産経国際書展
産経国際書展(さんけいこくさいしょてん)は、産経新聞社と産経国際書会が主催する書の公募展である。日展、毎日書道展、読売書法展と並ぶ「四大書道展」の一つで[要出典]、書芸術の国際交流と創作活動を目的[1]としており、米国や中国、韓国、シンガポール、フランスなどから多くの作品が寄せられ、交流に大きな役割を果たした書家には高円宮妃久子から直接「高円宮賞」が授与される[2]。
概要
編集1984年(昭和59年)に第1回が開催。最も自由で創造性豊かな書道展として認知されている[要出典]。公募は毎年5月初旬に締め切られ、「漢字」「かな」「現代書」「臨書」「篆刻・刻字」の各部門で9000点近い応募がある。審査は6月、漢字部門では少字数・多字数・篆刻、現代書部門では少字数書・近代詩文書・墨象・刻書・刻字などときめ細かく分類され、行われる。贈賞式は7月~9月、高円宮妃久子を迎えて行われ(各賞は後述)、その後、東京都美術館などで展示される。
また、全国巡回展として「東北展」「瀬戸内展」「中部展」「関西展」も開催される。1989年(平成元年)からは併せて「産経ジュニア書道コンクール」も開催。約1万点の作品が集まる[要出典]。
2007年の第24回産経国際書展では、俳優の片岡鶴太郎が一般公募現代書部門に作品名「骨」を出品、絵画にもみえる作風で産経新聞社賞を受賞。2020年(令和2年)の第37回産経国際書展(7月27日~8月2日)ではタレントの中山秀征や松村雄基、岡部まり、女優の藤田三保子も作品も展示するほか、前年に引き続き「書で結ぶ世界と日本」展として特別色紙展を併催。アルメニア、タンザニア、ブルキナファソ、ルーマニア、ラトビアの5ヶ国の駐日大使が「平和」「希望」を自国語で書作を展示する[3]。
沿革
編集従来の書壇の在り方に飽き足らず「『本物の書』とは」「『書芸術』とは」を模索する書家たちが集まり1984年(昭和59年)9月28日に「産経国際書会(英: SANKEI International SHO Association)」を発足した。創設メンバーは、現代書の大家小川瓦木と國井誠海、伝統書の十鳥霊石、林錦洞、山田松鶴ら。
そして第1回産経国際書展を同年4月13日から新宿区の朝日生命ギャラリーで開催(5月1日まで[4])。新宿副都心は「新しい書」を求める人々の熱気であふれた。
産経国際書会は基本理念として「3C」(Clean=清潔、Clear=明朗、Creative=創造。のちにCharacter=品格を加え「4C」に))を掲げており、公開審査を行うなど画期的な試みで、実力本位の書家の発表の場として発展した[要出典]。
また、国際交流にも注力。1990年(平成2年)のインドネシアを皮切りに、チェコや米国、中国、韓国、中華民国(台湾)などで海外交流展を開催。1993年から5年間、全米巡回展も行っている。国際交流への貢献を評価する「高円宮賞」が第22回展から設けられた[5]。
各賞
編集高円宮賞、内閣総理大臣賞、中国大使館賞、韓国文化院長賞、伊達政宗賞、産経国際書会会長賞、産経国際書会理事長賞、国際大賞、文部科学大臣賞、外務大臣賞、産経大賞、産経準大賞、無鑑査会員特別奨励賞、太田道灌やまぶき賞、太宰府天満宮賞、無鑑査会員奨励賞、会友賞、会友奨励賞、東京都知事賞、産経新聞社賞、フジテレビジョン賞、ニッポン放送賞、国際賞、U-23賞
主な産経国際書展出身の書道家
編集歴代受賞者
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- 第1回(1984年〈昭和59年〉) -
- 第2回(1985年) -
- 第3回(1986年) -
- 第4回(1987年) -
- 第5回(1988年) -
- 第6回(1989年〈平成元年〉) -
- 第7回(1990年) -
- 第8回(1991年) -
- 第9回(1992年) -
- 第10回(1993年) -
- 第11回(1994年) - 産経国際書会会長賞=青陽如雲、菊池仙水(ともに漢字)、西川万里(現代書)▽文部大臣奨励賞=山下翠香(漢字)▽産経大賞=浅田澄華(臨書)▽東京都知事賞=鈴木真眼(現代書)
- 第12回(1995年) - 産経国際書会会長賞=青野水明(漢字)、増田愛子(かな)、奥村桃曄(現代書)▽文部大臣奨励賞=三羽英一(現代書)▽産経大賞=松本清香(かな)▽東京都知事賞=石川杏華(漢字)
- 第13回(1996年) - 産経国際書会会長賞=木村大澤(漢字)、森田苓雪(現代書)▽国際大賞=真々田壽扇(漢字)▽文部大臣奨励賞=諸留大穹(現代書)▽産経大賞=小泉玲洸(漢字)▽東京都知事賞=若林松容(漢字)▽国際賞=松永満智子(現代書)
- 第14回(1997年) - 産経国際書会会長賞=里芳倫(漢字)、小嶋慶子(現代書)▽国際大賞=伊藤敏道(現代書)▽文部大臣奨励賞=服部翠鳳(漢字)▽産経大賞=楊井ミドリ(現代書)▽東京都知事賞=工藤淡香(現代書)▽国際賞=胡永華(漢字)
- 第15回(1998年) - 産経国際書会会長賞=古谷紫水(漢字)、篠原秀朋(かな)、齋藤一滴(現代書)▽国際大賞=鈴木祐洞(漢字)▽文部大臣奨励賞=武内墨芳(現代書)▽産経大賞=篠原寒鵬(かな)▽東京都知事賞=佐野雪洲(漢字)▽国際賞=ラモス逸子(現代書)
- 第16回(1999年) - 産経国際書会会長賞=戸叶幽翠(漢字)、見学素影(かな)、松本美娜(現代書)▽国際大賞=村田白葉(漢字)▽文部大臣奨励賞=工藤歳華(現代書)▽産経大賞=藤原育代(かな)▽東京都知事賞=加藤清歌(漢字)▽国際賞=ラモス逸子(現代書、2年連続)
- 第17回(2000年、「内閣総理大臣賞」を制定) - 内閣総理大臣賞=小川瓦木(現代書)▽産経国際書会会長賞=小林紫雲(漢字)、村田白葉(かな)、諸留大穹(現代書)▽国際大賞=小野沢美香(現代書)▽文部大臣奨励賞=知久聖風(現代書)▽産経大賞=木村青華(かな)▽東京都知事賞=武内錦節(漢字)▽国際賞=洪尭政(漢字)
- 第18回(2001年) - 内閣総理大臣賞=国井誠海(現代書)▽産経国際書会会長賞=服部翠鳳(漢字)、村田白葉(かな)、諸留大穹(現代書)▽国際大賞=町田螢雪(漢字)▽文部科学大臣奨励賞=渡辺祥華(漢字)▽産経大賞=中根花亭(臨書)▽東京都知事賞=田中秀幸(現代書)▽国際賞=大田昌子(現代書)
- 第19回(2002年) - 内閣総理大臣賞=山田松鶴(漢字)▽産経国際書会会長賞=黒田浩芳(漢字)、見崎白舟(かな)、沖浦淳(現代書)▽国際大賞=市川汀鶴(現代書)▽文部科学大臣奨励賞=田林恵子(現代書)▽産経大賞=永田昌子(現代書)▽国際賞=西原ジュリー(現代書)
- 第20回(2003年) - 内閣総理大臣賞=林錦洞(漢字)▽産経国際書会会長賞=小泉玲洸(漢字)、服部翠鳳(かな)、小林千津(現代書)▽国際大賞=佐藤煒水
- 第21回(2004年) - 内閣総理大臣賞=佐野丹丘(現代書)▽産経国際書会会長賞=山壁秀竹(漢字)、望月桂紅(かな)、藤平隆仙(現代書)▽国際大賞=荘司欣水(現代書)
- 第22回(2005年) - 高円宮賞=佐々木月花(現代書)▽内閣総理大臣賞=三宅剣龍(漢字)▽産経国際書会会長賞=石川杏華(漢字)、武富明子(かな)、町山一祥(現代書)▽国際大賞=松戸清玲(現代書)▽文部科学大臣奨励賞=福田城風(漢字)▽産経大賞=永田昌子(かな)▽東京都知事賞=吉川妙子(現代書)▽国際賞=片岡静柳(漢字)
- 第23回(2006年) - 高円宮賞=米国書道研究会(会長・生田観周)▽内閣総理大臣賞=田中鳳柳(漢字)▽産経国際書会会長賞=刑部翆風(漢字)、小宮求茜(かな)、山田秀園(現代書)▽国際大賞=芳賀祥緑(漢字)
- 第24回(2007年) - ▽高円宮賞=本多道子(現代書)▽内閣総理大臣賞=村越龍川(漢字)▽産経国際書会会長賞=松岡静仙(漢字)、玉田子翠(かな)、中野和博(現代書)▽産経新聞賞=片岡鶴太郎(現代書)
- 第25回(2008年) - 高円宮賞=田中蘆雪(漢字)▽内閣総理大臣賞=齋藤香坡(漢字)▽中国大使館賞=昆逸山氏(漢字)▽韓国文化院長賞=松長峰石(漢字)▽産経国際書会会長賞=佐藤豊泉(漢字)、寺田芳泉(かな)、建部恭子(現代書)▽国際大賞=望月真玉(漢字)▽文部科学大臣賞=菊山武士(現代書)▽外務大臣賞=熊切渓石(漢字)▽産経大賞=小久保里子(現代書)▽東京都知事賞=友野美豊(漢字)▽国際賞=酒井真澄(現代書)
- 第26回(2009年) -
- 第27回(2010年) -
- 第28回(2011年) -
- 第29回(2012年) -
- 第30回記念(2013年) - 高円宮賞=山下海堂(漢字)▽内閣総理大臣賞=島村谿堂(漢字)▽中国大使館文化部賞=太田愛石(漢字)▽韓国文化院長賞=白崎菖汀(かな)▽伊達政宗賞=奥村桃曄(現代書)▽産経国際書会会長賞=田中龍渕(漢字)、池田翆漣(かな)、鈴木成翠(現代書)▽国際大賞=竹増陽子(現代書)▽文部科学大臣賞=武藤華風(漢字)▽外務大臣賞=柴村志風(漢字)▽産経大賞=松田真香(かな)▽太宰府天満宮賞=田中春畝(漢字)[6]
- 第31回(2014年) - 高円宮賞=岩田正直(漢字)▽内閣総理大臣賞=今口鷺外(漢字)▽中国大使館文化部賞=佐藤青苑(漢字)▽韓国文化院長賞=三上錦水(漢字)▽伊達政宗賞=大橋玉樹(現代書)▽産経国際書会会長賞=田代翠龍(漢字)、林弘子(かな)、降幡加津(現代書)▽国際大賞=小名玉花(漢字)▽文部科学大臣賞=京野和子(現代書)▽外務大臣賞=信藤緑華(漢字)▽産経大賞=櫻井孝子(現代書)▽太宰府天満宮賞=唐崎静彩(漢字)[7]
- 第32回(2015年) - 高円宮賞=伊藤欣石(現代書)▽内閣総理大臣賞=加藤深流(現代書)▽中国大使館文化部賞=森井翠鳳(漢字)▽韓国文化院長賞=佐藤静香(現代書)▽伊達政宗賞=芳賀祥緑(漢字)▽産経国際書会会長賞=石黒鴻羽(漢字)、石川由美(かな)、小嶋カズ子(現代書)▽産経国際書会理事長賞=村越弘鷹(漢字)▽国際大賞=中川なほみ(現代書)▽文部科学大臣賞=吉本雪華(漢字)▽外務大臣賞=平野恵亮(現代書)▽産経大賞=鈴木蒼(かな)▽太宰府天満宮賞=釜木玲石(漢字)[8]
- 第33回(2016年) - 高円宮賞=多田游硯(かな)▽内閣総理大臣賞=原田圭泉(現代書)▽中国大使館文化部賞=上野鶴陽(漢字)▽韓国文化院長賞=岩下鳳堂(漢字)▽伊達政宗賞=黄木孝一(現代書)▽産経国際書会会長賞=加藤松亭(漢字)、鈴木蒼(かな)、山本てるみ(現代書)▽産経国際書会理事長賞=小杉秀花(現代書)▽国際大賞=堀川梨華(漢字)▽文部科学大臣賞=加畑理亜(現代書)▽外務大臣賞=法月秀峰(かな)▽産経大賞=関口香雪(漢字)▽太宰府天満宮賞=別府桂苑(漢字)[9]
- 第34回(2017年) - 高円宮賞=風岡五城(漢字)▽内閣総理大臣賞=青陽如雲(漢字)▽中国大使館文化部賞=寺尾桂翠(漢字)▽韓国文化院長賞=望月暁云(漢字)▽伊達政宗賞=建部恭子(現代書)▽産経国際書会会長賞=飯田恵美子(漢字)、清水小舟(かな)、渡辺敦子(現代書)▽産経国際書会理事長賞=津久井桂葉(漢字)▽国際大賞=横溝景陽(現代書)▽文部科学大臣賞=村松道愉(漢字)▽外務大臣賞=高橋雄喜(現代書)▽産経大賞=山本美峰(かな)太宰府天満宮賞=藤井玉暎(漢字)[10]
- 第35回記念(2018年) - 高円宮賞=坂本香心(漢字)▽内閣総理大臣賞=岩間清泉(現代書)▽中国大使館文化部賞=石井長慶(篆刻刻字)▽韓国文化院長賞=岡美知子(現代書)▽第35回記念特別賞=小林静洲(現代書)▽日中平和友好条約締結40周年記念賞=岩浅写心(現代書)▽第35回記念賞=法月秀峰(かな)▽産経国際書会会長賞=大久恵華(現代書)、河内紅漣(漢字)、山本美峰(かな)▽産経国際書会理事長賞=諏訪春蘭(現代書)▽国際大賞=銅山桂銅(漢字)▽伊達政宗賞=五戸光岳(現代書)▽第35回記念賞=鎌田嘉壽(漢字)▽文部科学大臣賞=野﨑子慶(かな)▽外務大臣賞=渡辺吾風(漢字)▽産経大賞=竹内花子(現代書)▽太宰府天満宮賞=高垣琴紅(漢字)[11]
- 第36回(2019年〈令和元年〉) - 高円宮賞=渡邉麗(現代書)▽内閣総理大臣賞=田村政晴(現代書)▽中国大使館文化部賞=伊東玲翠(漢字)▽韓国文化院長賞=赤堀翠柳(漢字)▽産経国際書会会長賞=鈴木暁昇(漢字)、大田美州(かな)、倉賀野静子(現代書)▽産経国際書会理事長賞=和田玲砂(漢字)▽国際大賞=平野恵亮(現代書)▽伊達政宗賞=鈴木葉光(漢字)▽文部科学大臣賞=川野美鳳(現代書)▽外務大臣賞=書川野美(現代書)▽産経大賞=増田孝志(かな)▽太宰府天満宮賞=向井恵風(漢字)[11]
- 第37回(2020年) - 高円宮賞、内閣総理大臣賞、中国大使館文化部賞、韓国文化院長賞=選考せず[12]▽伊達政宗賞=渡辺龍泉(現代書)▽産経国際書会会長賞=伊藤秀泉(漢字)、鷲華陽(かな)、星野秀水(現代書)▽産経国際書会理事長賞=木村翠川(現代書)、三宅華子(篆刻刻字)▽国際大賞=大竹翠葉(漢字)▽文部科学大臣賞=現代書部門渡邊洋子(神奈川県)▽外務大臣賞=須田紀泉(かな)▽産経大賞=東海林白扇(漢字)▽太宰府天満宮賞=郷司翠楓(漢字)[3]
後援
編集- フジサンケイグループ各社(フジテレビジョン、ニッポン放送、サンケイスポーツ、夕刊フジ、扶桑社、フジサンケイ ビジネスアイなど)
- 外務省
- 文化庁
- 東京都
- 中華人民共和国駐日本国大使館
- 駐日本国大韓民国大使館
脚注
編集- ^ 産経新聞2020年(令和2年)7月25日朝刊 第37回産経国際書展入賞・入選作品決まる 27日から展覧会
- ^ ごあいさつ - 産経国際書会
- ^ a b 産経新聞2020年7月25日朝刊 第37回産経国際書展入賞・入選作品決まる 27日から展覧会
- ^ 産経国際書会のあゆみ - 産経国際書会
- ^ 産経新聞2018年(平成30年)12月26日朝刊 産経国際書会「本物」追い求め35年
- ^ 第30回記念 産経国際書展 特別賞一覧
- ^ 第31回 産経国際書展 特別賞一覧
- ^ 第32回 産経国際書展 特別賞一覧
- ^ 第33回 産経国際書展 特別賞一覧
- ^ 第34回 産経国際書展 特別賞一覧
- ^ a b 第35回記念 産経国際書展 特別賞一覧
- ^ 新型コロナウイルスによる影響を考慮