砂原良徳
砂原 良徳(すなはら よしのり、1969年9月13日 - )は、日本のテクノミュージシャン、マスタリング・エンジニア。1991年から1999年まで電気グルーヴのメンバーとして活動。「日本プロ音楽録音賞」ベストパフォーマー賞受賞者[1]。2022年よりTESTSETのメンバーとしても活動中[2]。愛称は「まりん」[3]。
砂原 良徳 | |
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出生名 | 砂原良徳 |
別名 | まりん |
生誕 | 1969年9月13日(55歳) |
出身地 |
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学歴 | 北海高等学校卒業 |
ジャンル | テクノ |
職業 |
音楽プロデューサー マスタリング・エンジニア |
担当楽器 |
キーボード プログラミング |
活動期間 | 1991年 - |
共同作業者 |
TESTSET(2022年 - ) METAFIVE(2014年 - ) 電気グルーヴ (1991年 - 1999年) |
公式サイト | http://ysst.info/ |
砂原良徳 / Yoshinori Sunahara | |
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YouTube | |
チャンネル | |
活動期間 | 2021年5月7日 - |
ジャンル | 音楽 |
略歴
編集北海道札幌市豊平区出身[4]。小学4年の時、地元のロボット展示会で耳にしたYMOの『中国女』が、自らの音楽的な出発点という[4]。中学生でシンセサイザーを始め、YMOやクラフトワークなどの、テクノポップ・ニューウェーブの影響を強く受ける。1991年には平沢進のコンサートツアー「ヴァーチュアル・ラビット・ツアー」でのサポートメンバーを経て平沢から解凍後のP-MODELへの加入を願われたが、1991年春、かねてから交流のあった石野卓球に渡したデモテープがきっかけとなりCMJK脱退後の電気グルーヴのメンバーとして同年夏に加入[5]。8年間の活動後、フランスで開催された音楽ビジネスの国際見本市「MIDEM」でのライヴを最後に1999年4月2日付で正式に脱退。
本格的な本人名義のソロ活動の開始は1995年から。 ソロデビュー作『CROSSOVER』ではアナログシンセの使用を制限し、サンプリング主体によるモンド・ラウンジ路線の作品を発表し大きな話題を集めた。その傾向は電気グルーヴ本体の活動にも影響を与えている。 バンド脱退後に発表したアルバム『LOVEBEAT』ではよりシンプルなエレクトロニック・サウンドに進化した。 日本国内のみならずドイツのBungalowレーベルからは全アルバムがリリースされている。その一方、SUPERCARやACOなど他アーティストのプロデュースでも活躍中。リミキサーとしてはYMO、テイ・トウワ(TOWA TEI)、リップスライム、Fantastic Plastic Machine、福富幸宏、高橋幸宏、ピチカートファイヴ、GREAT3、コーネリアス、テレックス、森若香織、李博士、矢野顕子、Coldcut、DE DE MOUSE、フルカワミキ、サカナクション、土岐麻子、東京事変、椎名林檎など多数の作品を手掛ける。
小山田圭吾とは1990年代後半より親交が深い。リミックス以外で表立った共演はなかったが、2010年に小山田のアルバム『FANTASMA』のリマスターを担当した。
クイズ番組『カルトQ』のYMO特集で優勝している。序盤は苦戦していたが、点数がランクアップする問題に差し掛かると正解を連発、一気に他の回答者をごぼう抜きにし、最終問題の段階で既に優勝が決まっているほどの点数を獲得した。
2014年から、高橋幸宏、小山田圭吾、テイ・トウワ、ゴンドウトモヒコ、LEO今井らと共にMETAFIVEのメンバーとしても活動している。
2021年、8月20日に相対性理論のギタリストの永井聖一と、GREAT3のドラマーにして高橋幸宏とLEO今井とも縁が深い白根賢一をサポートメンバーに迎え、『METAFIVE(砂原、LEO今井)』でフジロックフェスティバル'21のホワイトステージに出演。[6]。
同年の8月22日にはフジロック'21のセトリ最後の出演者として『砂原良徳』名義でレッドマーキーステージにて公演[7]。
2022年2月より、フジロック'21特別編成版のMETAFIVEを『TESTSET(砂原良徳×LEO今井×白根賢一×永井聖一)』と命名し、メンバーの一員として活動を開始[2]。
同年12月6日、『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』の360 Reality Audio版の中から「LOVEBEAT」が「日本プロ音楽録音賞」ベストパフォーマー賞を受賞[1]。
作品
編集ソロ活動
編集シングル
編集シングル(アナログ)
編集2ndアルバム『TAKE OFF AND LANDING』の予告編という扱いにはなっているが、実際は同作冒頭に登場する『新宿都庁跡の地下に建てられた架空の空港』のノベルティとして製作された港内案内レコードという設定で、ひとつの音楽作品というよりは、もはやSF作品ともいうべき内容。豪華なブックレットとステッカー(実在の航空会社のロゴ)のついたピクチャー盤である。全体のデザインも含め、常盤響とのコラボレーション作という趣が強い。砂原自身「こういうものが欲しかった」という物欲を満たすために製作したと発言しており、半ばコスト度外視で、極少数がリリースされたのみの貴重な一枚である。B面にはアルバム「CROSSOVER」のダイジェスト・カットアップを収録。
- JOURNEY BEYOND THE STARS - 1998年
- CRIPPER'S DISCOTIQUE BREAK - 1999年
ドイツの音楽レーベルBungalow(バンガロウ)からのリリース。サンプリングの権利関係の問題で、現在は『hypnotize』というタイトルでカヴァーという扱い。
- LOVE BEAT - 1999年
ドイツBungalowからのリリース。2001年リリースのアルバム『LOVEBEAT』収録の表題曲とは同名異曲で、日本盤には収録されていない。電気グルーヴ脱退後初のリリースとなりファンの話題をあつめたが、実際には電気グルーヴ在籍時にとあるファッションショーのために書き下ろされた曲が後になってリリースされたものである。
- LOVEBEAT - 2002年
ドイツBungalowからのリリース。12インチシングル盤。ドイツにおいてはアルバム『LOVEBEAT』(日本盤は2001年、ドイツ盤は2002年リリース)に先行する形で発売された。A面にはアルバム『LOVEBEAT』表題曲の長尺版「Lovebeat (Not Space) - Deep And Long」を、B面には同アルバムより「In And Out」・「Balance」をそれぞれ収録している。
アルバム
編集# | 発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 |
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1st | 1995年9月1日 | CROSSOVER | KSC2-130 | 全12曲
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2nd | 1998年5月21日 | TAKE OFF AND LANDING | KSC2-205 | 全14曲
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3rd | 1998年11月11日 | THE SOUND OF 70's | KSC2-243 | 全8曲
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4th | 2001年5月23日 | LOVEBEAT | KSC2-387 | 全10曲
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BEST | 2007年3月21日 | WORKS '95-'05 | KSCL-1121~2 | 2枚組全26曲 [Disc 1]
[Disc 2]
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サウンド・トラック | 2009年7月29日 | No Boys, No Cry Original Sound Track Produced by Yoshinori Sunahara |
KSCL-1420 | 全10曲
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映画『ノーボーイズ,ノークライ』のサウンドトラック |
5th | 2011年4月6日 | liminal | KSCL-1666~7【初回生産限定盤】 KSCL-1668 |
全8曲 <CD>
<DVD 初回限定盤のみ>
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リマスター | 2021年9月15日 | LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master | MHCL-30686~7【初回限定生産盤】 MHCL-30688【通常盤】 MHJL-190~1【完全生産限定盤/アナログ盤】 配信 |
全10曲 <CD>
<Blu-ray> ※【初回限定生産盤】のみ
【アナログ盤】2LP
[Disc 2] 4, 5はアナログ、配信のみ収録
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自身によるミキシング・リマスタリング。形態ごとに収録内容が異なる。 |
ユニット
編集MIDNIGHT BOWLERS(常盤響とのユニット)によるもの
編集FROM TIME TO TIME (田中純とのユニット)によるもの
編集- BEAT BOX 1995年
- FROM TOP TO TOE 1995年
ゲームミュージック
編集- ギャラクシーフォースII(1991年/メガドライブ版/CSK総合研究所) - 編曲・プログラミング ※ペンネームの1つ「SUNAHARA YOSHITOKU」名義での参加
- ギャラクシーフォースII(1991年/FM TOWNS版/CSK総合研究所)- 効果音、MAP、アルゴリズムデザイン
- ジェリーボーイ2(1994年/スーパーファミコン版/ゲームフリーク)- 作曲 ※開発中止により未発売
劇伴
編集- 2009年 ノーボーイズ,ノークライ
- サウンドトラック担当。
- 2013年 ノーコン・キッド 〜ぼくらのゲーム史〜
- サウンドトラック担当。
- 音楽担当。
機材遍歴
編集- AKAI X-7000
- AKAI s-1000
- AKAI s-3200
- AKAI s-6000
- ARMEN 1200 Sound
- ARP Odyssey
- ARP 2600
- CASIO CZ-5000
- CASIO RZ-1
- Casio VZ-1
- Clavia nord lead
- Clavia nord lead 3
- Dave Smith Instruments Prophet-08
- E-MU Vintage Keys
- KAWAI XD-5
- KORG DDM-110
- KORG VC-10
- KORG MS-20
- KORG MS-10
- KORG M1r
- KORG DVP-1
- KORG DSM-1
- KORG MS2000
- KORG TR-Rack
- KORG TRITON-Rack
- KORG r3
- KORG Minilogue
- KORG Minilogue XD
- Moog Micro Moog
- Moog Mini Moog
- Nektar PANORAMA P4
- Nektar PANORAMA T4
- QUASIMIDI QUASAR
- Roland Juno-106
- Roland MC-50
- Roland S-330
- Roland Jupiter-8
- Roland MC-202
- Roland SH-2
- Roland VP-330
- Roland TB-303
- Roland TR-606
- Roland TR-909
- Roland TR-808
- Roland JV-1080
- Roland XV-3080
- SEQUENTIAL CIRCUITS Prophet-600
- SEQUENTIAL CIRCUITS Prophet-5
- YAMAHA Reface CS
- YAMAHA 02R
- YAMAHA 01v/96
- Opcode Vision
- Apple Logic
- Steinberg Cubase
- Presonus studio one
関連項目
編集出典
編集- ^ a b “砂原良徳、「日本プロ音楽録音賞」でベストパフォーマー賞を受賞 立体的な音場に没入できる新しい音楽体験を提示 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス”. SPICE(スパイス)|エンタメ特化型情報メディア スパイス. 2023年1月8日閲覧。
- ^ a b “TESTSET(砂原良徳×LEO今井×白根賢一×永井聖一)|イベント詳細|ビルボードライブ東京|Billboard Live(ビルボードライブ)”. Billboard-LIVE | ビルボードライブ. 2023年1月8日閲覧。
- ^ 編集部, TV Bros (2021年10月28日). “『KERAさん逃げて30周年』から読み解く、まりんこと砂原良徳 最新作『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』”. 【TV Bros. WEB】. 2023年1月8日閲覧。
- ^ a b 読売新聞 2011年4月22日夕刊12面「砂原良徳を変えたイエロー・マジック・オーケストラ」
- ^ KB SPECIAL キーボード スペシャル 1993年6月号
- ^ FUJIROCKERS.ORG. “METAFIVE(砂原良徳×LEO今井)”. FUJIROCK EXPRESS '21 | フジロック会場から最新レポートをお届け. 2021年10月4日閲覧。
- ^ FUJIROCKERS.ORG. “砂原良徳”. FUJIROCK EXPRESS '21 | フジロック会場から最新レポートをお届け. 2021年10月11日閲覧。
外部リンク
編集- Y.Sunahara's STUDIO - 公式ウェブサイト
- 砂原良徳 (@_sunahara_) - X(旧Twitter)
- YSST (@y_sunahara) - X(旧Twitter)(Y.Sunahara's STUDIO)
- 砂原良徳 (yoshinori.sunahara.5) - Facebook
- Yoshinori Sunahara official - YouTubeチャンネル
- Y.SUNAHARA'S STUDIO OFFICIAL - ソニー・ミュージックエンタテインメントによる公式ウェブサイト
- PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー(いしわたり淳治&砂原良徳)
- PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー
- 音楽は人を変えられる 砂原良徳インタビュー(11年4月1日 CINRA.NET掲載)
- 砂原良徳|PreSonus Studio Oneユーザーストーリー