猪鹿牧
猪鹿牧(いがのまき)は、信濃国安曇郡(現在の長野県安曇野市穂高牧)に存在した勅旨牧。信濃十六牧の一つ。牧の別当は大伴氏流細萱氏であった。
概要
編集西には、北アルプスが聳え、周辺に烏川、川窪沢川がある。放牧地である烏川谷の扇状地は奥が開けていて深く、牧場として最適地である。『政事要略』には毎年8月15日の宮中駒牽の儀のために貢馬を献上する勅旨牧の一つに挙げられ、承久7年(1225年)の駒牽にも貢馬の記事が見え、信濃国内でも有力な牧であったことが窺える。
現在、牧地籍には、8世紀の猪鹿牧にかかわる氏族のもの推定される古墳が12基存在している。穂高神社所有の文亀元年(1051年)の『三宮穂高社御造宮定日記』には「伊鹿牧」の記述がある。