サラソウジュ
サラソウジュ[1](沙羅双樹、娑羅双樹、学名: Shorea robusta)は、フタバガキ科サラノキ属の常緑高木。シャラソウジュ、サラノキ、シャラノキともいう。ただし、これらの名で呼ばれ、日本の寺院に聖樹として植わっている木のほとんどは、本種ではなくナツツバキである。
サラソウジュ | |||||||||||||||||||||
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Shorea robusta(1874年)
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||
LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List Ver.2.3 (1994)) | |||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Shorea robusta Gaertner f. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
サラソウジュ(沙羅双樹) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Sal tree |
ラワンの一種レッドラワン(S. negrosensis)と同属である。
特徴
編集幹高は30mにも達する。春に白い花を咲かせ、ジャスミンにも似た香りを放つ。
耐寒性が弱く、日本で育てるには温室が必要である。こうした植物園の例としては、草津市立水生植物公園みずの森や新宿御苑がある。日本の気候では育たないため、日本各地の仏教寺院では本種の代用としてツバキ科のナツツバキが植えられており、「サラソウジュ」やその別名で呼ばれている。
分布
編集サラソウジュと仏教
編集沙羅樹は神話学的には復活・再生・若返りの象徴である「生命の木」に分類されるが[2]、仏教では二本並んだ沙羅の木の下で釈尊が入滅したことから般涅槃の象徴とされ、沙羅双樹とも呼ばれる[3]。
サンスクリットではシャーラ(サンスクリット語: शाल, śāla)またはサーラ(サンスクリット語: साल, sāla)と呼ばれる。日本語の沙羅樹の「シャラ」または「サラ」はこれに由来している。 現代ヒンディー語での名はサール(sāl)。
釈迦がクシナガラで入滅(死去)したとき、臥床の四辺にあったという、4双8本の沙羅樹。時じくの花を咲かせ、たちまちに枯れ、白色に変じ、さながら鶴の群れのごとくであったという(「鶴林」の出典)。
以上のように伝本により木の本数には異同がある。しかし、いずれにせよ「双」は元々の樹木の名に含まれておらず、二本もしくは二本組ずつになった木の謂である。
仏教三大聖樹
編集利用
編集かつて東南アジア、とりわけマレー半島近隣で用材として家屋の建築やカヌー(舟)等に広く使用された。樹脂は香料や船板の水漏れ防ぐための槙皮(まいはだ)として、種子胚芽から取れる油は地域によって燈火や料理に用いられる。
関連作品
編集文学・絵画
編集音楽・映像
編集脚注
編集出典
編集- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2011年5月13日閲覧。
- ^ 『古代伝説と文学』 土居光知 (岩波書店) 272-285頁 1968年第5
- ^ 仏教教化出版センター、仏教説話大系28 大乗仏教抄〈一〉『法華経物語』鈴木出版、P.101.ISBN 4-7902-0028-0
関連項目
編集外部リンク
編集- Ashton, P. (1998). "Shorea robusta". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2.3. International Union for Conservation of Nature. 2011年5月13日閲覧。
- "Shorea robusta Gaertner f." (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2011年5月13日閲覧。
- "Shorea robusta Gaertner f." - Encyclopedia of Life
- すずき みのり. “「サラノキ」(ショレア・ロブスタ)”. 花夢ギャラリー. 2010年12月23日閲覧。