セメントタンカー、またはセメント運搬船セメント専用船(cement carrier)は、セメントばら積みで運ぶために設計されたタンカーの一種である。

モーリシャス共和国ポートルイス港に寄港する世界最大のセメントタンカー、Endeavour(30,000DWT)

概要

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主に日本国内ではセメント工場から各地のサービスステーション(港湾に設置されているセメント出荷基地)への輸送に用いられている。これらの多くは瀬戸内海造船所で建造され、一般的には石炭船などよりもかなり小型であり、ハンディサイズ(15,000 - 30,000DWT)のものはセメントタンカーとしては超大型であると言える。他のタンカーと同様に、動力にはディーゼルエンジンを用いるが、2010年平成22年)に宇部興産系の海運会社である山機運輸と鉄道建設・運輸施設整備支援機構によりタンデムハイブリッド方式(動力の一部に電力を採用)による興山丸(21,500DWT、全長160.9m、幅27.8m、神田造船所)が建造された。同船はスーパーエコシップの貨物船としては国内最大である。

歴史

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日本で最初のセメントタンカーは、宇部セメント製造(現・宇部興産)が三菱造船(現・三菱重工)神戸造船所に建造させた清忠丸(3,600DWT、全長98.21m、幅15.114m)である。同船は1936年昭和11年)4月に就航した。その後は他のセメントメーカーも追随し、1960年昭和35年)時点の各社の保有隻数は、小野田セメント(現・太平洋セメント)が12隻、宇部興産及び日本セメント(現・太平洋セメント)が各3隻、三菱セメント(現・三菱マテリアル)及び徳山曹達(現・トクヤマ)が各1隻の計20隻となっている[1]。また、2008年(平成20年)時点における日本国内のセメントタンカー隻数は、134隻である[2]

脚注

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外部リンク

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