舟橋村
舟橋村(ふなはしむら)は、富山県中新川郡の村。富山平野のほぼ中央の常願寺川右岸に位置している[1]。富山県ならびに北陸3県で唯一の村であり、また日本で最も面積が小さい基礎自治体である[1][2]。
ふなはしむら ![]() 舟橋村 | |||||
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国 |
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地方 | 中部地方(北陸地方) | ||||
都道府県 | 富山県 | ||||
郡 | 中新川郡 | ||||
市町村コード | 16321-0 | ||||
法人番号 | 5000020163210 | ||||
面積 |
3.47km2 | ||||
総人口 |
3,229人 [編集] (推計人口、2025年1月1日) | ||||
人口密度 | 931人/km2 | ||||
隣接自治体 | 富山市、中新川郡上市町、立山町 | ||||
村の木 | 松 | ||||
村の花 | サツキ | ||||
舟橋村役場 | |||||
村長 | 渡辺光 | ||||
所在地 |
〒930-0295 富山県中新川郡舟橋村仏生寺55番地 北緯36度42分13秒 東経137度18分26秒 / 北緯36.70353度 東経137.30736度座標: 北緯36度42分13秒 東経137度18分26秒 / 北緯36.70353度 東経137.30736度 ![]() | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
解説
編集富山市から車で20分ほどという立地故にベッドタウン化が進んでいる影響で、人口増加率が県内で一番高い。2000年から2005年までは日本一でもあった。さらに、2005年時点の幼少人口割合は22.7%で、全国の市町村で最も高く、平均年齢も2013年時点で40.6歳と県内の市町村で最も若い[3][4]。独立志向が強く、周辺自治体からの合併話が多い中、また全国的に平成の大合併が行われた中でも、常願寺川東部地域全域での産業の系統的育成の観点や村内の教育機関の維持という観点[4]から自立を保っており、明治の町村制施行以来、一度も合併を行っていない。
面積は、2,177.61 km2で日本一広い岐阜県高山市の約1/627しかない。もともと面積において富山県最小の市町村であり、岐阜県墨俣町が大垣市との合併で消滅した2006年3月27日以降は日本最小の基礎自治体となった。地方自治体に関する日本一の一覧#面積も参照。
また、2005年11月1日に射水郡下村が合併で消滅したことで当村が富山県唯一の村となり、さらに2006年3月3日に福井県遠敷郡名田庄村が合併で消滅したことに伴い北陸3県唯一の村となった。
日本で最も遅くまで郵便局がなかった自治体でもある[5]。舟橋簡易郵便局が1994年5月9日に設置[6]され、1999年10月1日廃局、同日越中舟橋駅向かいに舟橋郵便局が開局している[7]。
村長選挙に複数人が立候補したのは1980年を最後に2022年まで例がなく、42年間も無投票当選が続いた[8]。
村名の由来には複数の説があり[1]、室町時代に仏生寺城主の細川曾(宗)十郎が城の堀に舟を連ねて橋を架けたことによるとする説[1][9]と、白岩川にかけられた舟橋に由来するとする説[1]がある。
沿革
編集- 1889年4月1日 - 町村制の施行により、上新川郡下国重村、上国重村、稲荷村、竹内村、舟橋村、仏生寺村、新吉島村、海老江村、竹鼻村、古海老江村、蘆高村、東蘆原村、白髭村、立野村及び清水堂村の区域の一部の区域をもって、上新川郡舟橋村が発足。
- 1896年4月1日 - 郡制の施行により、上新川郡の区域から分立して中新川郡が発足、同郡の所属になる。
- 1969年5月20日 - 村全域が富山都市計画区域に編入。
- 1970年8月5日 - 富山・高岡都市計画区域が決定。舟橋村もこの区域に含まれる。
- 1971年1月30日 - 村全域が市街化調整区域に指定。
- 1973年6月22日 - 村章を制定。
- 1988年9月27日 - 村全域が富山・高岡都市計画区域から除外され立山・舟橋都市計画区域に入る。同時に市街化調整区域から外れる。
- 2007年11月1日 - 「舟橋村民憲章」を制定[10]。
- 2015年1月18日 - 舟橋村初の農事組合法人「東和」設立。
- 2015年4月15日 - 子育て支援センター「ぶらんこ」開設。
- 2016年3月10日 - 常願寺クラブハウス設立。
- 2022年10月26日 - 舟橋村議会が、役場内のパワーハラスメントに対する対応を理由に2回目の村長不信任決議案を可決し、村長が失職。
人口
編集- 2024年12月時点
- 舟橋村の人口
- 3,312人
- 男性
- 1,644人
- 女性
- 1,668人
- 世帯数
- 1,219世帯
舟橋村と全国の年齢別人口分布(2005年) | 舟橋村の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 舟橋村
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
舟橋村(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
地理
編集舟橋村の地形は全域が平野・平地である。南北に細長く位置する平地の約半分は水田であり残りは宅地・公有地・雑種地などである。
- 河川:白岩川、細川、八幡川、京坪川
広袤
編集
国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、当村の面積は3.47 km2であり、日本で一番面積が小さい市町村である[11]。 当村の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは2.48 km、南北の長さは3.08 kmである[12][13]。また、2010年国勢調査結果に基く人口重心[14]は舟橋中学校付近にある。 |
隣接している自治体
編集行政
編集行政機構
編集- 村長:渡辺光
- 総務課
- 生活環境課
- 出納室
- 教育委員会
議会
編集定数:7[15]
消防
編集当村は近隣の魚津市・滑川市・上市町の2市1町1村により組織される富山県東部消防組合の構成自治体で、村内には同消防組合の上市消防署舟橋分遣所が置かれている。当村は2013年春まで常備消防業務を担う部局を持っておらず、消防団による非常備消防が行われ、上市町や立山町・富山市など近隣市町の消防業務の応援を仰ぐケースがあった。また救急業務も立山町に年間700万円を拠出して委託していた。だが同消防組合が同年3月31日に事務を開始して常備消防体制が整備され、さらに舟橋分遣所が2014年10月1日に開所してポンプ車・救急車各1台が配備されたことにより体制が強化された。
舟橋村消防団には分団が存在しないため、分団長・副分団長の階級は存在しない。また消防団員のうち団員5名は機能別消防団員として2007年10月1日付で役場職員から任命されており、勤務時間内のみ消火活動に従事する[16]。
経済
編集産業
編集本社を置く企業
編集商業
編集村内にスーパーマーケットは存在しないが、ドラッグストアとコンビニエンスストアが出店している。なお、南端に近い立山町利田地区にはスーパーセンターシマヤ立山店が、東端に近い上市町正印地区にガイナシティが所在する。
かつて舟橋村商工会が存在したが、2009年4月1日に立山町商工会と合併し「立山舟橋商工会」となった。
サービス業
編集地域
編集町域
編集- 稲荷、海老江、上国重、国重、竹内、竹鼻、東芦原、舟橋、古海老江、仏生寺の10つの町域からなる。
教育
編集福祉
編集- 社会福祉法人富山YMCA福祉会ふなはし保育園(2016年4月1日より民営化)
- 舟橋村学童保育室
- 特別養護老人ホームふなはし荘
- 舟橋村デイサービスセンター
都市公園
編集- 京坪川河川公園(愛称:オレンジパークふなはし)
- 愛称は事前に応募のあった作品から5作品を選考し、2007年8月4日に開催された「ふなはしまつり」で一般参加者の投票によって決定した[20]。
- 舟橋村児童公園
マスメディア
編集交通
編集鉄道路線
編集なお、村内にバス路線はない。
道路
編集- 国道
- なし
- 都道府県道
村内に高速道路は通っていない。最寄りの高速道路インターチェンジは北陸自動車道立山インターチェンジ。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
編集名所
編集- 京坪川の桜並木
旧跡
編集- 竹内天神堂古墳
祭事
編集- ふなはしまつり(8月第1土曜日)
主な出身者
編集脚注
編集- ^ a b c d e “第5次舟橋村総合計画”. 舟橋村. 2024年10月23日閲覧。
- ^ 富山県舟橋村は全国一面積が小さな村 国土地理院報道発表資料、2007年2月1日 - ウェイバックマシン(2009年2月28日アーカイブ分)
- ^ 『わたしのまちが「日本一」事典 市町村でくらべて新発見』PHP研究所、58頁
- ^ a b 『富山のトリセツ』(2021年7月15日、昭文社発行)44頁「データで分かる全15市町村 Vol.1 多くの自治体で減少 北陸唯一の村は健闘 人口の増減」
- ^ 『舟橋村史』舟橋村、2016年5月、364頁。
- ^ 『舟橋村史』舟橋村、2016年5月、546頁。
- ^ 『舟橋村史』舟橋村、2016年5月、547頁。
- ^ “パワハラ騒動の日本一小さな村、42年ぶり村長選 分断か融和か”. 毎日新聞. (2022年11月18日) 2022年11月18日閲覧。
- ^ 森田平次『越中志徴』富山新聞社
- ^ 舟橋村民憲章 (PDF)
- ^ 国土地理院. “全国都道府県市区町村別面積調”. 2014年6月16日閲覧。
- ^ “日本の東西南北端点の経度緯度”. 国土地理院. 2014年6月6日閲覧。
- ^ “富山県 市区町村の役所・役場及び東西南北端点の経度緯度(世界測地系)”. 国土地理院. 2014年6月16日閲覧。
- ^ “我が国の人口重心 -平成22年国勢調査結果から-”. 総務省統計局. 2014年6月16日閲覧。
- ^ “○舟橋村議会議員の定数に関する条例”. 舟橋村. 2019年5月8日閲覧。
- ^ 舟橋村役場『広報ふなはし』2007年11月号、10ページ
- ^ 「全国20の自治体に「軽消防自動車」を寄贈」日本損害保険協会ニュースリリース、2005年11月15日。[リンク切れ]
- ^ 舟橋村役場『広報ふなはし』2006年3月号、9ページ
- ^ 舟橋村にドラッグストア 「スーパー」ない住民に朗報 今夏開業『富山新聞』2022年2月16日
- ^ 舟橋村役場『広報ふなはし』2007年9月号、5ページ
- ^ 『舟橋村史』舟橋村、2016年5月、364頁。
- ^ 舟橋村役場『広報ふなはし』2009年4月号、16ページ