航空科学博物館
千葉県芝山町にある航空科学博物館
航空科学博物館(こうくうかがくはくぶつかん)は、千葉県山武郡芝山町岩山にある、日本最初の航空専門の博物館である。運営は公益財団法人航空科学博物館。成田国際空港の近隣にある。博物館を含む芝山町の成田空港A滑走路南側一体は「スカイパークしばやま」となっている[4]。
航空科学博物館 | |
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施設外観 | |
施設情報 | |
正式名称 | 航空科学博物館 |
専門分野 | 航空 |
事業主体 | 公益財団法人航空科学博物館 |
延床面積 | 3,750㎡ |
開館 | 1989年(平成元年)8月1日[1][2][3] |
所在地 |
〒289-1608 千葉県山武郡芝山町岩山111番地3 |
位置 | 北緯35度44分24秒 東経140度23分52秒 / 北緯35.74000度 東経140.39778度座標: 北緯35度44分24秒 東経140度23分52秒 / 北緯35.74000度 東経140.39778度 |
外部リンク | 航空科学博物館 |
プロジェクト:GLAM |
団体種類 | 公益財団法人 |
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設立 | 2012年4月1日 |
所在地 | 千葉県山武郡芝山町岩山111番地3 |
法人番号 | 9040005016789 |
起源 | 財団法人航空科学振興財団(1984年5月-2012年3月31日) |
主要人物 | 永井隆男(代表理事理事長) |
主眼 | 航空科学の振興と航空思想の普及に資し、あわせて我が国の航空発展に寄与すること |
収入 | 859,024,339円(2018年3月期・事業活動収入) |
支出 | 760,354,117円(2018年3月期・事業活動支出) |
基本財産 | 20,000,000円 |
ウェブサイト | http://www.aeromuseum.or.jp/ |
展示内容
編集屋内展示場
編集- 1階と2階は航空機などの各種展示となっている。ボーイング747の実物パーツ(主翼の一部、エンジン、客室輪切り、貨物コンテナ)、実物大客室モックアップ、成田国際空港の模型などが展示されている。
- 展示スペース中央にはボーイング747-400試作機(機体記号 N401PW[注釈 1])の模型があり、それをシミュレーターで実際に操縦する事が出来る(当日予約制、有料)。
- DC-8のフライトシミュレータが設置されており、日替わりの飛行経路で遊覧飛行が行われる(操縦は出来ない、客室部分はYS-11。当日予約制、有料)。
- 西棟(写真左側の建物)の屋上に出て、成田国際空港のA滑走路を眺めることが出来る。
- 4階と5階は管制塔のような部分に入っている。
- 4階は展望レストラン「バルーン」。成田国際空港のA滑走路の離着陸を見ながら食事を行うことが出来る。
- 5階は展望室となっていて、係員の飛行機の解説を聞きながら離着陸する飛行機を見ることが出来る[5]。また、実際に使われていた空港管制機材も展示されている。
体験館
編集2019年8月のリニューアルで追加された建物。
- 1階はホールになっており、工作やトークショーなどのイベントを行うことが出来る。
- 2階はシミュレーター室になっており、ボーイング737MAX(コクピット全体を再現した完全タイプ、小学4年生以上)とボーイング777(機長席計器のみの簡易タイプ、小学1年生以上)が体験出来る(当日予約制、有料)。
- 3階はバリアフリー対応の展望台となっている。
セクション41
編集- 中央棟と体験館の間に、ボーイング747-200(機体番号 N642NW)機首部分(セクション41と呼ばれる)の実物が展示されている[6]。当日予約制(有料)でガイド付きの室内見学ツアーを実施している。
屋外展示場
編集- 屋外展示場にはYS-11試作1号機[3][7] 試作機を初めとする各種航空機や[3]、実際に使われていたトーイングトラクター[注釈 2]が展示されている。また、東峰神社から遷座してきた航空神社も設けられている。
- 屋外展示品
- セスナ 195(JA3009) - 元朝日新聞社「朝風」
- MU-2(JA8628) - 元三菱重工業社有機
- FA-300(JA5258) - 試作一号機
- YS-11(JA8611) - 試作一号機
- シコルスキー S-62A(JA9156) - 元海上保安庁機
- アエロスパシアル SA330(JA9512) - 元東京消防庁「ゆりかもめ」・三菱重工ライセンス生産機
- カモフ Ka-26(JA7990)
- セスナ411(en)(JA5151) - 元中日新聞社「おおたか」
- ビーチ 33 ボナンザ(JA3440) - 元航空大学校訓練機
- セスナ421(en)(JA5238) - 元毎日新聞社「金星II」
- ビーチ ターボバロン(JA5159) - 元毎日新聞社「明星」
- リアジェット25B(en)(N25MB) - 成田空港美整社より2008年12月に寄贈[8]
- エアロコマンダー680(JA5073) - 元アジア航測社有機
- ロビンソン R22(JA7758) - 元本田航空社有機
- セスナ175(en)(JA3944)
- トーイングトラクター(元全日空小型車1台・元ユナイテッド航空大型車1台)
設立の目的
編集特に青少年に対し航空に関する科学知識についてその啓発を図り、もって航空思想の普及及び航空科学技術の振興に寄与し、あわせて日本の航空の発展に資する[9]
沿革
編集- 1977年(昭和52年) - 地元自治体の芝山町より、新東京国際空港の開港に関連し、離農した農家の雇用対策を兼ねた博物館建設の要望が、運輸大臣に提出される[9]
- 1978年~1982年度 - 各国の航空博物館調査や設置場所・設計の検討が行われる[10]
- 1984年(昭和59年) - 博物館の建設・運営の事業主体となる財団法人航空科学振興財団が設立[10]
- 1988年(昭和63年) - 博物館工事に着工[10][11]
- 1989年(平成元年)8月1日 - 開館[1][3][10]
- 1994年(平成6年) - 入館者100万人を達成[3]
- 1999年(平成11年) - 新東京国際空港第1ターミナルビル内にミュージアムショップ「バイプレーン」を開店[3]
- 2001年(平成13年) - 航空神社が東峰神社より博物館敷地に遷座
- 2003年(平成15年)4月19日 - 映像や制御装置などを改善し、新装開館[12]
- 2004年(平成16年)1月18日 - 入館者300万人を達成[10]
- 2011年(平成23年)6月23日 - 成田国際空港株式会社が、当施設敷地南側(駐車場)内に、成田空港闘争の史実や反対派の実物ヘルメットなどを展示した資料館「成田空港 空と大地の歴史館」を建設し開館(入館料は無料)
- 2011年(平成23年)8月4日 - ボーイング747-200・セクション41の展示を開始[6]
- 2012年(平成24年)4月1日 - 公益財団法人航空科学博物館に移行[10]
- 2015年(平成27年)6月20日 - 博物館敷地内に「航空科学博物館バスターミナル」を開設[10]
- 2018年(平成30年)12月 - リニューアルのため休館。2019年1月から7月までは、リニューアル工事をしながら開館する[13]
- 2019年(令和元年)8月1日 - リニューアル完了
利用案内
編集ミュージアム・ショップ
編集- ミュージアム・ショップが1階ロビー脇(無料エリア)にある。
- 開館時間、休館日は博物館と同様
- 成田国際空港第1旅客ターミナルビル内に航空科学博物館直営の店舗「バイプレーン」がある。
ギャラリー
編集-
西棟(ボーイング747模型)
-
東棟(成田空港模型)
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中央棟展望台から西棟屋上展望台(右下)および屋外展示場を望む
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成田国際空港内ミュージアムショップ「バイプレーン」
-
「セクション41」
-
敷地内に展示される空港監視レーダー
-
YS11
交通アクセス
編集自動車
編集- 国道296号、千葉県道62号成田松尾線 愛称「芝山はにわ道」から約500メートル入った所にある。
鉄道
編集一般路線バス
編集(※利用するバスによってバス停が違うので要注意)
- 「航空科学博物館」バス停(敷地内)
成田空港交通 【平日のみ、南部博物館線・さくらの山線、循環運転】
- さくらの山(一部のバスが始発) - 成田空港第2旅客ターミナル - 臨空ビル前・芝山千代田駅入口 - 南部貨物地区 - 航空科学博物館 - サテライト成田 - 航空科学博物館 - 臨空ビル前・芝山千代田駅入口 - 成田空港第2旅客ターミナル
- 成田空港第2旅客ターミナル - 臨空ビル前・芝山千代田駅入口 - 南部貨物地区 - 航空科学博物館 - 空の駅 風和里しばやま - ひこうきの丘 - 三里塚 - 航空科学博物館 - 臨空ビル前・芝山千代田駅入口 - 成田空港第2旅客ターミナル
【土休日のみ、そらまる線】
- 成田空港第2旅客ターミナル - 臨空ビル前・芝山千代田駅入口 - 南部貨物地区 - 航空科学博物館 - サテライト成田
- (一方方向のみ)さくらの山→成田空港第2旅客ターミナル→空の駅 風和里しばやま→ひこうきの丘→航空科学博物館→臨空ビル前・芝山千代田駅入口→成田空港第2旅客ターミナル
- JR成田駅 - 成田山前 - さくらの山(一部のバスが経由) - 三里塚 - 航空科学博物館 - 多古台バスターミナル - 八日市場駅
- 「航空博物館入口」バス停(芝山はにわ道沿い)徒歩10分
- 成田空港第2旅客ターミナル - 芝山千代田駅 - 南部貨物地区 - 航空博物館入口 - 芝山文化センター - 横芝屋形海岸
高速バス
編集- 「航空科学博物館」バス停(敷地内)
東京 - 富里・多古線(JRバス関東・千葉交通)東京駅から高速バスで約1時間30分から1時間40分
- 東京駅(下りは八重洲南口発、上りは日本橋口着) - 航空科学博物館 - 多古台バスターミナル
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “日本初の航空科学博物館がオープン 芝山町”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 朝刊 14. (1989年8月2日)
- ^ “話の港”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 夕刊 15. (1989年8月1日)
- ^ a b c d e f “戦後初の国産旅客機や軽飛行機の実物を展示 航空科学博物館が完成”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 22. (1989年8月3日)
- ^ “スカイパークしばやまフェス2017に遊びにきませんか?”. 2017年8月27日閲覧。
- ^ “円塔から成田空港一望 航空科学博物館 8月1日に開館”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 28. (1989年5月21日)
- ^ a b “航空科学博物館でB747-200型の一般公開がはじまる”. Fly Team (2011年8月5日). 2018年1月2日閲覧。
- ^ “YS11型1号機の実物展示 航空科学博物館 芝山町に8月開館”. 毎日新聞 (毎日新聞社): p. 朝刊 24. (1989年5月24日)
- ^ 空港最新情報 航空科学博物館の屋外展示にジェット機が追加されました - 成田国際空港振興協会
- ^ a b “航空科学博物館の概要”. 航空科学博物館. 2017年1月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g “航空科学博物館の歴史”. 航空科学博物館. 2018年1月2日閲覧。
- ^ “航空博、来月着工へ 機動隊宿舎移転条件整う 64年、オープン予定 芝山”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 朝刊 12. (1988年1月30日)
- ^ “DC-8シミュレーター映像、制御装置など改良 芝山航空博物館 きょうリニューアル”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 朝刊 14. (2003年4月19日)
- ^ “航空科学博物館 平成30年度行事計画” (PDF). 航空科学博物館. 2018年9月24日閲覧。
- ^ “無料レンタルサイクルの利用について”. 芝山鉄道. 2017年12月23日閲覧。
関連項目
編集- 木村秀政 - 財団法人航空科学振興財団 初代理事長
- NANA MIZUKI LIVE FLIGHT×FLIGHT+ - 屋外展示場のリアジェット25Bがジャケット写真に用いられた。
外部リンク
編集- 公益財団法人航空科学博物館 公式ウェブサイト
- 成田空港 空と大地の歴史館 公式ウェブサイト
- 成田国際空港公認・ナリタニスト 公式ウェブサイト
- 航空科学博物館 - artscape
- 航空科学博物館 - インターネットミュージアム