池内沙織
池内 沙織(いけうち さおり、1982年9月15日[2] - )は、日本の政治家。日本共産党所属の元衆議院議員(1期)。選挙運動などでは池内さおりの表記を使う。
池内 沙織 いけうち さおり | |
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生年月日 | 1982年9月15日(42歳) |
出生地 | 日本 愛媛県松山市 |
出身校 | 中央大学法学部 |
前職 |
日本民主青年同盟専従 日本民主青年同盟東京都委員会副委員長 |
現職 |
日本共産党東京都委員会青年学生部員 日本共産党中央委員 |
所属政党 | 日本共産党 |
称号 | 学士(法学) |
配偶者 | 有 |
公式サイト | 池内さおりホームページ |
選挙区 | 比例東京ブロック(東京12区) |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2014年12月19日[1] - 2017年9月28日 |
経歴
編集愛媛県松山市に生まれる。両親は飲食店を営んでいた[3]。小中学校ではバスケットボール部に所属[4]。2001年3月、愛媛県立松山東高等学校卒業。同年4月に中央大学法学部法律学科に入学し、法律を学びながら仲間とロックバンドを結成し、ヴォーカルとしてライブ活動をしていた[4]。
民青加盟・日本共産党入党
編集中央大学在学中に日本共産党学生党員であった友人に誘われて、日本民主青年同盟(民青同盟)に加盟した。2003年2月、21歳のときにその友人の紹介で、小林多喜二を描いた三浦綾子の小説『母』を読む。そこから小林多喜二を知り、「党員作家、小林多喜二の生きざまに感銘を受け」、日本共産党に入党した[3][4]。
大卒後・日本民主青年同盟専従時代
編集2006年3月に卒業後、日本民主青年同盟東京都委員会所属の専従活動家となる。同年12月に東京都委員会副委員長となった[4]。
2009年の第45回衆議院議員総選挙に東京12区より出馬し落選(31,475票,得票率11.98%)[5][6]。
2012年の第46回衆議院議員総選挙に東京12区(比例東京ブロックとの重複立候補)より出馬し、小選挙区と比例区共に落選した(41,934票,得票率18.91%,惜敗率36.77%。比例区484,365票,得票率7.41%)[7][8]。
2013年の第23回参議院議員通常選挙に参議院比例区より出馬し落選した(個人票6,387。政党票5,154,055,得票率9.68%)[9]。
衆議院議員時代
編集2014年の第47回衆議院議員総選挙に東京12区(比例東京ブロックとの重複立候補)より出馬。同選挙区は公明党の太田昭宏、生活の党の青木愛、次世代の党の田母神俊雄らが出馬し乱戦となった。小選挙区では太田に敗れたが(44,721票,得票率21.04%,惜敗率50.53%)[10]、比例東京ブロックにて初当選した(885,927票,得票率15.37%)[11][12]。
2015年8月15日に在日本大韓民国民団の第70回光復節に出席した[13]。
落選後
編集2017年の第48回衆議院議員総選挙では小選挙区(東京12区・比例東京ブロックとの重複立候補)で落選し、比例復活もできず議席を失った[14]。
2020年1月、第28回党大会において、193人の党中央委員の1人に選出される[15]。
2021年の第49回衆議院議員総選挙では小選挙区(東京12区・比例東京ブロックとの重複立候補)で落選し、比例復活もできなかった[16][17]。
2023年6月、「今の私の体の状態では過酷な総選挙を候補者として走り切るのは無理がある」ため「次期総選挙に立候補しない」と自身のwebサイトで発表した[18]。
政策・主張
編集憲法
編集外交・安全保障
編集- 安全保障関連法の成立について、2017年のアンケートで「評価しない」と回答[19]。
- 「他国からの攻撃が予想される場合には敵基地攻撃もためらうべきではない」との問題提起に対し、2017年、2021年のアンケートで「反対」と回答[19][20]。
- 「北朝鮮に対しては対話よりも圧力を優先すべきだ」との問題提起に対し、2017年、2021年のアンケートで「反対」と回答[19][20]。
- 普天間基地の辺野古移設について、2021年のアンケートで「反対」と回答[20]。
ジェンダー
編集- LGBTの差別解消を公約の一つに掲げ、レインボーをイメージカラーとしている[24]。2015年3月5日、初めての国会質問で性的マイノリティーについて質疑を行った[25][26][27]。
- 選択的夫婦別姓制度の導入について、2017年、2021年のアンケートで「賛成」と回答[19][20]。
- 同性婚を可能とする法改正について、2017年、2021年のアンケートで「賛成」と回答[19][20]。
- 「LGBTなど性的少数者をめぐる理解増進法案を早期に成立させるべきか」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「賛成」と回答[20]。
- クオータ制の導入について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[22]。
その他
編集- アベノミクスについて、2017年のアンケートで「評価しない」と回答[19]。
- 安倍内閣による森友学園問題・加計学園問題への対応について、2017年のアンケートで「評価しない」と回答[19]。
- 森友学園への国有地売却をめぐる公文書改竄問題で、2021年5月6日、国は「赤木ファイル」の存在を初めて認めた[28]。しかし5月13日、菅義偉首相はファイルの存在を踏まえた再調査を行わない考えを報道各社に書面で示した[29]。9月の自民党総裁選挙で総裁に選出された岸田文雄も10月11日、衆議院本会議の代表質問で再調査の実施を否定した[30]。国の対応をどう考えるかとの同年の毎日新聞社のアンケートに対し「さらに調査や説明をすべきだ」と回答[23]。
- 「治安を守るためにプライバシーや個人の権利が制約されるのは当然だ」との問題提起に対し、2017年のアンケートで「反対」と回答[19]。
- 原発は日本に必要ないと明言している[24][21]。2015年3月8日に国会議事堂前で行われたNo Nukes Day 反原発☆統一行動に志位和夫委員長・吉良よし子参院議員・藤野やすふみ衆院議員と共に参加し、壇上で挨拶した[31]。
- カジノの解禁に反対[21]。
- 「特定秘密保護法」は必要ないとしている[21]。
- 政党助成金・企業団体献金の廃止に賛成[21]。
- 「道徳」を小中学校の授業で教え、評価する事に反対[21]。
- 首相は靖国神社に参拝すべきではないとしている[21]。
- 「村山談話」及び「河野談話」を見直すべきでないとしている[21]。
- ヘイトスピーチに反対しており[24]、法律で規制することに賛成[21]。
- 受動喫煙防止を目的に飲食店等の建物内を原則禁煙とする健康増進法改正に賛成[32]。
- 2017年6月7日の第193回衆議院法務委員会にて、無罪推定の原則のために現行の挙証責任が被害者となっていることに反対し、挙証責任を加害者に負わせることを主張[33]。国際弁護士の山口貴士は池内は、刑事訴訟法も、無罪推定の原則も、適正手続も理解していないと指摘している[34]。
人物・発言
編集衆院選初当選に際して
編集赤旗国民運動部のTwitterによれば、池内の当選後の第一声は「待ってろ安倍!」だったとし、次いで落ち着いてから「歴史と向き合う日本にしたい。レイシズムは許さない」と表明[35]。2014年12月17日、『生放送!とことん共産党』において東京12区は対立軸の鮮明な面白い選挙区だったと語った[36][37]。
ヒトラー風の安倍晋三首相の顔写真を貼り付けたドラムを叩く催し
編集2014年11月に開催された「赤旗まつり」でヒトラーの髭を安倍晋三首相のモノクロの顔写真に書き加えた、ヒトラー風の安倍首相写真をドラムに貼り付け、そのドラムを叩くパフォーマンスを行っている[38][39]。「安倍晋三首相の顔写真をデザインしたドラムを叩く催し」をTwitterで吉良佳子が「ドラムレクチャーなう」とツイートし、池内さおりは「熱く盛り上がりました!これからも叩くぞー!!!」などとツイートしたため、インターネットでは、やり過ぎだという批判も集まった[39]。J-CASTの取材に対し、日本共産党の広報部は、「表現の自由」だと問題視しない方針を発表している[39]。
ISILによる日本人拘束事件に際して
編集ISILによる日本人拘束事件では、拘束された日本人男性2名のうち1名の殺害画像がインターネット上に公開された2015年1月24日夜、安倍晋三首相が会見で「言語道断、許し難い暴挙」と述べたことを受け、池内は25日1時の時点で「こんなにも許せないと心の底から思った政権はない。『ゴンゴドウダン』などと、壊れたテープレコーダーの様に繰り返し、国の内外で命を軽んじ続ける安倍政権。安倍政権の存続こそ、言語道断。本当に悲しく、やりきれない夜。眠れない」(原文ママ)と、Twitterに投稿した[40]。
イスラム過激派組織ISILの行為は非難せずに政権批判のみを行なったこの投稿に対し、読者から様々な批判コメントが寄せられ、まもなく該当メッセージは削除された。当初、池内は削除理由を明らかにしていなかったが[41][42]、1月26日に「今の時期に昨日のようなツイートは不適切だと考え削除しました。お詫びいたします。」とTwitterに投稿した。同日には、志位和夫委員長が記者会見で池内の投稿について「不適切」との認識を示していた[40][43]。
その他
編集出演
編集著作・寄稿
編集- 「私にとってのバイブル」『女性のひろば』第389巻2011年07月号、日本共産党中央委員会、2011年6月3日、96-98頁、ASIN B0055D79PG。
脚注
編集- ^ 平成26年12月19日中央選挙管理会告示第30号(平成二十六年十二月十四日執行の衆議院比例代表選出議員の選挙における衆議院名簿届出政党等に係る得票数、当選人の数並びに当選人の住所及び氏名に関する件)
- ^ 第23回参議院選挙時事ドットコム2014年12月23日閲覧
- ^ a b “池内沙織 会いに行ける国会議員 みわちゃんねる 突撃永田町!!” (2016年4月20日). 2017年11月17日閲覧。
- ^ a b c d 公式ホームページ プロフィール
- ^ 『平成21年8月30日 平成21年 衆議院小選挙区 開票結果』(プレスリリース)東京都選挙管理委員会 2014、2014年12月 。
- ^ “総選挙2009”. 読売新聞. (2009年8月) 2014年12月23日閲覧。
- ^ 『衆議院議員選挙 投開票速報』(プレスリリース)東京都選挙管理委員会 2014、2012年12月 。
- ^ “第46回総選挙”. 朝日新聞. (2012年12月) 2014年12月23日閲覧。
- ^ “比例区開票速報(改選数48)”. 朝日新聞デジタル. (2013年7月) 2015年1月閲覧。
- ^ 『衆議院(小選挙区選出)議員選挙 候補者別得票数(全候補)』(PDF)(プレスリリース)東京都選挙管理委員会 2014、2014年12月、4頁 。
- ^ 『衆議院(比例代表選出議員選挙 届出政党等別得票数(全政党等)』(PDF)(プレスリリース)東京都選挙管理委員会 2014、2014年12月、1頁 。
- ^ “12区池内さん「政権暴走止める」”. 東京新聞. (2014年12月15日) 2014年12月23日閲覧。
- ^ 第70周年 光復節中央記念式典 東京韓国商工会議所
- ^ 東京-開票速報-2017衆議院選挙(衆院選):朝日新聞デジタル
- ^ “中央委員会の機構と人事(第28回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会”. 日本共産党. 2021年11月16日閲覧。
- ^ “衆議院選挙2021 東京(千代田区・港区など)開票速報・選挙結果”. 衆議院選挙2021特設サイト. NHK. 2021年11月1日閲覧。
- ^ 共産元職の池内沙織氏、比例でも復活当選せず 東京12区で敗北
- ^ “【ご挨拶】”. 池内さおり (2023年6月24日). 2023年7月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “池内沙織”. 2017衆院選 候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査). 朝日新聞社. 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g “池内沙織”. 朝日・東大谷口研究室共同調査 - 2021衆議院選挙. 朝日新聞社. 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “2014衆院選 東京ブロック 池内 沙織”. 毎日新聞. (2014年12月) 2015年1月閲覧。
- ^ a b “東京12区”. NHK 衆議院選挙2021 候補者アンケート. 2021年10月21日閲覧。
- ^ a b “共産 東京12区 池内沙織”. 第49回衆院選. 毎日新聞社. 2022年6月7日閲覧。
- ^ a b c 公式ホームページ 政策
- ^ 公式ホームページ 国会活動
- ^ 性的マイノリティー 人権保障へ啓発を図れ 池内沙織 初の国会質問
- ^ “躍進共産党 国会変える/鋭く多彩に政権と対決”. しんぶん赤旗. (2015年3月15日)
- ^ “「赤木ファイル」の存在、国側が認める 森友文書改ざん訴訟 確認に1年以上”. 東京新聞 (2021年5月6日). 2023年5月8日閲覧。
- ^ 石井潤一郎 (2021年5月13日). “菅首相、再調査を否定 「赤木ファイル」所在確認も”. 朝日新聞. 2023年5月12日閲覧。
- ^ 皆川剛 (2021年10月11日). “岸田首相、森友問題再調査を否定 赤木さん妻「再調査を期待していたので残念」”. 東京新聞. 2023年5月12日閲覧。
- ^ JCPムービー2015年3月
- ^ “衆議院選挙2017/10/22タバコ対策の公開アンケート”. 「子どもに無煙環境を」推進協議会 (2017年10月24日). 2021年10月30日閲覧。
- ^ “第193回国会 法務委員会 第21号(平成29年6月7日(水曜日))”. www.shugiin.go.jp. 2021年11月16日閲覧。
- ^ “山口貴士ツイッター”. Twitter. 2021年11月16日閲覧。
- ^ 赤旗国民運動部 2014年12月15日0時35分ツイート。2015年1月閲覧。
- ^ “生放送!とことん共産党”. しんぶん赤旗. (2014年12月17日) 2014年12月閲覧。
- ^ 躍進した国会で、暴走ストップ! 政治を変える YouTube、14分20頃から。2014年12月17日アップロード。2015年1月視聴。
- ^ 産経新聞政治部 (2016年7月18日). “「防衛費は人を殺す予算」発言だけじゃない 「たら」「れば」を事実のように語る共産党のデマ・炎上体質を斬る(「日本共産党研究-絶対に誤りを認めない政党」より抜粋)”. 産経新聞出版 2017年4月20日閲覧。
- ^ a b c 共産党、赤旗まつりで「安倍叩き」 首相顔写真入りドラムを叩く J-CASTニュース 2014年11月4日
- ^ a b 共産・池内氏が謝罪「今の時期に昨日のようなツイートは不適切だと考え削除しました」 産経ニュース 2015年1月26日
- ^ “【イスラム国殺害脅迫】共産・池内氏「心の底から許せない政権」 殺害画像受け投稿も削除”. 産経新聞. (2015年1月25日) 2015年1月25日閲覧。
- ^ “「安倍政権こそ言語道断」ツイートの池内氏、共産は不問?「党見解」から異例の暴走”. 産経新聞. (2015年1月25日) 2015年1月26日閲覧。
- ^ 「イスラム国」非難せず「安倍批判」ばかり 共産党・池内議員ツイッター炎上でおわび J-CASTニュース 2015年1月26日
- ^ 「女性国会議員に『選択的夫婦別姓』の賛否を聞いてみた」、女性自身、2015年12月25日。
- ^ 田端薫 (2022年6月15日). “西原孝至さんに聞いた:もっとも身近でもっとも遠い日本共産党の今とこれから〜映画『百年と希望』”. マガジン9 2022年6月22日閲覧。
- ^ “最古の政党・日本共産党の99年目の姿を外側から映し日本の課題に迫る”. ムビコレ. (2022年6月10日) 2022年6月23日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 池内さおりホームページ
- 池内さおり (@ikeuchi_saori) - X(旧Twitter)
- 池内さおり事務所 (@saorijimusyo) - X(旧Twitter)
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