桂依央利

日本の元プロ野球選手

桂 依央利(かつら いおり、1991年7月9日 - )は、大阪府大阪市東住吉区出身の社会人野球選手、コーチ、元プロ野球選手捕手)。右投右打。

桂 依央利
日立製作所硬式野球部 選手兼バッテリーコーチ #40
中日時代
(2015年3月20日、阪神鳴尾浜球場にて)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 大阪府大阪市東住吉区
生年月日 (1991-07-09) 1991年7月9日(33歳)
身長
体重
185 cm
90 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2013年 ドラフト3位
初出場 2015年4月21日
最終出場 2022年6月29日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
  • 日立製作所

経歴

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プロ入り前

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小学校2年から、南百済ファイターズでソフトボールを始め、中野中学校時代は東住吉ボーイズに所属。太成学院大学高等学校では1年秋から背番号5でベンチ入り。高校の2年後輩に今村信貴がいる[1]

大阪商業大学では2年春に正捕手となる。4年春秋と首位打者、ベストナイン。第44回明治神宮野球大会では準決勝で敗退。関西六大学リーグでは72試合出場で通算65安打、打率.290、1本塁打、20打点。

2013年度プロ野球ドラフト中日ドラゴンズから3位指名を受け入団。背番号は40。チームメイトの橋爪大佑も同じく中日からドラフト指名を受けた。

中日時代

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2014年イップスにより二塁への送球どころか投手への返球もままならず、6月には二塁への送球をマウンド上の伊藤準規投手に当て負傷退場させた。一軍出場はなかった[2]

2015年4月21日、対東京ヤクルトスワローズ戦5回裏の打席で成瀬善久からプロ入り初安打となるソロ本塁打[3]。この試合では先発投手を務めた大野雄大を完投勝利に導いている[4]

2016年は自身初の開幕一軍スタメンを掴んだ。その後は杉山翔大との激しい正捕手争いを演じ[5]、59試合に出場した。オフに左膝の半月板縫合手術を受けた[6]

2017年はリハビリに費やし一軍・二軍とも出場なしに終わった[7]

2018年には二軍戦に復帰するも一軍出場なしに終わった。

2019年、6月3日に3年ぶりのヒットを打った[8]。3年ぶりの一軍出場を果たしたが6月10日に二軍へ降格。

2020年6月21日に練習中に負傷し、左有鈎骨鈎骨片摘出手術を受けた[9]。その影響もあり、一軍では終盤間際の2試合の出場に留まった。

2021年は、5月23日にシーズン初スタメン[10]。6月6日のオリックス・バファローズ戦に先発出場し、3打数3安打でプロ初の猛打賞を記録した[11]。 6月12日の埼玉西武ライオンズ戦では、森脇亮介から5年ぶりの本塁打を放った[12][13]

2022年は10試合の出場に終わり、10月22日に球団から戦力外通告を受けた[14]

中日退団後

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現役続行を目指して2022年11月8日に楽天生命パーク宮城で行われた12球団合同トライアウトに参加したが3打席で無安打、2三振を喫しNPB球団との契約には至らなかった[15]

同年12月1日、社会人野球チームの日立製作所硬式野球部へ選手兼任コーチとして加入することが発表された[16]

選手としての特徴

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遠投は115m、捕球から二塁到達までのタイムは1.85秒と強肩である[3]。リードについては小川将俊バッテリーコーチは「セオリーを重んじる」タイプと評する一方、「状況に応じてもっと臨機応変な柔軟性を持ってほしい」と述べている[17]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2015 中日 47 113 105 8 24 1 1 2 33 7 1 0 5 0 3 0 0 33 2 .229 .250 .314 .564
2016 59 164 143 7 26 5 0 3 40 11 0 0 7 1 11 2 2 38 3 .182 .248 .280 .528
2019 4 9 8 1 2 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 2 0 .250 .250 .250 .500
2020 2 9 9 1 2 1 0 0 3 2 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .222 .222 .333 .556
2021 36 75 71 6 18 4 2 1 29 7 0 0 2 0 1 0 1 24 2 .254 .274 .408 .682
2022 10 9 9 1 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .222 .222 .222 .444
NPB:6年 158 379 345 24 74 11 3 6 109 27 1 0 15 1 15 2 3 102 7 .214 .253 .316 .569

年度別守備成績

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捕手






















2015 中日 46 249 19 4 4 .985 6 28 20 8 .286
2016 59 346 36 2 7 .995 1 27 16 11 .407
2019 4 13 0 0 0 1.000 0 1 1 0 .000
2020 2 14 4 0 0 1.000 1 3 0 3 1.000
2021[注 1] 35 149 17 2 2 .988 1 20 12 8 .400
2022[注 2] 10 32 3 0 0 1.000 1 1 0 1 1.000
通算 156 803 79 8 13 .991 10 80 49 31 .388

記録

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背番号

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  • 40(2014年 - 2017年)
  • 68(2018年 - 2022年)

登場曲

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  • 「Get It Girl feat. T-Pain」Mann(2015年 - 2016年)
  • 「DADDY [Feat. CL of 2NE1PSY(2016年 - )

脚注

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注釈

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  1. ^ 企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照
  2. ^ 企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照

出典

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  1. ^ 大商大・桂が2安打2打点/関西6大学”. 日刊スポーツ (2013年10月16日). 2021年6月24日閲覧。
  2. ^ イップスを乗り越えて――谷繁監督も絶賛した桂の〝復肩〟”. ベースボールチャンネル(BaseBall Channel) (2014年11月27日). 2021年6月24日閲覧。
  3. ^ a b 2年目若竜・桂 初出場初安打が初本塁打!「ポスト谷繁」名乗り”. スポーツニッポン (2015年4月22日). 2015年9月24日閲覧。
  4. ^ 中日を勝利に導いた若きバッテリー プロ初本塁打の桂は「気持ちいい!」”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2015年4月21日). 2022年10月1日閲覧。
  5. ^ 「ポスト谷繁」へ中日の正捕手争いが面白い(写真=共同)”. 日本経済新聞 (2016年7月19日). 2022年10月7日閲覧。
  6. ^ 中日桂が左膝の半月板縫合手術 試合復帰まで4カ月”. 日刊スポーツ (2016年11月30日). 2021年6月24日閲覧。
  7. ^ 中日桂25%減1130万円更改「ケガしない体を」”. 日刊スポーツ (2017年11月14日). 2021年6月24日閲覧。
  8. ^ 桂、3年ぶりのヒット”. 中日スポーツ (2019年6月3日). 2019年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月3日閲覧。
  9. ^ 中日・桂が左手有鉤骨鉤骨折…21日の練習中に負傷 24日に手術し、試合復帰は7、8週間後の予定”. 東京中日スポーツ (2020年6月24日). 2021年6月24日閲覧。
  10. ^ 今季初先発の中日・桂が光った 2勝目を挙げた福谷を好リード「緩急をうまく使えた感じ」”. スポニチ Sponichi Annex (2021年5月23日). 2021年6月6日閲覧。
  11. ^ 中日・桂 プロ8年目で初の3安打猛打賞 打てる捕手・木下拓に挑戦状”. スポーツニッポン (2021年6月6日). 2021年6月13日閲覧。
  12. ^ 【中日】途中出場の桂依央利が5年ぶりアーチで反撃”. スポーツ報知 (2021年6月12日). 2022年2月27日閲覧。
  13. ^ 【中日】桂依央利が5年ぶりの本塁打「しっかり粘れて、甘いのを仕留められた」:中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2022年2月27日閲覧。
  14. ^ 来季の契約について”. 中日ドラゴンズ (2022年10月22日). 2022年11月17日閲覧。
  15. ^ “前中日の桂依央利は3打席2三振「とにかく野球をしたい…どこかに行けたら」【トライアウト】”. 中日スポーツ. (2022年11月8日). https://www.chunichi.co.jp/article/578669 2022年12月1日閲覧。 
  16. ^ 元中日の桂依央利、社会人野球の日立製作所に選手兼コーチで加入「これ以上ありがたいことはない」”. 中日スポーツ (2022年12月1日). 2022年12月1日閲覧。
  17. ^ 【中日好き】杉山翔大と桂依央利、発展途上の2人:コラム”. J SPORTS (2016年6月16日). 2016年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月24日閲覧。

参考文献

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  • ベースボール・マガジン社 編『ベースボール・レコード・ブック』 2022日本プロ野球記録年鑑、ベースボール・マガジン社、2021年。ISBN 978-4-583-11429-3  52ページ参照。
  • ベースボール・マガジン社 編『ベースボール・レコード・ブック』 2023日本プロ野球記録年鑑、ベースボール・マガジン社、2022年。ISBN 978-4-583-11546-7  296ページ参照。

関連項目

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外部リンク

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