・ノーツより[1][33]
- ミュージシャン
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- スタッフ
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リリース履歴
編集発売日 | レーベル | 規格 | 品番 | 備考 |
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2007年6月27日 | ユニバーサルシグマ | CT | UMTK-1001 | |
CD | UMCK-1227 | 通常盤 | ||
CD+DVD | UMCK-9181 | 初回盤A | ||
2-CD | UMCK-9182/3 | 初回盤B | ||
2017年5月3日 | UHQCD | UPCH-7278 | 限定盤 | |
2023年6月28日 | CD | UPCY-7873 | スペシャルプライス再発盤 | |
2024年1月24日 | ユニバーサルミュージック | LP | UPJY-9378 | 初アナログLP化、限定盤 |
参照
編集- ^ a b c d e f g h i j k 『艶華 -Enka-』(12cmCD, 12cmCD+DVD, 2×12cmCD, CT)中森明菜、ユニバーサルシグマ、2007年6月27日。UMCK-1227, UMCK-9181, UMCK-9182/3, UMTK-1001。
- ^ “楽天ブックス: 艶華 - 中森明菜 : CD”. 楽天. 2011年5月29日閲覧。
- ^ “楽天ブックス: 艶華-Enka- - 中森明菜 : CD”. 楽天. 2011年5月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “中森明菜 UNIVERSAL MUSIC OFFICIAL WEBSITE”. 艶華 -Enka-. ユニバーサルミュージック. 2007年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月28日閲覧。
- ^ a b “楽天ブックス: 艶華-Enka- - 中森明菜 : CD”. 楽天. 2011年5月29日閲覧。
- ^ a b c “iTunes - ミュージック - 中森明菜「艶華 -Enka-」”. Apple. 2012年9月2日閲覧。
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- ^ “艶華-Enka- : 中森明菜 - セブンネットのネット通販”. セブン&アイ・ホールディングス. 2012年9月2日閲覧。
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- ^ a b “中森明菜 - 艶華 -Enka- - UNIVERSAL MUSIC JAPAN”. ユニバーサルミュージック合同会社. 2012年9月2日閲覧。
- ^ “歌姫(UTA-HIME) /中森明菜 - UNIVERSAL MUSIC JAPAN”. ユニバーサルミュージック合同会社. 2012年9月2日閲覧。
- ^ “mora[モーラ] : 中森明菜「艶華 -Enka-(Digital ver.)」を試聴・ダウンロード”. レーベルゲート. 2012年9月2日閲覧。
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- ^ Miran:Miran名義:
- “JBOOK:DIVA Single Version:中森明菜:CD”. 文教堂. 2012年9月2日閲覧。
- “ブログ情報 - エガワヒロシのブログ”. エガワヒロシ. 2012年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月2日閲覧。
- ^ a b “中森明菜カバーアルバムで演歌歌う ニュース-ORICON STYLE-”. オリコン (2007年4月12日). 2008年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g “中森明菜 meets 演歌-中森明菜に歌って欲しい演歌楽曲を大募集!-”. ユニバーサルミュージック (2007年). 2008年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月2日閲覧。
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- ^ “倖田來未 : 中森明菜、倖田來未、マルーン5が生トーク | RBB TODAY (エンタメ、その他のニュース)”. イード (2007年6月22日). 2012年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月2日閲覧。
- ^ a b “中森明菜/CLIP2002〜2007&MORE [DVD] - CDJournal.com”. 音楽出版社. 2012年7月31日閲覧。
- ^ 中沢邦宏 (2007年7月). “山野楽器:おすすめ特集 朝日新聞e音二乗掲載商品のご案内”. 山野楽器. 2007年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月29日閲覧。
- ^ 岩本都芳『DROPS』第3号、新星堂、2007年7月、76頁。
- ^ “CDアルバム 週間ランキング-ORICON STYLE ランキング”. 2007年06月25日〜2007年07月01日のCDアルバム週間ランキング(2007年07月09日付). オリコン. 2012年4月15日閲覧。
- ^ 『艶華 -Enka-』(2×12cmCD)中森明菜、ユニバーサルシグマ、2007年6月27日。UMCK-9182/3。