素桜神社
素桜神社(すざくらじんじゃ)は、長野県長野市泉平にある神社。境内の一本桜は「素桜神社の神代ザクラ」として国の天然記念物に指定されている。
素桜神社 | |
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所在地 | 長野県長野市大字泉平字素桜513[1] |
位置 | 北緯36度40分49.31秒 東経138度09分43.26秒 / 北緯36.6803639度 東経138.1620167度座標: 北緯36度40分49.31秒 東経138度09分43.26秒 / 北緯36.6803639度 東経138.1620167度 |
概要
編集長野市芋井地区泉平集落の中ほど、西方に位置する[3]。裾花渓谷の上部、西南方向を向いた斜面の小さな台地にある[4]。山中にありながらも、北側の山を背にしており、風当たりは少ない[3]。
神社の名称については、古代神々が各国に賜り育てるよう命じた桜のうち、この芋井の桜だけが生き残ったので「神様から戴いた一番はじめの桜」であるから「素桜」(もとはな)と呼ぶという言い伝えや[5]、桜の精が「この桜は日本の桜の一番素(もと)になる桜だから『素桜』と呼ぶ」と語ったという言い伝え[6]がある。
素桜神社の神代ザクラ
編集境内にあるエドヒガン(アズマヒガン)の巨樹[3]。根回り約9メートル、目通り周囲11.3メートルで、推定樹齢は約1200年[3]。下方より3本の枝幹が分かれており、1936年(昭和11年)発行の『天然紀念物調査報告』によると基部の周囲長は中央のものが5.9メートル、西南のものが約3.9メートル、東南のものが約3.32メートルである[4]。また、根元からの枝張は、東に約5.35メートル、西に5.3メートル、南に6.6メートル、北に5.3メートルである[4]。
伝承ではスサノオが当地で休んだとき、手にしていた桜の木の杖を池辺に差したところ、それが大きく成長したものとされる[3]。1935年(昭和10年)12月14日付けで日本の天然記念物に指定[7]。先に天然記念物に指定されていた山高神代桜(山梨県北杜市)や淡墨桜(岐阜県本巣市)、伊佐沢の久保ザクラ(山形県長井市)とは同種にして、これらに匹敵する巨樹である[4]。
大正時代の風害で南側の幹が損傷し、残る2本の幹も支柱を必要とするほど衰弱していた[8]ため、1992年(平成4年)に樹木医を招き、若返りを図っている[9]。
交通アクセス
編集素桜神社に関連する作品
編集脚注
編集- ^ 所在地は長野県神社庁「神社紹介 長野支部」より、座標は「ジオロケーター 日本語版」にて「素桜神社」をキーワードに検索して得た(2015年4月23日閲覧)。
- ^ 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成(2010年撮影)。
- ^ a b c d e 長野市「長野市文化財データベース 頭で感じる文化財 デジタル図鑑(頭感) 素桜神社の神代ザクラ」より(2015年4月23日閲覧)。
- ^ a b c d e 『天然紀念物調査報告 植物之部 第16輯』14 - 16ページ。
- ^ 神代桜にまつわるお話 - 長野市立芋井小学校
- ^ 泉平の神代桜 - JAながの
- ^ 文化庁「国指定文化財等データベース 素桜神社の神代ザクラ」より(2015年4月23日閲覧)。
- ^ 信州の巨樹・名木.
- ^ 『長野市誌 第1巻 自然編』395ページ。
- ^ ながの観光コンベンションビューロー「ながの観光net 素桜神社の神代桜」より(2015年4月23日閲覧)。
- ^ アルピコグループ「アクセス信州 【70】ループ橋経由戸隠線・【71】バードライン経由戸隠線」より(2015年4月23日閲覧)。
- ^ Mapion「素桜神社の地図」より(2015年4月23日閲覧)。
- ^ アルピコグループ「アクセス信州 【73】県道戸隠線」より(2015年4月23日閲覧)。
- ^ 信州・長野県観光協会「さわやか信州旅.net 素桜神社の神代桜」より(2015年4月23日閲覧)。
- ^ 文化庁「文化遺産データベース 素桜神社の神代桜」より(2015年4月23日閲覧)。
参考文献
編集- 故宇野倫太郎, 只木良也「信州の巨樹・名木 : その活力評価」『信州大学理学部紀要』第25巻第2号、信州大学理学部、1991年3月、65-77頁、ISSN 0583-063X、NAID 120007114005。
- 長野市誌編さん委員会編集『長野市誌 第1巻 自然編』長野市、1997年10月16日。
- 文部省『天然紀念物調査報告 植物之部 第16輯』1936年3月30日。