港座(みなとざ)は、かつて愛知県名古屋市中区門前町4-8(現・大須2丁目)にあった映画館

港座
1946年頃の港座
情報
開館 1929年6月16日
客席数 520席
用途 映画上映
運営 湯浅義雄
所在地 愛知県名古屋市中区門前町4-8
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歴史

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戦前の歴史

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1914年(大正3年)3月14日、名古屋市中区門前町大須)の浅間通(現・大須観音通)に、坂東鶴之助一座の歌舞伎をこけら落としとして港座が開場した[1]。1920年(大正9年)9月20日には活動常設館に転換し、オープニングとしてモーリス・トゥールヌール英語版監督の『ウーマン英語版』を上映した[2]

1929年(昭和4年)6月16日に改築され[1]、オープニングとして溝口健二監督作『東京行進曲』とマキノ・プロダクションの時代劇『乳姉妹』を上映した[2]。いずれもサイレント映画である。改築後には日活片岡千恵蔵プロダクションの名古屋における封切館となった[3]

戦後の歴史

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ストリップ劇場時代

戦後の1947年(昭和22年)にはストリップ劇場となり、1954年(昭和29年)3月には「尼寺変態愛戯史」のストリップ興行で尼僧法団東海支部から抗議を受けている[4]。1957年(昭和32年)には邦画上映館に戻った[4]

1961年(昭和36年)頃には港座裏手の楽屋部分に小屋を建ててストリップ劇場の港ミュージックとした[5]。1965年(昭和40年)10月1日にこの建物を用いて開場したのが大須演芸場である[5]。その後、港座の建物は取り壊され、1966年(昭和41年)11月には跡地に愛知県中小企業福祉会館が建った[5]

脚注

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  1. ^ a b 柴田勝『中京名古屋映画興行の変遷』柴田勝、1974年、p.23、p.33
  2. ^ a b 伊藤紫英『シネマよるひる 改稿名古屋映画史』自費出版、1984年、pp.134-139
  3. ^ 島洋之助『百万・名古屋』名古屋文化協会、1932年、p.124-127
  4. ^ a b 名古屋タイムズ・アーカイブス委員会『大須レトロ』樹林舎、2010年、p.133
  5. ^ a b c 平野豊二『大須大福帳』双輪会、1980年、pp.540-541

参考文献

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  • 島洋之助『百万・名古屋』名古屋文化協会、1932年
  • 柴田勝『中京名古屋映画興行の変遷』柴田勝、1974年
  • 平野豊二『大須大福帳』双輪会、1980年
  • 伊藤紫英『シネマよるひる 改稿名古屋映画史』伊藤紫英、1984年
  • 名古屋タイムズ・アーカイブス委員会『大須レトロ』樹林舎、2010年

座標: 北緯35度09分34.4秒 東経136度54分02.6秒 / 北緯35.159556度 東経136.900722度 / 35.159556; 136.900722