照明弾
照明弾(しょうめいだん、illuminating flare, star shell)は、銃・砲・飛行機・船舶・車両などから夜間に発光する物体を空中に放ち、周囲を照らし視界を確保したり、味方に合図を行うために使用するものである。英語のstar shellの直訳から星弾(せいだん)とも呼ばれる。
軍事用の照明弾
編集夜間に目標を照明し観測するために使用する砲弾等である。榴弾砲や迫撃砲、信号拳銃などの各種火器で上空に打ち上げられるか、航空機から投下され、空中でパラシュートを開き、降下しながら数分間周囲を照射する。 ベトナム戦争を戦ったアメリカ軍では、航空機の欺瞞兵器として発展したフレアも照明弾として使用した[1]。
発光物質は古くはアルミニウム粉、硝酸バリウム、硫黄をワセリン、パラフィンなどで練り合わせた物が使用されてきた。近年では、アルミニウム粉よりも強い光を出すマグネシウム粉と硝酸ナトリウムが使用されるようになった。
構造
編集砲弾の場合の構造は、弾殻が輪切りになるように二つに分かれており、一方がもう一方に圧入されるか接合されて一発の弾丸を形成する。信管は弾頭か弾底に設置され、空中で作動させるという特性上、時限信管が装着されることが多い。
内部構造は、アルカリ金属やアルカリ土類金属を主成分とする照明剤を詰めた容器がパラシュートと繋がっており、弾殻を分裂させながらこれを射出する放出火薬と、照明剤着火の導火線にあたる火管が内蔵されている。
類似品
編集照明弾の種類
編集- M314照明弾(M314 105mm Illuminating Cartridge)
照明弾に関連する事故
編集脚注
編集- ^ “AC130J「ゴーストライダー」に搭乗、米軍最大の航空砲を搭載”. CNN (2024年8月10日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ 「自衛隊機が墜落 銚子沖 乗員11人絶望」『日本経済新聞』昭和40年7月17日夕刊 1面
- ^ 「照明弾投下操作誤る?新型の実験中」『日本経済新聞』昭和40年7月18日 15面