第5地対艦ミサイル連隊
陸上自衛隊の部隊
第5地対艦ミサイル連隊(だいごちたいかんミサイルれんたい、JGSDF 5th Surface-to-Ship Missile Regiment:5SSMR)は、熊本県熊本市東区の健軍駐屯地に主力が駐屯する第2特科団隷下の野戦特科部隊(地対艦ミサイル連隊)である。
第5地対艦ミサイル連隊 | |
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観閲行進に臨む第3中隊と12式地対艦誘導弾 | |
創設 | 1998年(平成10年)3月26日 |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 陸上自衛隊 |
部隊編制単位 | 連隊 |
兵科 | 野戦特科 |
人員 | 約400名 |
所在地 | 熊本県熊本市東区 |
編成地 | 健軍 |
上級単位 | 第2特科団 |
最終上級単位 | 西部方面隊 |
担当地域 | 熊本県天草地域(警備隊区) |
概要
編集12式地対艦誘導弾を運用し、脅威となる敵艦艇に対して対艦ミサイルをもって排除することを任務とする。
1998年(平成10年)3月に西部方面隊直轄部隊として編成され、2003年(平成15年)3月、廃止となった第3特科群を母体として新編された西部方面特科隊の隷下部隊となり、現在に至る。部隊は主に本土に駐屯するナンバー中隊(第1中隊~第4中隊)で編成され、第7地対艦ミサイル連隊が発足するまでは南西諸島に展開する独立地対艦ミサイル中隊(第301~第304地対艦ミサイル中隊)が隷属していた。
連隊長は1等陸佐が充てられおり、警備隊区は熊本県天草地域の1市2町。
沿革
編集- 1998年(平成10年)3月26日:西部方面隊直轄部隊として健軍駐屯地において編成完結。
- 2003年(平成15年)3月27日:第5地対艦ミサイル連隊を西部方面特科隊隷下に編合。西部方面隊の後方支援体制変換に伴い、直接支援隊を廃止し、整備部門を西部方面後方支援隊第101特科直接支援隊直接支援中隊へ移管。
- 2011年(平成23年)11月11日:平成23年度の統合実動演習(JX)において11・12の両日、奄美大島で88式地対艦誘導弾の展開・作戦準備を公開した。10日正午に民間フェリーで鹿児島港を出港し、車両約120両は同日午後11時、奄美大島の名瀬港に到着。部隊は直ちに奄美市住用町の奄美体験交流館を拠点に、近傍の内海公園に展開を開始した。12日、報道陣が見守る中、隊員が発射装置を搭載した車両2両を設置し、発射までの手順を確認した[1]。
- 2016年(平成28年)3月 :12式地対艦誘導弾が配備される[2]。
- 2019年(平成31年)3月26日:廃止した第4地対艦ミサイル連隊第4中隊を基幹に第301地対艦ミサイル中隊が新編され奄美大島の瀬戸内分屯地に駐屯[3]。
- 2020年(令和 2年)3月26日:第302地対艦ミサイル中隊を新編し宮古島駐屯地に配備[4][5]。
- 2021年(令和 3年):天草地方の災害派遣担任を西部方面特科連隊第1大隊より移管[6]。
- 2022年(令和 4年)3月17日:第303地対艦ミサイル中隊が健軍駐屯地に新編[7]。
- 2023年(令和 5年)3月16日:部隊移駐・新編
- 西部方面特科隊の第2特科団への増強改編に伴い、同団に隷属。
- 第301~第304地対艦ミサイル中隊を廃止し、同部隊の人員・装備をもって第7地対艦ミサイル連隊を新編。
部隊編成
編集特筆なければ健軍駐屯地駐屯。
- 第5地対艦ミサイル連隊本部
- 本部管理中隊「5地対艦-本」
- 第1射撃中隊「5地対艦-1」
- 第2射撃中隊「5地対艦-2」
- 第3射撃中隊「5地対艦-3」
- 第4射撃中隊「5地対艦-4」
整備支援部隊
編集新編時は、高射特科群のように野整備部隊の直接支援隊を編制内に加えていたが2003年(平成15年)3月に西部方面後方支援隊隷下の第101特科直接支援隊直接支援中隊に改編して指揮系統が別となった。
主要幹部
編集官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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第5地対艦ミサイル連隊長 | 1等陸佐 | 秋山洋三 | 2022年12月23日 | 陸上幕僚監部人事教育部 人事教育計画課制度班長 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
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1 | 宮崎金次 | 1998年 | 3月26日 - 2000年 3月26日西部方面総監部防衛部防衛課長 | 第3教育団副団長 |
2 | 迎直樹 | 2000年 | 3月27日 - 2002年 8月 1日特科教導隊長 | 陸上自衛隊幹部候補生学校勤務 |
3 | 柚木冨士夫 | 2002年 | 8月 1日 - 2005年 3月31日陸上自衛隊幹部候補生学校学校教官 | 陸上自衛隊幹部候補生学校総務部長 |
4 | 大野法晴 | 2005年 | 4月 1日 - 2007年 3月31日陸上自衛隊小平学校語学教育部長 | 西部方面特科隊副隊長 |
5 | 日髙孝一 | 2007年 | 4月 1日 - 2009年 3月31日西部方面総監部人事部厚生課長 | 西部方面特科隊副隊長 |
6 | 緒方大介 | 2009年 | 4月 1日 - 2010年12月12日九州防衛局防衛補佐官 | 西部方面特科隊副隊長 |
7 | 立石健一 | 2010年12月13日 - 2013年 | 3月31日東北方面総監部防衛部訓練課長 | 陸上自衛隊富士学校特科部教育課長 |
8 | 徳橋浩志 | 2013年 | 4月 1日 - 2016年 3月22日東北方面総監部防衛部訓練課長 | 陸上幕僚監部総括副監察官 |
9 | 宮﨑章 | 2016年 | 3月23日 - 2017年12月19日陸上幕僚監部教育訓練部 教育訓練課訓練・演習班長 |
陸上幕僚監部防衛部防衛協力課長 |
10 | 古川幹雄 | 2017年12月20日 - 2020年 | 3月15日陸上幕僚監部運用支援・訓練部 運用支援課陸上連絡官 |
福岡駐屯地業務隊長 |
11 | 村上輝高 | 2020年 | 3月16日 - 2022年12月22日陸上幕僚監部人事教育部 人事教育計画課制度班長 |
陸上幕僚監部防衛部防衛課研究室長 |
12 | 秋山洋三 | 2022年12月23日 - | 陸上幕僚監部人事教育部 人事教育計画課制度班長 |
主要装備
編集- 12式地対艦誘導弾
- 1/2tトラック / 73式小型トラック
- 1 1/2tトラック / 73式中型トラック
- 3 1/2tトラック / 73式大型トラック
- 7tトラック/74式特大型トラック
- 小型ドーザ
- 89式5.56mm小銃
- 9mm拳銃
- 12.7mm重機関銃
過去の装備
- 88式地対艦誘導弾システム
廃止部隊
編集- 第5地対艦ミサイル連隊直接支援隊「5地対艦‐直支」(健軍駐屯地):2003年(平成15年)3月26日廃止。西部方面後方支援隊第101特科直接支援隊直接支援中隊に改編。
- 第301地対艦ミサイル中隊「301地対艦」(瀬戸内分屯地):2024年(令和6年)3月20日廃止。第7地対艦ミサイル連隊第1地対艦ミサイル中隊に改組。
- 第302地対艦ミサイル中隊「302地対艦」(宮古島駐屯地)[5]:2024年(令和6年)3月20日廃止。第7地対艦ミサイル連隊第2地対艦ミサイル中隊に改組。
- 第303地対艦ミサイル中隊「303地対艦」(石垣駐屯地)[7]:2024年(令和6年)3月20日廃止。第7地対艦ミサイル連隊第3地対艦ミサイル中隊に改組。
- 第304地対艦ミサイル中隊「304地対艦」(健軍駐屯地):2024年(令和6年)3月20日廃止。勝連分屯地に移駐し、第7地対艦ミサイル連隊第4地対艦ミサイル中隊に改組。
警備隊区
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 統合実動演習始まる 九州・沖縄方面 島嶼防衛へ対艦ミサイルなど展開 『朝雲』2011年11月17日付
- ^ 陸自、新型地対艦ミサイルを熊本に集中配備 南西防衛を強化 産経ニュース 2014年6月15日
- ^ “湯布院駐屯地twitterアカウント(@yufuinpr)掲載”. 陸上自衛隊湯布院駐屯地. 2019年3月26日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊 湯布院駐屯地@公式 [@yufuinpr] (2020年1月1日). "【湯布院駐屯地広報誌(68号)】". X(旧Twitter)より2020年1月4日閲覧。
- ^ a b 陸上自衛隊湯布院駐屯地@公式 [@yufuinpr] (2020年4月2日). "宮古島駐屯地に新しい仲間が加わったグワ!". X(旧Twitter)より2020年4月3日閲覧。
- ^ “令和3年度版 熊本県地域防災計画(資料編) ”. 熊本県. 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b 陸上自衛隊 健軍駐屯地 [@kengungsvc_wa] (2022年3月18日). "【第5地対艦ミサイル連隊 隊旗授与式】". X(旧Twitter)より2022年3月18日閲覧。
- ^ “石垣駐屯地(仮称)の開設について”. 防衛省・陸上自衛隊. 2023年2月17日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊 健軍駐屯地 [@kengungsvc_wa] (2023年3月17日). "【第5地対艦ミサイル連隊 隊旗授与式】". X(旧Twitter)より2023年3月17日閲覧。
- ^ 「南西諸島の地対艦ミサイル防衛網を強化、火力3倍に…陸上自衛隊が大分県・沖縄県に連隊新設」『読売新聞(西部本社版)』2024年1月29日。2024年1月29日閲覧。
- ^ @yufuinpr (2024年3月22日). "第2特科団改編前編". X(旧Twitter)より2024年3月21日閲覧。 @yufuinpr (2024年3月22日). "第2特科団改編後編". X(旧Twitter)より2024年3月21日閲覧。
“防衛省人事発令”. 2013年4月1日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 陸上自衛隊湯布院駐屯地 (@yufuinpr) - Twitter:西部方面特科隊全般
- 陸上自衛隊 健軍駐屯地(@kengungsvc_wa) - Twitter:第5地対艦ミサイル連隊
- 陸上自衛隊 奄美・瀬戸内(@amamiasf2019) - Twitter:第301地対艦ミサイル中隊
- 陸上自衛隊 宮古島駐屯地 (@camp_miyakojima) - Twitter:第302地対艦ミサイル中隊