渡嘉敷島

沖縄県、慶良間諸島にある島

渡嘉敷島(とかしきじま)は、沖縄県島尻郡渡嘉敷村に属する島である。那覇の西方約30kmに位置し、慶良間諸島の東端にある。渡嘉敷村の役場が設置されるなど、慶良間諸島を構成する主たる島の一つとなっている。

渡嘉敷島
2008年11月に撮影した空中写真18枚を合成。
出典:『国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」(配布元:国土地理院地図・空中写真閲覧サービス)』
所在地 日本の旗 日本沖縄県島尻郡渡嘉敷村
所在海域 東シナ海
所属諸島 慶良間諸島
座標 北緯26度11分52秒 東経127度21分52秒 / 北緯26.19778度 東経127.36444度 / 26.19778; 127.36444 (渡嘉敷島)座標: 北緯26度11分52秒 東経127度21分52秒 / 北緯26.19778度 東経127.36444度 / 26.19778; 127.36444 (渡嘉敷島)
面積 15.31 km²
海岸線長 25 km
最高標高 227 m
最高峰 赤間山
渡嘉敷島の位置(沖縄諸島内)
渡嘉敷島
渡嘉敷島の位置(南西諸島内)
渡嘉敷島
渡嘉敷島の位置(日本内)
渡嘉敷島
     
プロジェクト 地形
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交通

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航路

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  • 渡嘉敷村営
    • 那覇港(泊埠頭) - 渡嘉敷港 (高速船「マリンライナーとかしき」で35分:2-3便/日、フェリー「フェリーとかしき」で70分:1便/日)
      フェリーについては2013年3月より新船「フェリーとかしき」に代替され、旧船「フェリーけらま」は退役した[1][2]
  • 座間味村営
  • 慶良間空港からは、かつて定期航路が存在したが後に廃止されている。
  • 渡嘉敷村に属し、数世帯が居住しているとされる前島との定期航路は存在しないため、同島へ渡る場合はツアーに参加するか漁船等をチャーターする必要がある。

島内交通

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渡嘉敷港 - 阿波連ビーチ間でとかしき観光バス乗合バスを運行している。所要時間20分。渡嘉敷港での定期船の発着に合わせて運行される。途中、役場前に停車する。

歴史

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先史時代から人の居住があり、舟越(ヒナクシ)貝塚などの遺跡がある。琉球王朝時代に代々渡唐船の船頭を務めた根元家を始めとして優秀な船乗りを輩出しており、17世紀半ばには沖縄中国を往来する船の監視を目的に座間味島渡名喜島久米島とともに烽火台(「ヒータティヤー」)が設置されている。

第二次世界大戦末期、沖縄戦では、渡嘉敷島に海上挺進第3戦隊 (隊長: 赤松嘉次) の基地が置かれていたため、米軍の激しい攻撃にさらされた。3月27日の米軍上陸後、28日には赤松隊の命令で赤間山の空き地に集められ集団自決が始まった[5]。住民の約半数にあたる368名が犠牲となった。自決場に「白玉之塔」が建立されたが、1962年、米軍が赤間山に地対空ホークミサイル基地を建設するために接収し、山は大きく削られた。慰霊碑は儀津岬に移された。1972年に基地は返還され国有地となり、現在は「国立沖縄青少年交流の家」となっている。

産業

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全産業従事者の内で第三次産業従事者が80%以上を占め[6]、年間来島者が島内人口の100倍以上の10万人を超えるなど[7]観光業が主産業となっている。

漁業農業従事者はいずれも5%未満だが[6]、周辺海域は好漁場で小規模ながら一本釣りはえ縄によるマグロカツオ漁が行われている。また、島には森林が多く水資源が豊富なこともあり、渡嘉敷地区では稲作も営まれている。

観光

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阿波連・渡嘉志久という2つの美しいビーチがある一方、海の透明度は50-60メートルに及ぶなど世界でも屈指で、ダイビング[要曖昧さ回避]を始めとしたマリンスポーツが盛んである。また、12月末から3月にかけて島の周辺を回遊するザトウクジラを狙ったホエールウォッチングも行われる。

主な施設・観光名所

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  • 阿波連ビーチ
    阿波連集落に沿って約800mの白砂の浜が続く。正面にシブがき島がある。
    阿波連ビーチは2016年にトリップアドバイザーが発表した「トラベラーズチョイス世界のベストビーチ2016」の日本国内のランキングで6位となった[8]
  • 渡嘉志久(とかしく)ビーチ
    半円状に約800m続く白砂の浜。宿泊施設が少ないため、阿波連ビーチに比べて人が少ない。
  • 離島(はなりじま)[9]
    阿波連集落の沖合約800mに位置する無人島[9]。1988年にテレビ番組の企画でアイドルグループシブがき隊の解隊を記念して「シブがき島」と命名された。島の岩壁の下には、シブがき隊の3人を模した胸像が設置されたが後に酷く破損して原型は留めていない[10]。破損の理由は台風により石が当たったせいとも、ファンの誰かが持っていってしまったとも言われている[10]。2000年代にメンバーだった布川敏和桑野信義と共に、以前とは違う姿で改修しているが、2010年時点で再び劣化している[11]
  • 赤間山
    360°視界が開け、西に慶良間諸島、東に沖縄本島、のほか、晴天時には粟国島伊江島等も見ることができる。
  • ヒータティーヤー(烽火台)
  • 根元家の石垣
    琉球王朝時代に建てられた石灰岩を精巧に積み上げた石垣。建設当時の同家の繁栄ぶりとの職人の技術の高さを垣間見ることができる。村指定有形文化財。
  • 白玉の塔
  • 戦跡碑
  • 集団自決跡地碑
  • 歴史民俗資料館
    島内の歴史・民俗関係の資料を展示している。沖縄戦時の遺品や、ザトウクジラ(幼獣)の骨格標本もある。
  • 国立沖縄青年の家
  • 渡嘉敷村青少年旅行村
  • 舟越(ヒナクシ)貝塚
  • 阿波連浦貝塚
  • 船越原遺跡

脚注

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  1. ^ 『新造船ガイド2013「フェリーとかしき」』(にっぽん全国たのしい船旅2013-2014)p.94 - イカロス出版 イカロスMOOK(2013年8月発行)ISBN 9784863207448
  2. ^ 「けらま」運航終える 渡嘉敷定期船舶 - 琉球新報(2012年3月16日付、2013年8月24日閲覧)
  3. ^ 座間味村と渡嘉敷村を結ぶ「ケラマ航路」、4月27日運航開始 - 座間味村(2013年4月24日付、同月29日閲覧)
  4. ^ 座間味村(座間味島、阿嘉島)と渡嘉敷村(阿波連港)を結ぶ内海航路の運航を開始します (PDF) (座間味村公営企業課) - 渡嘉敷村(2013年4月24日付、同月29日閲覧)
  5. ^ 内閣府 証言集
  6. ^ a b 平成12年度国勢調査
  7. ^ 平成13年の来島者は102,916名。渡嘉敷村観光協会調査による。
  8. ^ 「日本のベストビーチ10選」2位以下は沖縄が独占! それでは1位は? 沖縄タイムス、2016年2月20日閲覧。
  9. ^ a b 日本歴史地名大系(オンライン版) ジャパンナレッジ(『日本歴史地名大系』 平凡社、1979年-2002年 を基にしたデータベース)
  10. ^ a b フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 3』講談社、2003年。 
  11. ^ シブがき島”. ふっくんの日々是好日 布川敏和オフィシャルブログ (2010年4月29日). 2020年6月4日閲覧。

参考文献

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  • 『日本の島ガイド SHIMADAS』(財)日本離島センター、2004年

関連項目

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外部リンク

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