矢野駅
矢野駅(やのえき)は、広島県広島市安芸区矢野西一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)呉線の駅である。駅番号はJR-Y05。広島市内にある唯一の呉線内の駅である。
矢野駅 | |
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南口駅舎(2009年2月) | |
やの Yano | |
◄JR-Y06 坂 (2.6 km) (2.6 km) 海田市 JR-Y04► | |
所在地 | 広島市安芸区矢野西一丁目32-1 |
駅番号 | JR-Y05 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | ■呉線 |
キロ程 | 84.4 km(三原起点) |
電報略号 | ヤノ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム | 2面2線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
6,362人/日(降車客含まず) -2022年- |
開業年月日 | 1903年(明治36年)12月27日[2] |
備考 |
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歴史
編集- 1903年(明治36年)12月27日:官設鉄道海田市駅 - 呉駅間開通時に開設[2]。
- 1904年(明治37年)12月1日:山陽鉄道に貸渡[2]。
- 1906年(明治39年)12月1日:山陽鉄道国有化[2]、再度官設鉄道の駅となる。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定、呉線所属となる。
- 1963年(昭和38年)2月1日:貨物取扱廃止[2]。
- 1975年(昭和50年)3月20日:所在地の矢野町が広島市に編入されたため、国鉄(→JR)の特定都区市内制度における「広島市内」の駅となる[3]。
- 1978年(昭和53年)12月18日:鉄筋コンクリート製地上駅舎(2代目)が完成[4]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:荷物扱い廃止[2]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる[2]。
- 1989年(平成元年)11月:駅兼掌物販店廃止[注釈 1]。
- 1990年(平成2年)3月:みどりの窓口営業開始[6]。
- 2004年(平成16年)10月16日:快速「安芸路ライナー」の停車駅となる。
- 2005年(平成17年)10月1日:快速「通勤ライナー」の停車駅となり、当駅には全定期列車が停車するようになる[注釈 2]。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)4月19日:橋上駅舎(3代目)暫定使用開始[7]。改札口にLED発車標を新設。自由通路が完成。駅ビルアイスタ矢野開業。
- 2009年(平成21年)1月18日:橋上駅舎(3代目)及び駅前広場が全面的に完成。
- 2018年(平成30年)
- 2020年(令和2年)
- 3月1日:みどりの窓口営業終了。
- 3月2日:みどりの券売機プラスの稼働開始。改札業務時間も変更され、係員不在時間帯が設定される。
- 2021年(令和3年)
- 4月1日:業務委託駅化。
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2007年から2008年まで使用されていた仮駅舎 (2008年2月)
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現駅舎南口・暫定利用開始時(2008年7月)
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現駅舎前広場完成式典(2009年1月)
駅構造
編集相対式ホーム2面2線を有する地上駅。構内南北を連絡する橋上駅舎を備える[1]。駅舎内部には自動券売機、自動改札機が置かれている。改札の近くにコンビニ「セブンイレブン」がある。駅舎内部の駅前広場(南口)側には、ギャラリー「やの交流プラザ」が併設されている。なお、ホーム・自由通路(南口・北口)に計4基のエレベーターが設置されており、駅舎はバリアフリーとなっている[7]。
業務委託駅(JR西日本中国交通サービス受託)で、みどりの券売機プラスが設置されている。またICカードのICOCAが利用可能。また、JRの特定都区市内制度における広島市内駅であり、最南端に当たる。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | 呉線 | 上り | 呉・三原方面[10] |
2 | 下り | 広島方面[10] |
駅舎概要
編集現駅舎デザインは、以前の矢野地区の代表産業であった「かもじ」の曲線や、古い町屋がモチーフとなっている。駅の敷地内(南口)に矢野駅ビルアイスタ矢野が建設され、1階にはスーパーフレスタ「おかず工房 矢野店」、2階にはフタバ図書JR矢野駅前店[注釈 3]と歯科医院が出店した。
橋上駅舎(部分)使用開始後に残工事を行い、未完成だった駅舎部分・駅前広場・やの交流プラザが2009年に完成し、使用が開始された。
やの交流プラザは、駅舎2階の駅前広場(南口)側に、自由通路を挟んで左右に位置し、矢野地区の住民や児童の作品・矢野の歴史を伝える資料・駅の歴史を記したパネル・矢野地区のイベント情報などが常時展示されている。矢野地区の住民らで、交流プラザの活用委員会も立ち上げられ、地域住民の交流の場としてイベントなどでも利用されている。
駅前広場の完成に併せてバス停が移設され、南口からすぐ広電バスへの乗換が可能となり、熊野営業所行、夢が丘・押込行、安芸矢野ニュータウン循環・済生会広島病院前行が、2ヶ所の乗降所から発着するようになった。2010年(平成22年)10月4日の広電バスダイヤ改正で、矢野旧道経由便乗入が開始され、広島都心や広島駅、向洋、海田、矢野旧道沿線へ向かうバス路線も発着している。
呉方面側に踏切が2ヶ所あるが、そのうち1ヶ所は遮断機・警報器が設置されていない。ここは国鉄時代から無謀横断による人身事故が多く、警告文・簡易踏切(警報器と遮断機なし)を設置したが効果はなく、自治体から改善するように求められていた。元々道幅自体が抜け道のように2 m前後と狭く、踏切警報機の設置が困難だったと思われる。2016年現在はフェンスで閉鎖されているが簡易踏切は残されている。
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北口(2009年2月)
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隣接するアイスタ矢野(2009年2月)
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矢野駅とアイスタ矢野(2009年2月)
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改札口(2008年8月)
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自由通路(2009年2月)
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やの交流プラザ(2009年2月)
店舗等
編集- 駅構内にはKioskがある。
利用状況
編集以下の情報は、広島市統計書に基づいたデータである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
年度毎 総数 |
定期券 総数 |
普通券 総数 |
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1971年(昭和46年) | 1,274.1 | 932,642 | 700,702 | 231,940 |
1972年(昭和47年) | 1,473.6 | 1,075,704 | 775,108 | 300,596 |
1973年(昭和48年) | 1,757.3 | 1,282,816 | 891,708 | 391,108 |
1974年(昭和49年) | 1,988.1 | 1,451,337 | 1,024,304 | 427,033 |
1975年(昭和50年) | 2,099.9 | 1,537,157 | 1,013,994 | 523,163 |
1976年(昭和51年) | 2,286.4 | 1,669,070 | 1,083,818 | 585,252 |
1977年(昭和52年) | 2,213.8 | 1,616,098 | 1,013,468 | 602,630 |
1978年(昭和53年) | 2,194.2 | 1,601,731 | 1,019,092 | 582,639 |
以上の1日平均乗車人員は、乗車数と降車数が同じであると仮定し、年度毎総数を365(閏年が関係する1971・1975年は366)で割った後で、さらに2で割った値を、小数点第二位で四捨五入。小数点一位の値にしたものである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
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1979年(昭和54年) | 2,287 |
1980年(昭和55年) | 2,391 |
1981年(昭和56年) | 2,574 |
1982年(昭和57年) | 2,675 |
1983年(昭和58年) | 2,804 |
1984年(昭和59年) | 3,120 |
1985年(昭和60年) | 3,414 |
1986年(昭和61年) | 3,792 |
1987年(昭和62年) | 4,299 |
1988年(昭和63年) | 4,893 |
1989年(平成 元年) | 4,668 |
1990年(平成 2年) | 4,910 |
1991年(平成 3年) | 5,076 |
1992年(平成 4年) | 5,348 |
1993年(平成 5年) | 5,741 |
1994年(平成 6年) | 6,144 |
1995年(平成 7年) | 6,566 |
1996年(平成 8年) | 6,934 |
1997年(平成 9年) | 6,946 |
1998年(平成10年) | 6,957 |
1999年(平成11年) | 7,071 |
2000年(平成12年) | 6,942 |
2001年(平成13年) | 6,771 |
2002年(平成14年) | 6,681 |
2003年(平成15年) | 6,738 |
2004年(平成16年) | 6,937 |
2005年(平成17年) | 7,148 |
2006年(平成18年) | 7,309 |
2007年(平成19年) | 7,475 |
2008年(平成20年) | 7,703 |
2009年(平成21年) | 7,749 |
2010年(平成22年) | 7,816 |
2011年(平成23年) | 7,897 |
2012年(平成24年) | 7,953 |
2013年(平成25年) | 8,114 |
2014年(平成26年) | 7,962 |
2015年(平成27年) | 8,121 |
2016年(平成28年) | 8,115 |
2017年(平成29年) | 8,155 |
2018年(平成30年) | 7,718 |
2019年(令和 元年) | 7,717 |
2020年(令和 2年) | 6,055 |
2021年(令和 3年) | 5,962 |
2022年(令和 4年) | 6,362 |
- 乗車数グラフ
駅周辺
編集住宅地となっており、所々に商店が点在する。駅南側にはニュータウンや小学校がある。駅北側には自衛隊駐屯地、駅北西側には工業団地があり、その付近には広島県立安芸南高等学校や済生会広島病院がある。坂町B&G海洋センターもこの付近にあるが、駅からはやや離れる。
- 南口
- 北口
バス路線
編集南口の駅前ロータリー内に「矢野駅前」停留所があり、広電バス[11]の熊野線(海田・矢野経由または広熊道路経由)が発着する。
隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 49号 福山駅・宇部新川駅・忠海駅ほか80駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年7月28日、22頁。
- ^ a b c d e f g 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、276頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1975年3月号および4月号、p.503。
- ^ 「駅舎の改築目白押し」『交通新聞』交通協力会、1979年1月7日、2面。
- ^ 『JR西日本広島支社10年史 : 次なる10年に向かって : 1987-1997』西日本旅客鉄道広島支社、1997年12月、146, 279頁。全国書誌番号:22926266。
- ^ 『JR時刻表』1990年3月号・1990年4月号 索引地図
- ^ a b 『呉線 矢野駅(橋上駅舎)の使用開始について(広島・山口エリア)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2008年4月3日。オリジナルの2008年4月7日時点におけるアーカイブ 。2023年6月8日閲覧。
- ^ 「西日本豪雨:JR呉線坂ー海田市間で運転再開 27日ぶり」『毎日新聞』毎日新聞社、2018年8月2日。2023年6月8日閲覧。
- ^ 『「西日本豪雨(平成30年7月豪雨)」に伴う運転状況などについて(2018年8月8日時点)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2018年8月8日 。2023年6月8日閲覧。
- ^ a b “矢野駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年3月27日閲覧。
- ^ バス情報 路線バス 広電バス
参考文献
編集- 各 広島市統計書
関連項目
編集外部リンク
編集- 矢野駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道