第10回スーパーボウル

1976年1月に開催のNFLスーパーボウル

第10回スーパーボウル(だい10かいスーパーボウル、Super Bowl X )は1976年1月18日フロリダ州マイアミマイアミ・オレンジボウルで行われた10回目のスーパーボウルNFCチャンピオンであるダラス・カウボーイズAFCチャンピオンであるピッツバーグ・スティーラーズが対戦した。スタジアムをアメリカ建国200年祭の垂れ幕が埋め、選手のユニフォームにも200年祭のマークが着けられた。スティーラーズがカウボーイズを21-17で破って、2年連続2度目のスーパーボウル制覇を果たした[1]MVPはスティーラーズのワイドレシーバーであるリン・スワンが受賞した。

第10回スーパーボウル
Super Bowl X
1 2 3 4

DAL 7 3 0 7

17
PIT 7 0 0 14

21
開催日 1976年1月18日
スタジアム マイアミ・オレンジボウル
開催地 フロリダ州マイアミ
MVP リン・スワン, スティーラーズ
優勝予想 Steelers by 7
国歌斉唱 トム・サリバン
コイントス ジョン・ワーナー・シニア
ハーフタイム アップウィズピープル
入場者数 80,187
アメリカにおけるテレビ放送
ネットワーク CBS
実況と解説 パット・サマロールトム・ブルックシャー
視聴率 42.3 (全米)
占有率 78 (全米)
CM広告料
(30秒)
11万ドル
 < 第9回 スーパーボウル 第11回 > 

テレビ中継はCBSが担当した。全米では、アポロ11号の宇宙飛行士が月面に第一歩を踏み出した際を上回る、8,500万人が観戦した[1]

背景

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1973年4月3日、アリゾナ州スコッツデールで開かれたオーナー会議で、第10回スーパーボウルをマイアミ・オレンジボウルで開催することが決定した。

ピッツバーグ・スティーラーズ

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スティールカーテン」と呼ばれる強力な守備とパワフルなランゲームでゲームを支配し、レギュラーシーズンをNFLトップの12勝2敗で終え、プレイオフの第1シードを獲得した。この年からシード制が導入されたので、スティーラーズは、第1シードからスーパーボウルに出場した最初のチームになった。

ダラス・カウボーイズ

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レギュラーシーズンでカージナルスNFC東地区優勝を許し、地区2位の10勝4敗でシーズンを終えたが、ワイルドカードでプレイオフに進出し、3度目のスーパーボウル出場を果たした。

プレーオフ

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スティーラーズはプレーオフ2試合でオフェンスが12回ターンオーバーでボールを失ったが、ディフェンスが2試合合計で20点しか許さず、ボルチモア・コルツに28-10、AFCチャンピオンシップゲームではオークランド・レイダースを16-10で破りスーパーボウルに進出した。

カウボーイズは、ミネソタ・バイキングスとのプレーオフでは、残り時間24秒からロジャー・ストーバックの投げたヘイルメアリーパスドリュー・ピアソンがキャッチし、TDをあげて逆転勝利した。このプレーでピアソンはボールを捕球前にネイト・ライトを押していたがフラッグは投げられず、反則は取られなかった[2]NFCチャンピオンシップゲームロサンゼルス・ラムズを37-7で破ってスーパーボウルに進出した。

試合開催前の話題

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スティーラーズのエースWRリン・スワンは、オークランド・レイダース戦でハードヒットを受けて、脳震盪を起こし、2日間入院した。当初スワンは欠場を噂されていたが、カウボーイズのクリフ・ハリスの挑発的なコメントを受けて試合出場を決心した。

試合経過

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ドライブごとの試合経過
開始 ボール保持 ドライブ TOP 結果 得点内容 得点
Q 時間 地点 P yd yd 得点者 PAT カウボーイズ スティーラーズ
1 15:00 敵陣44 カウボーイズ 3 -3 1:48 パント
1 13:12 自陣17 スティーラーズ 5 23 1:40 第4ダウン失敗
1 10:32 敵陣29 カウボーイズ 1 29 0:08 タッチダウン(パス) 29 ストーバックPearson キック成功 7 0
1 10:24 自陣33 スティーラーズ 8 67 4:27 タッチダウン(パス) 7 ブラッドショーグロスマン キック成功 7 7
1-2 5:57 自陣35 カウボーイズ 11 46 6:12 フィールドゴール成功 36 フリッチュ 10 7
2 14:45 自陣32 スティーラーズ 7 32 3:54 第4ダウン失敗
2 10:51 自陣36 カウボーイズ 3 9 1:46 パント
2 9:05 自陣23 スティーラーズ 3 -3 1:01 パント
2 8:04 自陣48 カウボーイズ 9 7 4:17 パント
2 3:47 自陣6 スティーラーズ 9 75 3:25 36ydフィールドゴール失敗
2 0:22 自陣20 カウボーイズ 1 5 0:22 前半終了
前半終了
3 15:00 自陣26 スティーラーズ 3 -2 1:15 パント
3 13:45 自陣42 カウボーイズ 3 3 1:33 インターセプト
3 12:12 敵陣25 スティーラーズ 6 9 2:43 33ydフィールドゴール失敗
3 9:29 自陣20 カウボーイズ 5 20 3:14 パント
3 6:15 自陣24 スティーラーズ 5 24 2:09 パント
3-4 4:06 自陣18 カウボーイズ 8 29 4:20 パント
4 14:46 自陣17 スティーラーズ 4 10 1:35 パント
4 13:11 自陣19 カウボーイズ 4 -19 1:43 セイフティ 10 9
4 11:28 敵陣45 スティーラーズ 6 25 2:47 フィールドゴール成功 36 ジェレラ 10 12
4 8:41 自陣15 カウボーイズ 1 0:19 インターセプト
4 8:22 敵陣7 スティーラーズ 3 6 1:45 フィールドゴール成功 18 ジェレラ 10 15
4 6:37 自陣24 カウボーイズ 3 5 1:45 パント
4 4:25 自陣30 スティーラーズ 3 70 1:23 タッチダウン(パス) 64 ブラッドショー→Swann キック失敗 10 21
4 3:02 自陣20 カウボーイズ 5 80 1:14 タッチダウン(パス) 34 ストーバック→P.Howard キック成功 17 21
4 1:48 敵陣42 スティーラーズ 4 1 0:26 第4ダウン失敗
4 1:22 自陣39 カウボーイズ 5 23 1:22 インターセプト
P=プレー数、TOP=タイム・オブ・ポゼッションPAT=ポイント・アフター・タッチダウン。 アメリカンフットボールの用語集 (enも参照。 17 21

第1Q、カウボーイズはロジャー・ストーバックからドリュー・ピアソンへの29ヤードのTDパスで7-0と先制、スティーラーズはテリー・ブラッドショーからランディ・グロスマンへの7ヤードのTDパスで7-7と同点にする。第2Qにトニ・フリッチュが36ヤードのFGを成功させ、10-7として前半を折り返した。

スティーラーズのキッカー、ロイ・ジェレラはカウボーイズのキックオフリターンを自ら止めたがこのプレーで肋骨を痛めてしまいFGを何度も失敗した。FG失敗直後にカウボーイズのクリフ・ハリスはジェレラのヘルメットをたたいて挑発したが[3]、このプレーに怒ったジャック・ランバートはハリスを引きずり倒した[4]。後にスティーラーズの守備選手たちはこのプレーで闘志を燃やしたと語っている。

第4Qにスティーラーズはレジー・ハリソンが敵陣エンドゾーン内でパントをブロック、セイフティとなり、10-9と1点差に詰め寄った。

その後、ジェレラが36ヤード、18ヤードのFGを決めて15-10とリードしたスティーラーズは、ブラッドショーからスワンへの64ヤードのTDパスを成功、トライフォーポイントは失敗したものの21-10とリードを広げる。その後カウボーイズは、パーシー・ハワードへの34ヤードのTDパスで21-17としたものの、最後の攻撃でストーバックが投げたヘイルメリーパスをグレン・エドワーズがエンドゾーン内でインターセプト、スティーラーズが2年連続2度目の優勝を果たした。

カウボーイズのドライブ
# ドライブ TOP 結果
プレー ヤード
1 3 -3 1:48 パント
2 1 29 0:08 タッチダウン(パス)
3 11 46 6:12 フィールドゴール成功
4 3 9 1:46 パント
5 9 7 4:17 パント
6 1 5 0:22 前半終了
前半終了
7 3 3 1:33 インターセプト
8 5 20 3:14 パント
9 8 29 4:20 パント
10 4 -19 1:43 セイフティ
11 1 0:19 インターセプト
12 3 5 1:45 パント
13 5 80 1:14 タッチダウン(パス)
14 5 23 1:22 インターセプト
スティーラーズのドライブ
# ドライブ TOP 結果
プレー ヤード
1 5 23 1:40 第4ダウン失敗
2 8 67 4:27 タッチダウン(パス)
3 7 32 3:54 第4ダウン失敗
4 3 -3 1:01 パント
5 9 75 3:25 36ydフィールドゴール失敗
前半終了
6 3 -2 1:15 パント
7 6 9 2:43 33ydフィールドゴール失敗
8 5 24 2:09 パント
9 4 10 1:35 パント
10 6 25 2:47 フィールドゴール成功
11 3 6 1:45 フィールドゴール成功
12 3 70 1:23 タッチダウン(パス)
13 4 1 0:26 第4ダウン失敗

スターティングラインアップ

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ダラス・カウボーイズ ポジション ピッツバーグ・スティーラーズ
オフェンス
ドリュー・ピアソン
Drew Pearson
WR フランク・ルイス
Frank Lewis
ラルフ・ニーリー
Ralph Neely
LT ジョン・コルブ
Jon Kolb
バートン・ローレス
Burton Lawless
LG ジム・クラーク
Jim Clark
ジョン・フィッツジェラルド
John Fitzgerald
C レイ・マンスフィールド
Ray Mansfield
ブレイン・ナイ
Blaine Nye
RG ジェリー・マリンズ
Gerry Mullins
レイフィールド・ライト
Rayfield Wright
RT ゴードン・グラベル
Gordon Gravele
ジーン・フュージェット
Jean Fugett
TE ラリー・ブラウン
Larry Brown
ゴールデン・リチャーズ
Golden Richards
WR リン・スワン
Lynn Swann
ロジャー・ストーバック
Roger Staubach
QB テリー・ブラッドショー
Terry Bradshaw
プレストン・ピアソン
Preston Pearson
HB ロッキー・ブライアー
Rocky Bleier
ロバート・ニューハウス
Robert Newhouse
FB フランコ・ハリス
Franco Harris
ディフェンス
トゥー・トール・ジョーンズ
Ed "Too Tall" Jones
LE L・C・グリーンウッド
L. C. Greenwood
ラリー・コール
Larry Cole
LDT ジョー・グリーン
Joe Greene
ジェスロ・ピュー
Jethro Pugh
RDT アーニー・ホームズ
Ernie Holmes
ハーベイ・マーティン
Harvey Martin
RDE ドワイト・ホワイト
Dwight White
デイブ・エドワーズ
Dave Edwards
LOLB ジャック・ハム
Jack Ham
リー・ロイ・ジョーダン
Lee Roy Jordan
MLB ジャック・ランバート
Jack Lambert
D・D・ルイス
D. D. Lewis
ROLB アンディ・ラッセル
Andy Russell
メル・レンフロ
Mel Renfro
LCB メル・ブラント
Mel Blount
マーク・ワシントン
Mark Washington
RCB J・T・トーマス
J. T. Thomas
チャーリー・ウォーターズ
Charlie Waters
SS グレン・エドワーズ
Glen Edwards
クリフ・ハリス
Cliff Harris
FS マイク・ワグナー
Mike Wagner
スペシャルチーム
トニ・フリッチュ
Toni Fritsch
K ロイ・ジェレラ
Roy Gerela
ミッチ・フープス
Mitch Hoopes
P ボビー・ワルデン
Bobby Walden
ヘッドコーチ
トム・ランドリー
Tom Landry
チャック・ノール
Chuck Noll

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b 八千五百万人がテレビ観戦 スーパーボウル スチーラーズ決勝 朝日新聞 1976年1月20日朝刊17ページ
  2. ^ Brian Ditullio (2010年12月2日). “The Hail Mary”. bleacherreport.com. 2013年8月4日閲覧。
  3. ^ History of Steelers”. ピッツバーグ・ポスト・ガゼット (1976年1月18日). 2012年1月28日閲覧。
  4. ^ An Unanswered Hail Mary Brings Pure Joy”. bleacherreport.com (2009年5月13日). 2012年1月28日閲覧。

外部リンク

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