東京詞
概要
編集1869年(明治2年)に書かれた、幕末から明治前期の漢詩人大沼枕山(おおぬま ちんざん)による、江戸が東京(とうけい)へと激変する様を詠んだ七言絶句三十首である。
1869年、津田信全は、枕山の“東京詞三十首”を、雅致に富んだ折り本形式で出版した。その折り本は題字から「東京楽事」と呼ばれている。「東京楽事」では、当時有名な書家10人、画家10人が筆を執っている。
信夫恕軒の「大沼枕山傳」によれば、“東京詞三十詞ヲ賦シ 時事ヲ諷詠ス 詞意並妙 忽チ弾正台ノ糾問スル所ト為ル(原文・漢文)”とある。
また、1870年1月、「皇朝分類名家絶句」が石川省齋の編集により、百人の絶句を収録して刊行されたが、枕山は序文と共に詩を寄せ、その中に“東京詞三十首”も収められている。
ギャラリー
編集- 「東京楽事」(折り本の「東京詞」)