炳霊寺石窟
炳霊寺石窟(へいれいじせっくつ、拼音: )は、中華人民共和国の黄河沿いの渓谷にある仏教石窟。自然の洞窟やそこに彫刻された仏像群で構成されている。黄河流域にある劉家峡水力発電所の北岸にある。所在地は、蘭州から南東に100キロ離れた甘粛省臨夏回族自治州永靖県。
ユネスコ世界遺産 | |
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弥勒大仏 | |
所在地 | 中国甘粛省臨夏回族自治州永靖県 |
所属 | シルクロード:長安-天山回廊の交易路網 |
登録区分 | 文化遺産: ii, iii, iv, vi |
参照 | 1442-027 |
登録 | 2014年(第38回委員会) |
面積 | 132.62 ha (0.5120 sq mi) |
緩衝地帯 | 2,044.37 ha (7.8934 sq mi) |
座標 | 北緯35度48分38秒 東経103度02分54秒 / 北緯35.81056度 東経103.04833度座標: 北緯35度48分38秒 東経103度02分54秒 / 北緯35.81056度 東経103.04833度 |
「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」の一部として世界遺産に登録されている。中国の5A級観光地(2020年認定)でもある[1]。石窟は1000年以上前から開かれており、最初の岩屋は西秦末期の420年頃に作られた。北魏・北周・隋・唐・宋・元・明・清の各王朝で石窟の拡張が続けられた。それぞれの石窟寺院の様式は、王朝ごとの典型的な美術様式と容易に結びつけることができる。炳霊寺は様式的にも地理的にも、アフガニスタンのバーミヤンの石仏群と中国中央部の石窟寺院群、大同付近の雲崗石窟、洛陽付近の龍門石窟の中間に位置する。
何世紀にもわたって、地震・浸食・略奪者が石窟や内部の芸術的な宝物の多くを損壊・破壊してきた。現在では、183の石窟、694体の石像、82の粘土彫刻が残っている。仏像やフレスコ画で満たされた石窟およびレリーフ群は、約200メートルにわたって峡谷の北側に並んでいる。それぞれの石窟は、数々の仏像が収められた小寺院のようなものである。これらの石窟群は、崖側に隠れた洞窟や、高さ27メートル以上もある巨大な弥勒菩薩像に向かって、木製の歩道が不安定に岩面に取り付いている巨大な天然洞窟でクライマックスを迎える。
観光
編集現存する彫刻やフレスコ画は、仏教美術の優れた例であり、世界中から訪れる人々を惹きつけている。都市部から隔絶された僻地にあるため、夏季と秋季の間のみ水力発電所を経由して船で行くことができる。船は、劉家峡ダム付近 (永靖県) から出ており、ダム内の他の港からも出ることがある。夏秋以外の時季には、陸路が存在しないため、遺跡に近づくことは出来ない。
脚注
編集- ^ “甘肃省临夏州炳灵寺世界文化遗产旅游区”. www.mct.gov.cn. 中華人民共和国文化観光部 (2021年7月22日). 2023年2月3日閲覧。