福岡造船

福岡市中央区にある造船会社

福岡造船株式会社(ふくおかぞうせん、: FUKUOKA SHIPBUILDING CO.,LTD.) は、福岡市中央区にある日本の造船会社である。

福岡造船株式会社
FUKUOKA SHIPBUILDING CO.,LTD.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
810-0075
福岡県福岡市中央区港3-3-14
設立 1947年11月10日
業種 輸送用機器
法人番号 3290001009950
事業内容 船舶の新造
代表者 代表取締役会長 田中 敬二
代表取締役社長 田中 嘉一
資本金 9,600万円
売上高 298億円
(2020年3月期)
純利益 9,300万円
(2024年3月期)[1]
純資産 70億100万円
(2024年3月期)[1]
総資産 559億9,700万円
(2024年3月期)[1]
従業員数 約1004名
主要子会社 株式会社臼杵造船所
株式会社渡辺造船所
外部リンク http://www.fukuzo.co.jp/
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福岡工場

概要

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コンテナ船多目的貨物船RO-RO船・旅客フェリーセメントタンカーLPG船ケミカルタンカーオイルタンカーリーファーなどの各種中型船舶を建造している[2]
特に化学薬品などを運ぶケミカルタンカーをはじめとする特殊船が主力である[3][4]。創業時は専ら漁船を建造していたが、1960年代に貨物船主体に転換し、その後耐食ステンレス製タンク等の製作技術を高度化させ、ケミカルタンカー等の特殊船の建造が主力となった[3][4]

2004年長崎市長栄造船(旧・林兼造船→林兼船渠)の工場を買収し、長崎工場とした[5][6]

2000年代後期以降、船舶へのLNG等の新燃料導入に向けた取り組みも進めており、2012年にはLNGを燃料とする12,500重量トン型ケミカルタンカーを開発し、LNG燃料のケミカルタンカーとしては世界で初めてノルウェー船級協会(DNV)の基本承認を取得した[7]2019年には、LNGバンカリング船(構造としてはSPB方式LNGタンカーに相当)の建造を受注した[8]

2023年4月に、日本初のLNG二元燃料ケミカルタンカー(16,800t)を長崎工場で進水させた[9][10]

沿革

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  • 1947年昭和22年)11月 - 福岡市北湊町59に資本金80万円にて興洋造船株式会社を設立。
  • 1948年(昭和23年)7月 - 資本金400万円に増資。
  • 1958年(昭和33年)10月 - 福岡造船株式会社に社名変更。
  • 1961年(昭和36年)2月 - 資本金800万円に増資。
  • 1970年(昭和45年)12月 - 船台を3,000G/Tに拡張。
  • 1971年(昭和46年)
    • 2月 - 資本金3,200万円に増資
    • 12月 - 船台を5,000G/Tに拡張。
  • 1972年(昭和47年)6月 - 資本金4,800万円に増資。
  • 1976年(昭和51年)1月 - 船台を10,000G/Tに拡張。
  • 1977年(昭和52年)5月 - 資本金9,600万円に増資。
  • 2004年平成16年)
    • 3月 - 長栄造船株式会社の造船施設を買収し、当社長崎工場(船台:25,000G/T)とする[5][6]
    • 6月 - 福岡工場の船台を12,000G/Tに拡張。
  • 2005年(平成17年)11月 - 福岡工場が第19回福岡都市景観賞を受賞。
  • 2009年(平成21年)10月 - 土井首工場を開設。
  • 2016年(平成28年)10月 - 野牛島工場を開設。
  • 2018年(平成30年)
  • 2021年
    • 7月 - 船舶の設計業務を行う子会社のふくおかクリエイト株式会社を福岡市に設立(後述[13]
    • 9月 - 佐世保市にふくおかクリエイト株式会社佐世保事務所を開設(後述[13][14]
    • 11月 - 日本初のLNG燃料ケミカルタンカーの開発・建造や、福岡・長崎両工場と臼杵造船所の3工場一体運用体制の確立等を内容とする事業計画について、国土交通大臣から、海事産業強化法に基づく事業基盤強化計画の認定を受ける[15][16]
  • 2023年(令和5年)
    • 3月 - 福岡工場建屋の建て替え工事が完了し、新工場が落成[17]
    • 4月 - 川尻工場を開設[18]

事業所

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子会社

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  • 株式会社ふくおか渡辺造船所 - 造船業
  • 株式会社臼杵造船所 - 造船業
  • ふくおかクリエイト株式会社 - 船舶設計業務
    • 2021年令和3年)7月に福岡市で設立[13]佐世保重工業2022年1月限りで新造船事業の休止を決め、多数の希望退職者が発生していたことから、同社で船舶設計に携わっていた離職者を受け入れ、これまで一部を外注していた設計業務を福岡造船グループ内で行うことを目的として設立された[13]。同年9月21日付でふくおかクリエイト・長崎県・佐世保市の間で立地協定が締結され、佐世保事務所が開設された[13][14]。その後、会社所在地は佐世保市となっている[18]

脚注

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  1. ^ a b c 福岡造船株式会社 甲の貸借対照表の要旨
  2. ^ a b c 『海運・造船会社要覧2022』 海事プレス社、2021年、pp.642-643
  3. ^ a b 2001年6月20日付読売新聞西部版夕刊「市街地ドック健在 創業1947年福岡造船 技術力に信頼 受注安定」
  4. ^ a b 2007年11月30日付西日本新聞「鉄と格闘 熟練の技」
  5. ^ a b 世界の艦船』2005年3月号(No.639) p.130
  6. ^ a b 『世界の艦船』2005年12月号(No.651) p.90
  7. ^ 2012年12月25日付福岡造船株式会社ニュースリリース「このほどLNGを燃料とする12,500D/W型ケミカルタンカーを開発しました。」(2021年8月7日閲覧)
  8. ^ 2019年3月15日付福岡造船株式会社ニュースリリース「LNGバンカリング船の船体設計/船体建造に関する請負契約の締結について」(2021年5月16日閲覧)
  9. ^ 2023年4月11日付福岡造船株式会社ニュースリリース『2023年4月7日(金) N-2112番船の命名・進水式が長崎工場で行われました』(2023年4月22日閲覧)
  10. ^ 2023年4月20日付西日本新聞「福岡造船 脱炭素へかじ 国内初 LNG燃料のケミカルタンカー」
  11. ^ 2018年1月5日付福岡造船株式会社ニュースリリース「株式会社渡辺造船所の株式取得(子会社化)について」(2021年5月16日閲覧)
  12. ^ 2018年4月9日付福岡造船株式会社ニュースリリース「株式会社臼杵造船所の株式取得について」(2021年5月16日閲覧)
  13. ^ a b c d e 2021年9月22日付長崎新聞「佐世保に福岡造船事務所 SSK希望退職者を採用」
  14. ^ a b 長崎県 「ふくおかクリエイト株式会社との立地協定の締結について」(2021年9月26日閲覧)
  15. ^ 2021年11月30日付福岡造船株式会社ニュースリリース「海事産業強化法に基づく事業基盤強化計画の認定について」(2021年12月20日閲覧)
  16. ^ 国土交通省 「生産性の向上に取り組む造船事業者の計画を認定しました - 海事産業強化法に基づく事業基盤強化計画の認定(第2弾) - 」(2021年12月20日閲覧)
  17. ^ 2023年4月10日付福岡造船株式会社ニュースリリース『2023年3月21日(火) 新福岡工場の落成式が行われました』(2023年4月22日閲覧)
  18. ^ a b 福岡造船株式会社公式サイト掲載「会社概要」(2024年9月17日閲覧)

関連項目

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外部リンク

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