桃園捷運1000型電車
桃園捷運1000型電車(とうえんしょううん1000がたでんしゃ)は2017年から台湾の桃園捷運(桃捷、桃園メトロ)で運用されている通勤型電車。
桃園捷運1000型電車 | |
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![]() 普通車(新荘副都心駅にて) | |
基本情報 | |
運用者 | 桃園捷運公司 |
製造所 |
![]() ![]() |
製造年 | 2011年、2015年 |
製造数 | 20編成80両[1] |
運用開始 | 2017年3月2日[注釈 1] |
投入先 | 桃園機場捷運 |
主要諸元 | |
編成 | 4(DMC1+MC1+MC2+DMC2) |
軌間 | [2] 1,435mm mm |
電気方式 |
直流750V (第三軌条方式) |
最高運転速度 | [2][3](p139) 100 km/h |
設計最高速度 | [2] 110 km/h |
起動加速度 | [注釈 3]3.96 km/h/s |
減速度(常用) | [注釈 5]3.60 km/h/s |
減速度(非常) | [注釈 6]4.68 km/h/s |
編成定員 | [4] 1,116人 |
車両重量 |
[2] DMC1/DMC2:40t [2] MC1:39t [2] MC2:38t |
編成長 | 約82m |
車体長 |
[2] 先頭車:20,780 mm [2] 中間車:20,250[注釈 2] mm |
全幅 | [2] 3,030 mm |
全高 | [2] 3,763 mm |
床面高さ | [2] 1,133 mm |
車体 | ステンレス鋼 |
台車 | [3](p138)川崎重工業製ボルスタ台車 |
固定軸距 | [3](p138)2,100 mm |
台車中心間距離 | [2] 13,500 mm |
主電動機 |
[5](p66)三菱電機製 MB-5131-A 全閉式電動機 |
主電動機出力 | [2] 185 kW |
駆動方式 |
WN駆動方式 三菱電機製 WN-1604-A[5](p66) |
歯車比 | [2][3](p139)101:16 (6.31) |
編成出力 | 2,960 kW |
制御方式 | IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 | 三菱電機製 MAP-184-75VD139B [5](p66) |
制動装置 |
クノールブレムゼ 回生ブレーキ、発電ブレーキ、電気指令式ブレーキ[7] |
保安装置 | [注釈 4]シーメンス Trainguard MT CBTC(ATC、ATP、ATO)[6] |
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概要
編集交通部高速鉄路工程局(現・交通部鉄道局)によって発注され、桃園機場捷運(桃園捷運機場線)で運用されている。日本の川崎重工業とその技術移転を受けた台湾車輌によって20編成80両が製造された。川崎が第1編成および増備車となる第18-20編成を、台湾車輌が残り16編成を担当している。(第1編成(1101/1401)は2011年7月29日に神戸港から発送され、8月3日に台北港に到着[8]、現地生産の初回分1102/1402~1117/1417は2012年12月に落成している[2]。増備車の第18編成(1118/1418)は2015年9月3日に台北港に到着している[9]。
仕様
編集編成長は約82メートルで4両編成。床面高さは113.3cm、客室内天井高さは205.0cm[2]。先頭車運転室窓まわりからコーポレートカラーの青が側面に向かって伸びている。側面上段の帯は運転室横の客室扉直後から紫色に変化する。旅客案内上も普通車は青で統一され、直達車の紫と明確に区別している。連結器は全てドイツ・フォイト社製で、両先頭車はシャルフェンベルク式連結器(密着式)、中間部は半永久式[2]。
性能
編集車体や機器構成などの基本設計は同線で直達車として運用されている2000型と共通[10]。未成線となった前身の中正機場捷運を受け継いで、急曲線や急勾配(最大49.2パーミル[3](p134))の多い機場線の線形に対応するため全車両電動車となっている。台北捷運や高雄捷運と同じく標準軌、第三軌条方式の車両が採用された。主電動機は1軸当たり185kW[11]。
編成
編集方向 | ← 台北
桃園国際空港・環北 →
|
[12][13]
凡例
| ||||
---|---|---|---|---|---|---|
形式 | DMC1400 (Mc1) |
MC1300 (M1) |
MC1200 (M2) |
DMC1100 (Mc2) | ||
機器配置 | VVVF | SIV | SIV | VVVF | ||
車内設備 | , , | , | , | , , | ||
座席定員[2] | 48+ 2 | 50+ 2 | 52+ 2 | 48+ 2 | ||
乗車定員 | 269 | 289 | 289 | 269 | ||
手荷物積載数[4] | 20インチキャリーバッグ252個分(座席下、荷物棚) | |||||
車両番号 | ||||||
川崎重工 | 1401 | 1301 | 1201 | 1101 | ||
台湾車輌 | 1402 : 1417 |
1302 : 1317 |
1202 : 1217 |
1102 : 1117 | ||
川崎重工 | 1418 : 1420 |
1318 : 1320 |
1218 : 1220 |
1118 : 1120 |
設備
編集- 車両ごとの座席定員は188席。各車両ごとのドア数は3つ。座席はオールロングシートで空港旅客と通勤旅客の両面に対応している。国内の佳豊機械設計工業が製作した[5](p60)。博愛座(優先座席)は濃い紫で明確化されている。台湾桃園国際空港利用客を考慮し、大型のスーツケースなどを置ける荷物棚が設置されている。側面窓下部の帯部分には、誤乗防止の観点からホームドア越しでも見えやすいように「Commuter 普通車」と大きい文字で表記されている。車内には消火器、防犯カメラが設置されている。また、開業直後に台湾で初の事例となる車内自動体外式除細動器(AED)が1両目と4両目に増設されている[14]。
- 2018年7月、従来は台北と桃園国際空港間で運行されていた直達車(急行列車)の増発と環北駅方面の延伸に伴い、2編成は客室設備はそのままに外観色が2000型と同様の紫主体となり直達車として運用されている[15][16]。
- 2019年8月末に直達車11編成を合わせて全旅客車両の照明がLED式に順次換装された[17]。
ギャラリー
編集その他
編集特別仕様車
編集- 五月天(メイデイ)ラッピング(第5編成:2017年12月-2018年1月[18][19])
- 台東県政府観光広告(第14編成:2018年6-10月[20][21])
- ㄚ桃園哥[注釈 7]ラッピング(第19編成:2018年7月~[22])
- 阪神電鉄・阪神タイガースラッピング(第16編成:2019年1月~[23][24])
関連商品
編集台湾メーカーの鐵支路模型より迴力車(デフォルメされた無動力の模型)が[25]、タカラトミーより台湾国内限定でプラレールがそれぞれ販売されている[26]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 車輛簡介 普通車1000型 アーカイブ 2018年4月26日 - ウェイバックマシン 悠遊台灣鐵道 廖健竣
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 桃園機場捷運普通車 規格表 アーカイブ 2017年10月18日 - ウェイバックマシン 台灣車輛股份有限公司官報網站
- ^ a b c d e f 工程第91期 No.4 機場捷運營運週年回顧及展望 國內首列載運行李的機場捷運電聯車”. 中國工程師學會. pp. 133-148. 2019年4月20日閲覧。 アーカイブ 2019年5月4日 - ウェイバックマシン 曹樂群、溫清霖、魏德輝、黃劉乾、李文杰 (2018年8月20日). “
- ^ a b c 桃園誌20期”. 桃園市政府. pp. 8-10 (2017年1月26日). 2019年4月20日閲覧。 アーカイブ 2017年12月29日 - ウェイバックマシン “
- ^ a b c d ME01標電聯車工程─100年度第一梯次量產車製程品質查驗”. 國家發展委員會公務出國報告資訊網. 2018年10月7日閲覧。 アーカイブ 2018年10月8日 - ウェイバックマシン 交通部高速鐵路工程局 (2011年7月26日). “
- ^ ME01號誌車載設備工廠測試出國報告”. 國家發展委員會公務出國報告資訊網. p. 6. 2018年10月7日閲覧。 アーカイブ 2018年10月8日 - ウェイバックマシン 交通部高速鐵路工程局 (2011年5月19日). “
- ^ 機械設備首件產品檢測(FAI)檢視”. 国家発展委員会公務出国報告資訊網. 2018年10月7日閲覧。 アーカイブ 2018年10月8日 - ウェイバックマシン 交通部高速鐵路工程局 (2010年7月26日). “
- ^ Newsletter 高速鐵路簡訊 第194期” (PDF). 交通部高速鐵路工程局. p. 9 (2012年4月). 2019年4月20日閲覧。 アーカイブ 2018年10月8日 - ウェイバックマシン “
- ^ “機捷列車車廂到啦 500噸超重吊車出馬”. 自由時報. (2015年9月3日). オリジナルの2018年10月8日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ 台湾桃園国際空港接続線用電車 川崎重工業車両カンパニー
- ^ 機場捷運電聯車之牽引系統簡介”. 高速鉄路工程局 (2015年6月). 2019年4月20日閲覧。 アーカイブ 2018年2月4日 - ウェイバックマシン 高鐵簡訊232期 “
- ^ 電聯車 - ウェイバックマシン(2016年8月6日アーカイブ分) 2014-10-13,交通部高速鐵路工程局
- ^ 桃園機場捷運普通車 - ウェイバックマシン(2016年10月31日アーカイブ分) 台灣車輛股份有限公司
- ^ “車廂設置AED 桃捷全台唯一”. 中国時報. (2017年5月4日). オリジナルの2019年9月3日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ “搭錯車?普通改直達「內裝不變」 機捷:過渡期”. TVBS. (2018年8月6日). オリジナルの2019年9月2日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ “直達車外皮!普通車內裝 機捷彩繪列車「易混淆」”. TVBS. (2018年9月27日). オリジナルの2019年8月29日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ 貼心!機場捷運增設USB充電設備 不用擔心手機沒電”. 自由時報 (2019年8月29日). 2019年8月29日閲覧。 アーカイブ 2019年9月15日 - ウェイバックマシン “
- ^ “桃捷五月天彩繪列車搭車攻略”. 桃園捷運公司. (2017年12月11日). オリジナルの2019年12月3日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ “在機場捷運與娛樂相遇:從現代化的交通線,直達美好的旅遊購物線”. The News Lens. (2019年4月5日). オリジナルの2019年4月8日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ “台東拚觀光再出招 包下桃捷整列車廂形象廣告”. 聯合報. (2018年6月26日). オリジナルの2018年6月26日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ 【聯合生活新聞】台東拚觀光再出招 包下桃捷整列車廂形象廣告 廣豐國際
- ^ “揭密ㄚ桃園哥彩繪列車”. 桃園捷運公司. (2018年7月19日). オリジナルの2019年12月3日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ “桃園機場捷運攜手「阪神電器鐵軌」 拓展沿線商機”. 民視. (2019年1月21日)
- ^ “桃園機場捷運 阪神電鐵彩繪列車 A4進站+開車 Taoyuan Airport MRT”. (2019年4月16日). オリジナルの2023年4月4日時点におけるアーカイブ。 2019年5月4日閲覧。
- ^ 所有製品 アーカイブ 2019年4月28日 - ウェイバックマシン 鐵支路模型
- ^ 【正版授權】PLARAIL 機場捷運樂趣組 鐵道王國 玩具 桃園捷運 x TAKARA TOMY 博客来
関連項目
編集外部リンク
編集- 列車介紹 桃園捷運公司