童夢・S101
童夢・S101は、童夢がFIA スポーツカー選手権およびル・マン24時間レース参戦を目的に開発したオープントップのプロトタイプレーシングカーである。
童夢・S101hbi・ジャッド (2006年マシン) | |
カテゴリー | ル・マン・プロトタイプ (LMP1) |
---|---|
コンストラクター | 童夢 |
後継 | 童夢・S102 |
主要諸元 | |
全長 | 4,485 mm |
全幅 | 1,995 mm |
全高 | 1,085 mm |
トレッド | 1,640 mm / 1,600 mm |
ホイールベース | 2,850 mm |
エンジン | ジャッドGV5 5L V10 NA MID |
トランスミッション | XTRAC "279" SQ 6速 |
重量 | 900 kg |
主要成績 |
概要
編集童夢・F105によるF1プロジェクトを終了した童夢は、2000年、次なるフィールドとしてスポーツカーを選んだ。童夢のスポーツカー活動は、1987年の童夢・87C以来となった。1970年代~80年代のように童夢自身の参戦はなく、同車を購入したプライベーターからの参戦となった。デザインを手がけたのは、奥明栄である。同時期に登場した、ローラ・B2K/10や、レイナード・2KQ等に比べて、非常にスマートなスタイリングを持ったマシンであった。また、奥明栄は、クラージュ・C60を高く評価していた[要出典]。
ル・マン24時間レースではヤン・ラマース率いるレーシング・フォー・ホーランドが2001年から2007年までル・マンに参戦し、2001年・2003年には予選4番手を獲得するなど、打倒アウディ・R8の有力候補として期待されていたが、決勝では、主に、搭載していたエンジン(ジャッドGV4、排気量4L、V型10気筒、自然吸気)のトラブルに悩まされることが多く、最高位は2003年・2004年の総合6位と、期待されたほどの成績は残せなかった。
このほか2002年から2004年にかけてKONDO Racingも横浜ゴムとジョイントし、ル・マンに参戦。近藤真彦や福田良・片山右京・加藤寛規らがステアリングを握ったが、こちらも2003年に総合13位に入ったのが唯一の完走。
FIA スポーツカー選手権(FIA SCC)では、日本のチーム郷とデンマークとのジョイントチームのデン・ビア・エヴィス・チーム郷、オランダのレーシング・フォー・ホーランドから参戦し、2001年から3年間で9勝をあげている。2002年、2003年はレーシング・フォー・ホーランドの童夢・S101がコンストラクターズチャンピオンを獲得している。なお、2001年にFIA SCCに参戦した当初は、明らかに、現実的なライバルとなる、旧態依然としたフェラーリ・333SPを優遇するためと思われるレギュレーションが設けられ、本来シングルフープロールバーを採用していたこのマシンに、助手席側にも、通称「コスメティックロールバー」と呼ばれるロールバーの装着が義務付けられるなど、FIAのヨーロッパ車優遇措置を受け入れなければならなかった。
2005年以降はル・マンのレギュレーション変更によりマシンを「童夢S101-Hb」「童夢S101.5」とマイナーチェンジしてきた。2008年、久しぶりの新車でクローズドボディのS102に受け継がれることになる。
戦績
編集ル・マン24時間レース
編集年 | チーム | 車両 | タイヤ | クラス | No. | ドライバー | 周回数 | 総合順位 | クラス順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2001 | レーシング・フォー・ホランド | S101-ジャッド GV4 4.0 L V10 | M | LMP900 | 9 | ヤン・ラマース ドニー・クレベルス ヴァル・ヒレブランド |
156周 | DNF | DNF |
チーム・デン・ブラ・アヴィス・郷 | S101-ジャッド GV4 4.0 L V10 | G | 10 | ジョン・ニールセン 加藤寛規 キャスパー・エルガード |
66周 | DNF | DNF | ||
2002 | KONDO Racing | S101-ジャッド GV4 4.0 L V10 | M | LMP900 | 9 | 近藤真彦 イアン・マッケラーJr. フランソワ・ミゴール |
182周 | DNF | DNF |
レーシング・フォー・ホランド | S101-ジャッド GV4 4.0 L V10 | M | 16 | ヤン・ラマース トム・コロネル ヴァル・ヒレブランド |
351周 | 8位 | 7位 | ||
2003 | KONDO Racing | S101-無限 MF408S 4.0L V8 | Y | LMP900 | 9 | 近藤真彦 片山右京 福田良 |
322周 | 13位 | 8位 |
レーシング・フォー・ホランド | S101-ジャッド GV4 4.0 L V10 | M | 15 | ヤン・ラマース ジョン・ボッシュ アンディ・ウォレス |
360周 | 6位 | 4位 | ||
16 | フェリペ・オルティズ ベッペ・ガビアーニ トリスタン・ゴメンディ |
316周 | DNF | DNF | |||||
2004 | KONDO Racing | S101-無限 MF408S 4.0L V8 | Y | LMP1 | 9 | 加藤寛規 福田良 道上龍 |
206周 | DNF | DNF |
レーシング・フォー・ホランド | S101-ジャッド GV4 4.0 L V10 | D | 15 | ヤン・ラマース クリス・ダイソン 金石勝智 |
341周 | 7位 | 6位 | ||
16 | トム・コロネル ジャスティン・ウィルソン ラルフ・ファーマン |
313周 | DNF | DNF | |||||
2005 | ジムゲイナー・インターナショナル | S101Hb-無限 MF408S 4.0L V8 | D | LMP1 | 5 | 道上龍 荒聖治 金石勝智 |
193周 | DNF | DNF |
レーシング・フォー・ホランド | S101-ジャッド GV4 4.0 L V10 | D | 10 | ヤン・ラマース エルトン・ジュリアン ジョン・ボッシュ |
346周 | 7位 | 5位 | ||
2006 | レーシング・フォー・ホランド | S101Hb-ジャッド GV5 5.0 L V10 | D | LMP1 | 14 | ヤン・ラマース アレックス・ユーン ステファン・ヨハンソン |
182周 | DNF | DNF |
2007 | レーシング・フォー・ホランド b.V. | S101.5-ジャッド GV5.5 S2 5.5L V10 | M | LMP1 | 14 | ヤン・ラマース ジェロエン・ブリークモレン デイビッド・ハート |
305周 | 25位 | 8位 |
T2Mモータースポーツ | S101.5-マーダー 3.4L V8 | M | LMP2 | 29 | ロビン・ロンジェシェル 山岸大 寺田陽次郎 |
56周 | DNF | DNF |
外部リンク
編集- DOME S101 - DOME MUSEUM
- DOME S101HB - DOME MUSEUM
- DOME S101hbi - DOME MUSEUM
- DOME S101.5 - DOME MUSEUM