神鉄観光
神鉄観光株式会社(しんてつかんこう、英: Shintetsu Tourist Co.,Ltd.)は、神鉄グループの旅行会社。
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒651-0032 兵庫県神戸市兵庫区荒田町1丁目20番2号 |
設立 | 1959年10月5日 |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 9140001013235 |
事業内容 | 旅行業、物品販売業、飲食業、広告代理業、乗車券販売業、娯楽施設の運営 |
代表者 | 井本昌彦(代表取締役社長) |
資本金 | 3,000万円 |
売上高 | 約16億円(2020年度) |
純利益 |
3,100万円 (2024年3月期)[1] |
総資産 |
4億9,600万円 (2024年3月31日現在)[1] |
従業員数 | 約280人 |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 神戸電鉄 |
外部リンク |
www |
旅行業のほか物品販売業や飲食業、広告代理業および有馬ます池の運営も行う。神戸電鉄の100%出資子会社。
神戸電気鉄道(現・神戸電鉄)の誘致宣伝部門を分社して株式会社神鉄交通社として発足。
神鉄エクセルツアーなどといった国内・海外旅行商品を販売する。神戸電鉄各駅コンビニの運営や、有馬ます池(有馬養鱒場)の運営なども行っており[2]、神鉄グループに属している。
概要
編集神戸電気鉄道(現 神戸電鉄)運輸部旅客課誘致観光部門を分社化し、1959年(昭和34年)に発足した[2]。海外国内旅行商品の「神鉄エクセルツアー」ブランドや冬期のバスツアー商品などを主力商品としている。 また旅行業のほかに、物品販売業、飲食業、広告代理業、乗車券販売業、娯楽施設の運営を行っている[2]。
沿革
編集旅行業
編集神鉄観光独自旅行ブランド
編集1975年(昭和50年)の一般旅行業資格取得後、独自企画ツアーは国内にとどまらず海外にも進出し、営業所の展開やテレビコマーシャル放映の影響もあって、数多くの商品が企画・販売された。しかし近年は近隣県への日帰りツアーがほとんどを占め、2024年(令和6年)現在の自社独自商品は「山田錦まつり号で『山田錦まつり』へGO!!」などといった期間限定商品のみ発売となっている。
神鉄エクセルツアー
編集神鉄観光独自ブランドであり、国内ツアー商品と海外ツアー商品の両方に広く使用されている主力ブランドである。1990年代から2000年代前半にかけては、香港・シンガポール・バリ島・バンコク・グアム・ハワイの6コースのみに「神鉄エクセルツアー」の名称を使用していた時期があった。近年では下記の日帰りカニツアー等にも「エクセルツアー」の副名称を付与しているが、2020年(令和2年)冬季を最後に発売されなくなっている。
日帰りかにツアー・日帰りふぐツアー
編集近隣県のホテル・旅館で料理が提供される冬季のバスツアー。2019年(令和元年)〜2020年(令和2年)シーズンを最後に発売されていない。
遊歩倶楽部
編集ハイキングを目的とした国内ツアー商品。
旅山歩
編集ハイキングを目的とした近隣県への日帰りバスツアー。2020年(令和2年)春を最後に発売されていない。
このほか「日帰り鯛三昧」や「遊快学校」などの独自商品も数多く存在した。また神戸空港開港を記念した沖縄旅行商品が販売された時期も存在した。1970年代には宝塚歌劇団のスターと行くハワイ旅行ツアーを企画・販売していた。
旅行代理業
編集親会社の神戸電鉄と同じ阪急阪神東宝グループの阪急交通社が販売する「トラピックス」のほか、日本旅行、JTB、近畿日本ツーリスト、ジャルパック、全日空スカイホリデイなどの商品を販売している。
旅行プランニング
編集グループ団体旅行のプランニングを行っている。兄弟会社である神鉄バスの貸切車両を使用した団体旅行の企画も実施している。
営業所の展開
編集神戸市・三田市・三木市・小野市に各種業務を担う営業所を展開してきた。現在は湊川営業所(本社)のみ残存している。
主な業務には以下のものがある。
- 旅行関係業務
- 海外旅行・国内旅行の相談受付
- 自社ツアーパック(神鉄エクセルツアー等)の販売
- 「神鉄エクセルツアー」のテレビコマーシャルでも「お申込みは神鉄観光各営業所へどうぞ」などといったナレーションが入っていた。
- 他社旅行商品の代理販売
- 沿線案内業務
- 神戸電鉄沿線の案内業務
- ハイキングの案内(神鉄ハイキング、神鉄ハイキングの集い、阪急・神鉄土曜ハイク等)
- 団体利用の受付
- 神戸電鉄団体利用の受付
- 船舶・鉄道団体乗車船券の販売
- 出版物関係業務
- 月刊神鉄の販売(1999年〈平成11年〉3月より廃止)
- 神鉄沿線レジャーマップシリーズの進呈(現在廃止)
- 自動車教習所関係業務
- 神戸自動車学院(設立当初は兄弟会社)の受付(現在廃止)
- 阪急ブレーブス関係業務
- ブレーブスこども会の入会受付
- 1981年(昭和56年)シーズンより受付開始
- 当初は1,500円。最後年(1988年〈昭和63年〉シーズン)は2,000円。
- 野球手帳、レッスンバッグなどを進呈していたほか、阪急主催試合は自由席無料であった。
- 当初は湊川営業所と神鉄観光売店新開地店のみの受付であった。
- ブレーブスファンクラブ
- 1984年(昭和59年)シーズンより受付開始。
- 阪急主催試合の一般内野席は5割引であった。
- ブレーブスこども会の入会受付
営業所一覧
編集- 三宮案内所(初代) - 神戸新聞会館ビル内。
- 三宮営業所(2代)- 阪急電鉄三宮駅改札前。現在は閉鎖。
- 新開地営業所 - 神鉄ビル1階。現在は閉鎖。
- 湊川営業所 - 神戸電鉄湊川駅1階。
- 谷上営業所 - 北神急行・神戸電鉄谷上駅1階。現在は閉鎖。
- 小野営業所 - 神戸電鉄小野駅内。現在は閉鎖。
- 有馬営業所 - 有馬温泉郷の温泉街内。神鉄バスのバスターミナルにもなっていた。現在は閉鎖。
- 三田営業所 - 神戸電鉄三田駅内。現在は閉鎖。
テレビCM
編集トレイルステーション神戸
編集六甲山系や丹生山系で登山が楽しめる環境を向上し、市民・来街者の増加を目指す取り組みとして神戸市が展開する「神戸登山プロジェクト」の象徴的な取り組みとして、登山支援拠点「トレイルステーション神戸」(愛称:トレコ)をJR新神戸駅1階に2023年(令和5年)7月22日より開設している。登山ルートの案内や登山用品レンタル、イベントやツアーを実施するほか、山の総合案内所として休憩や登山前の待ち合わせにも利用できる。
神戸市から委託を受けて開設しているもので、好日山荘とともに「好日山荘&神鉄観光パートナーズ」を結成して共同運営している。
神鉄ハイキング
編集神戸電鉄沿線を中心に神鉄ハイキング(しんてつハイキング)[3]と呼ばれるハイキングを年間約90コース開催しており、年間約11,150人参加している。
概要
編集神戸電鉄の六甲山系を横断する路線の地理的条件上、神戸電鉄沿線は自然の富むところが多く残り自然散策に適するところとして古くから親しまれてきたほか、源平合戦や戦国時代にまつわる史跡・文化財が沿線に点在している。このため神戸電鉄では開業時からピクニックやハイキングの宣伝を実施していたが、この一環として開始したのが「神鉄ハイキング」である。
当初は「神鉄ハイキングの集い」の名称で年間20回程度の開催であったが、開催回数は時代とともに増加し、近年では開催回数が年間約90回にも達している。主催は神鉄観光事業部(神鉄コミュニケーションズ)であるが、他社との共催ハイキングも実施することがある。1980年(昭和55年)から1990年代にかけては阪急電鉄との共催ハイキング「阪急・神鉄土曜ハイク」を実施していた。
現在主流となっている「マップ片手にフリーハイキング」は参加費無料かつ予約不要で、開催日の指定時刻に集合場所でマップを受け取り、自由にコースをハイキングする方式となっている。参加者はスタンプ帳(後述)を持参すると、対象ハイキングではスタンプが押印される。
スタンプ帳
編集神戸電鉄各駅において「神鉄ハイキングスタンプ帳」が無料で配布されている。対象ハイキング参加時に押印されるスタンプを集めることによって回数に応じたバッジが贈呈される。
書籍
編集神鉄観光では神鉄ハイキングに関連した書籍を発行し、同社が経営する売店やコンビニで販売することがある。主な書籍は以下のものがある。
コンビニエンスストア業
編集コンビニエンスストア事業を行っている。かつては「すずらんショップ」「プラスワンすずらんショップ」などの独自ブランド名で展開していたが、2015年(平成27年)4月からはセブン-イレブン・ジャパンと締結し、「Shintetsu×セブン-イレブン」(店舗名は「セブン-イレブン」)に転換している。
店舗一覧
編集- 神鉄新開地駅店
- 神鉄湊川駅店(現在閉店)
- 神鉄鈴蘭台駅店
- 神鉄北鈴蘭台駅店
- 神鉄谷上駅店
- 神鉄岡場駅店
- 神鉄西鈴蘭台駅店
有馬ます池
編集飲食業
編集ケンタッキーフライドチキンを兵庫県および大阪府内で運営している。
過去の事業
編集保険業
編集「神鉄保険サービス」の名称で保険業を展開していた。
売店業
編集神鉄観光売店
編集1960年代より展開されていたものであり、食料品・雑誌の販売のほか、1984年(昭和59年)5月からは宅配便の取次ぎ業務を実施していた(代わりとして神戸電鉄の小荷物・手荷物扱いが同年11月16日廃止)。このほか、フジカラーDPE、ペリカン便などの各種サービス、神戸電鉄グッズ、記念乗車券、月刊神鉄の発売なども取り扱っていた。
おもな店舗一覧
編集☆=旅行営業所併設
- 新開地売店
- 湊川売店
- 長田売店
- 丸山売店
- 鈴蘭台売店
- 北鈴蘭台売店
- 山の街売店
- 大池売店
- 唐櫃台売店
- 五社売店
- 三田売店☆
- 西鈴蘭台売店
- 栄売店
- 緑が丘売店
- 三木売店☆
- 小野売店☆
※有馬温泉駅にも売店が存在したがこちらは兄弟会社の有馬興業経営であった。
すずらんショップ
編集神鉄観光売店の新業態店舗であり「Suzuran Shop」の表記もよく見られた。食料品・雑誌の販売を行うほか、レジで本の予約ができる「神鉄BOOK EXPRESS」、レジで雑誌の取置きができる「神鉄Magazine Express」などの各種サービス、さらに神鉄バス定期券の発売なども行った。
店舗外装・看板は2色のグリーンで塗り分けられており、店舗周辺のドリンクコーナーや柱にまでこの2色塗装が施されていた。2018年(平成30年)の鈴蘭台駅店を最後に全店がセブン-イレブンに転換されたが、現在でも自販機コーナーや待合室にこのグリーン2色塗装が残存している駅がある。
おもな店舗一覧
編集- 新開地駅店
- 湊川駅店
- 鈴蘭台駅店
- 北鈴蘭台駅店
- 山の街駅店
- 谷上駅店
- 大池駅店
- 唐櫃台駅店
- 五社駅店
- 岡場駅店
- 田尾寺駅店
- フラワータウン駅店
- 三田駅店
- 西鈴蘭台駅店
- 栄駅店
- 緑が丘駅店
- 小野駅店
※単に「◯◯駅売店」と表記されることも多かった。
出版事業
編集月刊神鉄やハイキングガイドブックなどを発行していた。(末期は「すずらん編集室」の名称を使用していた)
DPE事業
編集フルオート処理機とデジタルプリンターを設けたDPEショップ「オート写親館」を展開していた。
脚注
編集- ^ a b “神鉄観光株式会社 第65期決算公告”. 官報決算データベース. 会社活動総合研究所. 2024年9月3日閲覧。
- ^ a b c “第148回定時株主総会招集通知” (PDF). 神戸電鉄. p. 19 (2023年5月23日). 2023年11月19日閲覧。
- ^ 神鉄ハイキング - 神戸電鉄