糸岡富子

日本の女性スーパーセンテナリアン (1908-2024)

糸岡 富子(いとおか とみこ、1908年明治41年〉5月23日[1] - 2024年令和6年〉12月29日)は、日本スーパーセンテナリアン、生前は兵庫県芦屋市在住。2023年12月12日から死去まで長寿日本一となっており[2]2024年8月19日から死去までは、存命中の世界最高齢であった。

いとおか とみこ

糸岡 富子
生誕 矢野やの 富子とみこ
(1908-05-23) 1908年5月23日
日本の旗 日本大阪府大阪市北区
死没 2024年12月29日(2024-12-29)(116歳没)
日本の旗 日本兵庫県芦屋市
住居 日本の旗 日本兵庫県芦屋市
国籍 日本の旗 日本
著名な実績
  • 存命人物のうち日本最高齢
    (2023年12月12日 - 2024年12月29日)
  • 存命中の世界最高齢者(2024年8月19日 - 2024年12月29日)
配偶者 糸岡健司(糸岡健司商店創業者)
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来歴

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大阪府大阪市北区出身[3][4]呉服問屋を営む矢野禎助(または常三郎)の長女として生まれる[3][4]。小学校卒業後、ウヰルミナ女学校(現:大阪女学院中高等学校)に進学し、バレーボール部に所属する。1926年(大正15年)女学校を卒業後、1928年(昭和3年)に羅紗商を営む糸岡健司と結婚[3][4][5]。2人の娘と2人の息子をもうけた[5][6]

戦時中、韓国で繊維工場を経営していた夫に代わって、一人で日本の事務所を守り、子育てをした[6]。1979年に夫が亡くなった後、夫の故郷である奈良県に約10年間一人暮らしをしていた。その間、奈良県と大阪府にまたがる二上山を登るのが好きだった。また、御嶽山を2回登った。登山靴ではなく普通の靴を履いていたため、ガイドは山に登ったときに驚いていたという[6]。1990年に芦屋市に移住し[7]、80代頃に大阪33観音巡礼(33寺院巡礼)へ2回参加し、100歳の時には芦屋神社の長い石段を杖なしで登り、礼拝した。奈良県薬師寺を何度も訪れ、経を書くのが好きであったという[6]。2019年に特別養護老人ホーム「Les芦屋」に入所した[7][8]

2022年4月30日、兵庫県最高齢だった当時115歳の匿名の女性が死去し兵庫県最高齢者となり[6]、同年5月21日、114歳の誕生日の2日前にGRGによって年齢が確かなものとして認定された[1]。また、2023年2月6日に岡井ヤスエが死去し、日本人としては、最後の1908年生まれとなっている[1]

2023年12月12日、巽フサの死去により、115歳203日で日本最高齢となった[2][9]

2024年8月19日、マリア・ブラニャス・モレラの死去により、116歳88日で世界最高齢となった[10]。世界最高齢となったことに際し、糸岡の居住地である芦屋市長の高島崚輔(1997年生、この時点で27歳)は「健康寿命は兵庫県で一位。糸岡さんのように、元気で長生きされている先輩の存在は、私たちにとっても大きな励み」と祝福した[11]

しかし約4か月後の同年12月29日、老衰のため、芦屋市の特別養護老人ホームで死去した[12]。116歳没。これにより新たな世界最高齢はブラジル在住のイナ・カナバッロ・ルーカス(1908年6月8日生)に、国内最高齢は岐阜県在住の林おかぎ(1909年9月2日生、日本における1900年代生まれの最後の存命者)となった。

人物

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宗教は浄土宗[3][4]。趣味は茶道小唄[3][4]。家庭訓は真実一路[3][4]。長寿の秘訣は歩くこと[13]。好物は、カルピスバナナ[13]

家族・親戚

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糸岡家

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4人の子供と5人の孫がいる(下記は判明分)[2]

脚注

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注釈

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  1. ^ 『全国繊維企業要覧 昭和55年版 西日本篇』では「大阪市生まれ」と記載。

出典

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  1. ^ a b c Supercentenarian Data -- Table E”. grg.org. 2022年5月25日閲覧。
  2. ^ a b c 国内最高齢115歳、好物はカルピスとバナナ、趣味は寺社参りの糸岡さん”. 産経新聞. 2023年12月13日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 『日本人物情報体系』 9巻、皓星社、1999年、159頁。 
  4. ^ a b c d e f 『日本女性録』中央探偵社、1958年、101頁。 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年7月27日閲覧。
  6. ^ a b c d e Photo Gallery for Supercentenarians born in the year 1908, as of 2022. ジェロントロジー・リサーチ・グループ
  7. ^ a b 国内最高齢の女性、糸岡富子さんが116歳に 芦屋市長から花束 - ウェイバックマシン(2024年5月24日アーカイブ分)gooニュース
  8. ^ “116歳のバースデー、国内最高齢の兵庫・芦屋の糸岡さん 史上最年少で当選の市長が祝う”. 産経ニュース. https://www.sankei.com/article/20240523-OX3DJ4ULPVLYTK6ISUCEVLBS3Q/ 
  9. ^ 国内最高齢者ご逝去について」厚生労働省
  10. ^ “117歳スペイン女性死去 兵庫県の116歳・糸岡富子さんが世界最高齢に”. 産経新聞. (2024年8月21日). https://www.sankei.com/article/20240821-B6AKKFERVFOFNLAKSBFVVERN5E/ 2024年8月21日閲覧。 
  11. ^ 芦屋市にお住まいの方が世界最高齢者になられました(令和6年8月19日)”. 芦屋市 (2024年8月19日). 2024年8月21日閲覧。
  12. ^ 世界最高齢の糸岡富子さんが死去 116歳”. 日本経済新聞 (2025年1月4日). 2025年1月4日閲覧。
  13. ^ a b “「世界最高齢116歳」糸岡富子さんの好物は「カルピス」と「バナナ」 専門家が指摘する「健康長寿に繋がるもう一つの生活習慣」とは”. デイリー新潮. オリジナルの2024年8月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240827121235/https://news.yahoo.co.jp/articles/344494823ef12edc066357a5073b1e37829a2dd6 2024年8月28日閲覧。 
  14. ^ a b c d 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年8月20日閲覧。
  15. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年8月20日閲覧。
  16. ^ 糸岡熊司 (第8版) - 『人事興信録』データベース”. jahis.law.nagoya-u.ac.jp. 2024年8月20日閲覧。
  17. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年7月29日閲覧。
  18. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年7月29日閲覧。
  19. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年7月29日閲覧。
  20. ^ 会社沿革”. 甲斐機船株式会社. 2024年7月29日閲覧。
  21. ^ a b 『人事興信録 第34版 上』人事興信所、1987年、か 五十五頁。 
  22. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年7月29日閲覧。
  23. ^ 閨閥学 (2021年4月5日). “山田家(宝田石油社長・山田又七・山田又司の家系図)”. 閨閥学. 2024年7月29日閲覧。
  24. ^ a b c d 『人事興信録 第39版 上』人事興信所、1997年、か 53頁。 

参考文献

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  • 中央探偵社出版局 編『日本女性録』中央探偵社、1958年。
  • 人事興信所 編『人事興信録 第24版 上』人事興信所、1968年。

関連項目

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記録
先代
マリア・ブラニャス・モレラ
存命人物のうち世界最高齢
2024年8月19日 - 2024年12月29日
次代
イナ・カナバッロ・ルーカス
先代
巽フサ
  存命人物のうち日本最高齢
2023年12月12日 - 2024年12月29日
次代
林おかぎ