三日月湖
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三日月湖(みかづきこ)とは、河川の自然堤防帯(扇状地から三角州へ至る区間)における蛇行の進行の結果、河道が切断され短絡化し形成された旧流路のことである[1][2]。典型例として石狩川の中流が挙げられる[2]。河跡湖(かせきこ)、馬蹄湖(ばていこ)、牛角湖(ぎゅうかくこ)などとも呼ばれる。
三日月湖の形成
編集氾濫原の中を蛇行する河川は、僅かな地層、地形の変化で幾つものカーブを創り出す。カーブの外側では侵食、内側では堆積が行われるために、カーブは徐々に大きなものとなり、根元の括れが小さくなっていく。やがてカーブ同士が接合して流路が短絡されると川の水は短絡路を流れるようになり、大きくカーブしていた旧河道は流れから取り残される。その結果、新河道と旧河道との間に土砂が堆積して旧河道は河川から切り離されて湖となる。多くの場合、この湖が三日月形となっているため三日月湖と呼ばれる。
また、洪水などによって大規模な侵食が起きて流れが変わったり、河川改修にともなう人工的な流路変更によって同様の地形が作り出されることがある。このような地形が陸地化された場合、地震による液状化現象の原因となることが多く、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)でクローズアップされた。
三日月湖が現存する主な河川
編集日本
編集脚注
編集参考文献
編集- 貝塚爽平 著「川のつくる堆積地形」、貝塚爽平・太田陽子・小疇尚・小池一之・野上道男・町田洋・米倉伸之 編『写真と図でみる地形学』東京大学出版会、1985年、46-57頁。ISBN 978-4-13-062080-2。
- 小池一之 著「沖積低地の発達と変化に富んだ海岸線」、太田陽子・小池一之・鎮西清高・野上道男・町田洋・松田時彦 編『日本列島の地形学』東京大学出版会、2010年、146-153頁。ISBN 978-4-13-062717-7。